貴方は昭和のバードウォッチャー?
はじめに
昭和時代が終わって30数年たってしまいました。この年の瀬、昭和生まれの私にとって昭和は遠くなりにけりと実感いたします。
平成時代、日本野鳥の会の会員が1万人を超えて、アウトドアブームのなかバードウォッチャーが増えました。あれから30数年。バードウォッチングの傾向も変わり、新しい流れを感じます。当時、バードウォッチングを始めた友人の家に行くと、昭和時代に発行された本が並んでいます。その後、発行された新しい知識の詰まった図鑑や解説本は見当たりません。話をすると懐かしい昔話ができますが、昭和のバードウォッチャーがとり残されていることを感じました。
ということで、貴方は昭和のバードウォッチングの知識で止まっていませんか?
まずは、バードウォッチングの昭和度をはかるためのチェック項目です。昭和度が高ければ、これからは積極的に新しい知識を取り入れるようにしていただければと思います。そうすれば、野鳥をさらに楽しめると思います。お試しください。
■機材編
望遠鏡のことをプロミナーという
使用している双眼鏡は、ポロタイプの8×30
オメガブランドの双眼鏡を使ったことがある
野鳥録音は、パラボラが必要だと思っている
録音機を回すと言ってしまう
かつてのニコンの望遠レンズ、フォーカシングユニットの意味がわかる
カメラの感度をASAと言ってしまう
■鳥学編
伊豆沼で1万羽のマガンの中から2,3羽のシジュウカラガンを見つけるが楽しみだった
北海道に行ったら、シマアオジだらけだった
ツルシギ100羽の群れを見たことがある
カワセミを「清流の宝石」だと思っている
カッコウやホトトギスの仲間をトケンと言ってしまう
北海道のタンチョウは、まだ1000羽以下だと思っている
鳥島のアホウドリの数は500羽だと思っている
オオムシクイをコムシクイだと思っている
ニシオジロビタキをオジロビタキだと思っている
ハヤブサ類はインコ類に近い仲間だと知らない
リュウキュウコノハズクをセレベスコノハズクだと思っている
日本のアホウドリは、2種類いることを知らない
リュウキュウサンショウクイは、本州で越冬していることを知らない
キジは、一夫多妻性だと思っている
ジョウビタキは、日本で繁殖する鳥になったのを知らない
イソヒヨドリは都会や内陸の鳥になったのを知らない
日本三大探鳥地は、軽井沢、須走、比叡山だ
■一般教養編
「鳥の群れがかぶる」の意味がわかる
「木化け」が通じないで困ったことがある
マイフィールドをホームグラウンドという
野鳥図鑑は、1冊あれば良いと思っている
野鳥への餌付けは、良いことだと思っている
バードウォッチング専門誌の「Birder」を買ったことがない、そもそも存在を知らない
ウンドミル(発電用風車)が野鳥に大きな影響を与えていることを知らない
マイクロプラスチックが海鳥に悪い影響を与えていることを知らない
太陽光パネルが自然にどのような影響を与えているか知らない
旅行会社のバードウォッチングツアーの参加したことがない
カラスの群れを見るとヒッチコックの映画「鳥」を連想する
日本野鳥の会は財団法人だと思っている
日本野鳥の会といえば、紅白歌合戦を思い出す
日曜日の朝のNHK番組「さわやか自然百景」を「自然のアルバム」と言ってしまう
□採点
あえて点数を付けません。お楽しみいただければ幸いです。これだけ引っかかった、たいしたことなかったと自己採点してください。その自己判断そのものが、昭和のバードウォッチャーの評価かもしれません。
こうやって列記してみますと、最近のバードウォッチャーでもひっかる設問があるかもしれません。最新の研究の成果、鳥を取り巻く環境問題など、これらは情報を積極的に取り入れようとしないと入ってこない事柄です。
日本野鳥の会の「野鳥」誌、文一総合出版社の「Birder」誌、日本鳥学会の学会誌、バードリサーチのメールマガジンなど。また、Facebookで山階鳥類研究所など学会系の方が発信しているニュースも最新の研究を知ることができます。ただ、これにはお金も時間もかかります。珍鳥ポイントで噂される不確かな情報、ネットに流される害毒とも言える書き込みに比べれば、それだけの価値があると思います。
ネット上や珍鳥ポイントでの噂話の正誤を判断するのは、ご自身の知識と経験しかありません。昭和のバードウォッチャーから脱去するためにも日々精進です。
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松田様
「バードウォッチングの昭和度をはかるためのチェック項目」読みました。
すごく笑えました。
こんなのはどうでしょうか?
探鳥会で、ホオジロのさえずりを若者に何度も「一筆啓上仕り候」、「あっと驚く為五郎」と繰り返して説明する。
来年もよろしくお願いします。
投稿: T_Ohi | 2021年12月27日 (月) 20時00分
T_Ohi 様
ヒマネタですが、お楽しみいただきありがとうございます。
ききなしまで、考えが及びませんでした。
たとえば
センダイムシクイの「ちかれたビーッ」
キビタキの「トッポジージョ」
ウズラの「アジャパー」
コシジロウミツバメの「オッペケ、ペッポ、ペッポッポッ」
なども、若いバードウォッチャーには説明が必要になってきました。昭和のバードウォッチャーにはわかるネタかと。
では、来年も野鳥たちと素晴らしい出会いがあることをお祈りしてります。
投稿: まつ | 2021年12月27日 (月) 21時18分
昭和度ですが、
●河原で探鳥するとき「野犬の群れに会ったらやだなぁ」と感じている。
●使わないかもしれないけど、カウンターを持って行く。
●プロミナを順番で覗くとき、珍鳥の場合は素早く交代するルールを厳守する。
などどうでしょうか?(笑)。
なつかしいです。
平成度としては●双眼鏡は使わない
これは、驚きます。
今年も色々な話題をありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
投稿: S木♂ | 2021年12月30日 (木) 13時49分
S木♂様
今年1年、ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。
ネタの追加、ありがとうございます。
そういえば、3種の神器という言葉も聞かなくなりましたね。
・三種の神器と言えば・・・
を追加しておきます。
投稿: まつ | 2021年12月30日 (木) 17時35分