『あした出会える野鳥 100』-ご紹介
菅原貴徳さんより『あした出会える野鳥100』をいただきましたので、ご紹介いたします。
このところ、初心者向けの図鑑が豊作です。
つい日本産の野鳥が全部載っている図鑑、識別の難しい種類も詳しく解説されている図鑑に目が行きがちです。しかし、初心者にとっては、かえってたくさん種類が載っている中から名前を調べる図鑑は使いこなすのに苦労します。バードウォッチングの普及や身近な野鳥でまずは野鳥に親しんでもらうためには、ある程度種類を絞った図鑑のほうがわかりやすいことになります。本書は、タイトルとおり100種が厳選されています。
ただ、初心者向けの図鑑の評価は、難しいものがあります。私にとっては、50年以上前の気持ちになって読むことはできませんし、初心者の方はほんとうにこれで良いのかの判断ができないはずです。そのようななかで、本書は菅原さんの写真がまずきれい、それも種類を区別しやすい写真なのでわかりやすいことは、本をパラパラめくるだけでもわかると思います。
加えて、柴田佳秀さんのわかりやすく、いかにその鳥の特徴を伝えようかと工夫された解説文が、鳥の名前を知るために強力な武器となっています。たとえば「くちばしの白いのはオオバンだけなので識別は簡単。」これで、くどくどと特徴を述べるより、初心者にとっては一目瞭然、一発で名前がわかってうれしくなるはずです。
カメラの品評のために野鳥の写真を撮っている人にとって、まずは鳥の名前を覚えてもらい、野鳥とのつきあい方を知るためにも、手元に置いておいて欲しい図鑑です。
菅原さん、ありがとうございました。
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