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2022年4月12日 (火)

マミチャジナイのさえずり-六義園+X8

 タスカムの新機種Portacapture X8(以下、X8)を購入して、まずは六義園に向けての長時間録音を試しています。
 最初は、寝る前の午後10時からeneloopのエネルギーが続く限り8時間余り。午前6時までの録音です。現在、日の出時刻は5時15分です。そのため、六義園の早朝のコーラスのピークは4時台ですので、じゅうぶんフォローできました。
 ということで、録音されていたのは、なんとマミチャジナイのさえずりでした。
 X8で録音。ボリュームの増幅、1,500Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。

 マミチャジナイは、秋の渡りの印象が強い鳥です。それが、春にさえずって六義園にいるとは予想外でした。それも、試しのX8の2回目の録音に入っていたとは、なんとも運の良いことでしょう。
 マミチャジナイは、はじめは遠くで鳴きだんだん近くなり、アップした音源はかなり近く、おそらく数10mしか離れていないと思います。
 大型ツグミ類のさえずりの識別ポイントについて、解説された記述は少ないです。同じ節を繰り返すタイプのさえずり方をするツグミ、シロハラ、アカハラ、そしてマミチャジナイについて、今までの経験から述べておきます。
 いずれも、1,500~3,500Hzと野鳥の鳴き声としては低めです。コーラスのなかではシジュウカラとハシブトガラスの間にある空間にパターンがでることが多く、ウグイスやヒヨドリの低い声とかぶります。
 ツグミは、ときどき「ケスケス」などの地鳴きを交えることで区別できると思っています。
 アカハラは、「キョロン、キョロン、チリリ」の2音と別音1音、3音構成で、「キョロン、キョロン」が平坦、1音と2音の変化が少ないことと「チリリ」あることが特徴だと思います。また、同じ節を何度も長く繰り返すことが多く、節ごとに変化をつけるシロハラとの違いだと思っています。
 シロハラの節ごとの変化は「キョロン、キョロン」の1音と2音に抑揚の違いがあり、高い低い、低い高いと変化します。また「チリリ」がないか短い節が多です。
 ただ、アカハラ、シロハラともバリエーションが多く、判断に迷うさえずりがあって、生息地や季節によっては姿の確認をしたほう良いでしょう。
 マミチャジナイは、蒲谷鶴彦さんの『野鳥大鑑』に収録されている音源、私が新潟県粟島で録音した音源、ネットでアップされている音源などを聞きますと、さほどバリエーションは多いとは思えません。一度覚えれば、間違えることの少ないさえずりだと思います。
 アップしたさえずりをお聞きいただくとわかると思いますが、アカハラなどにくらべ軽やかなテンポで、はずむように聞こえます。音質も澄んでいて声紋のパターンがはっきりと出るタイプです。
 マミチャジナイのさえずりが頭に入っているバードウォッチャーは少ないと思います。多少知識があれば、アカハラにしてしまうでしょう。しかし、このパターンをマスターしておけば、春の渡りのマミチャジナイに出会えることがあるかもしれません。なんども聞いて、頭にしみこませておくことをお勧めします。
 それにしても、2回目のX8の録音で、珍しいマミチャジナイを録音できるとは、なんとも幸先のよいことでしょう。

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観察記録」カテゴリの記事

コメント

松田様
X8を手にしてさい先の良いお話し有り難うございます。
ところで、このたびの録音は32bitFloatで録られたものでしょうか?

私は未だ、16bitと24bit、32bitFloatの違いが良く分かっていない感じです。

32bitFloatで野鳥録音すると何が良いのでしょう!?

今後のブログも楽しみにしています。

松田様

マミチャジナイのさえずりいいですねぇ。
それも六義園で録音とはすごい。
アカハラでもシロハラとも違うさえずり頭の中に入れておきます。

今後も楽しみにしています。

黒田治男様
 いつも拙ブログ、ご覧いただきありがとうございます。
 このブログは、mp3でのアップが奨励されていますので、高品位での音のアップはできないでいます。また、再生装置によって、その差の検証は難しいと思います。立派なアンプと大きなスピーカーのセット、あるいは高級なヘッドホンとか。それ以前に、耳も良くないとね。
 私の今まで経験では、高品位の録音は鳥の声がクリア、高い倍音までフォローできた場合、深みのある鳴き声になる。あとは、環境の広がりが良い感じに聞こえるということでしょうか。ただ、ブラインドテストをやられたら、その区別はできないかもしれません。
 今日、192kHz/32bitで録音してみました。なんと高音が960,000Hzまで録音できているのです。計算どおりほぼ4倍です。ここまで高い声で鳴く鳥は、いないと思いますが、コウモリは録れそうです。この他、実は高い声で鳴く生き物がいて、その研究に寄与しそうです。
 32bitFloatのメリットは、メーカーサイトや使用した方のブログを見ますと、オーバーピークした録音のレスキューがアプリでできるらしいです。今まで、録音していて鳥が近くに来て鳴き音が割れてしまった経験は、数えるほどしかありません。そうした音をフラットにできるということのようです。実際、鳥での検証は難しそうですが、拍手や楽器での急な大きな音を修復することはできています。
 ただ、データ量が増えますので、長時間録音には向いていないと思いました。
 現在、高品位録音は今のアプリや知識では、あまりメリットを感じませんが、将来的に野鳥の声の解明や分析の発展によって大きな発見があるかもしれません。それと、データ量とバッテリーの消耗のデメリットを天秤にかけての判断ということだと思っています。

T_Ohi様
いつもありがとうございます。
 マミチャジナイのさえずり、良い声でしょう。編集しながら聞き惚れました。
 もっと、さえずりが知れるようになれば発見されることの多い鳥だと思います。
 この他、ムギマキもご注意ください。
 芝川第一調節池の並木も何がでるかわかりません。

>まつ様
レポートありがとうございます。
32bitは、アドビAuditionで開けましたか?
私は24bitまでしか録音経験が無いので32bitに興味津々です。

周波数のほうはさほど優劣を感じないのですが、16bitか24bitか?の差は、楽器録音をすると歴然と感じます。
高音質録音のレコーダは、私はZoomH6と貴重なSonyD1で行っていますが、24bitまでしか録れないので、X8にそそられています。

鈴木♂様
 Adobe AuditionCCですが、問題なく開けました。編集も可能でした。
 楽器演奏では、16bitと24bitの違いがでるのであれば36bitもあると思います。
 野鳥録音では、同じ条件で比較することが難しいものがあります。たとえば切り替えているうちに鳥が移動してしまえば比較することができにないなど、同じ条件を長く保つのが難しいため検証できないでいます。結局、環境音の水音などで比較すれば良いと思うのですが、未検証です。
 X8は、タッチパネルや設定の操作性から、もはや録音機というよりコンピュータという感じになりました。今後の録音機の方向性を示す録音機になるかもしれません。

>まつ様
上位機種、魅力的ですねぇ。実際フィールドに持っていくのはDR-05やDR-07のことが多くて、日常で高音質録音をあまりしていない自分に気が付きますが・・。魅力的です(笑)。

今年も山の録音を少しやっています。4月12日にアオバズクの声が入って、あまりの早さに驚いています。

いつも楽しみに拝読しております。
昨日、5/2に同じ文京区内ですが、かなり南の新宿区との境にある庭園でまさにこの声を聞きました。声だけでも入ればと動画を撮り、その後、地面採餌する2羽の姿を遠くから撮りましたが、後ろ向きだったり枝葉がかぶったりで見た目ではアカハラだと思いました。帰宅してから声の方を確認するとマミチャジナイで間違いないようです。両方いたのかも知れません。先週、同じ場所でアカハラを撮った記憶があったので、再生してみると何とマミチャジナイでした。こちらの記事を読んでいなければアカハラだと思って済ませてしまうところでした。ありがとうございました。

タムラ様
 いつもご来訪、ありがとうございます。
 このさえずりが知られるようになれば、春のマミチャジナイの記録も増えるのではないかと思っています。
 図鑑に書いてない鳴き声は、けっこうスルーされてしまいます。
 野鳥録音をしていなければ、私もアカハラにしてしまいますね。

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