タスカム Portacapture X8を使ってみた-その5
実際の録音-マニュアルモード
つぎにマニュアルモードで録音してみました。
Mマークをタップしてマニュアルの画面にします。内蔵マイクの2チャンネル。左右にあるキヤノンプラグからの入力のそれぞれ2チャンネル。合計6チャンネルの入力の設定画面となります。
外部入力は行いませんので、3~6のチェックをはずします。内蔵マイクのみ赤い表示にして、録音してみました。なお、入力ゲインは、野鳥モードと同じ最大の50dbです。
音源を聞いて野鳥モードとどこが違うのか、比較が難しいです。同じ、自然音を録っての比較ができませんので、今のところ音の評価は保留です。
マニュアルモードの録音の大きな違いは、mixファイル(マスターファイル)が形成されることでした。本来のファイルと同じ容量ですので、倍のメモリを消費することになります。
これもタスカムに問い合わせたところ、「mixファイルは必ず作成されます。次のファームウエアの更新で改善できる見込みです。」とのことで、しばらく辛抱のようです。
実際の録音-高品位録音
X8は、192kHz/32bitの高品位での録音が可能です。現在、同じグレードの録音が可能なハンディレコーダーは、ZOOM F3だけのはずで、2番目の機種となります。
192kHzですと、高音が960,000Hzの高さまで録音できます。計算どおりほぼ4倍です。ここまで高い声で鳴く鳥はいないと思いますが、コウモリは録れそうです。この他、実は高い声で鳴く生き物がいて、その研究に寄与しそうです。
また、32bitFloatのメリットは、メーカーサイトや使用した方のブログを見ますと、オーバーピークした録音のレスキューがアプリでできるらしいです。今まで、録音していて鳥が近くに来て鳴き音が割れてしまった経験は、数えるほどしかありません。そうした音をフラットにできるということのようです。実際、鳥での検証は難しそうですが、拍手や楽器での急な大きな音を修復することはできています。
ただ、データ量が増えますので、長時間録音には向いていないと思いました。
高品位の音源の検証は、再生装置によって難しいと思います。立派なアンプと大きなスピーカーのセット、あるいは高級なヘッドホンとか。それ以前に耳も良くないと違いを評価できなでしょう。私の今まで経験では、高品位の録音は鳥の声がクリア、高い倍音までフォローできた場合、深みのある鳴き声になる。あとは、環境の広がりが良い感じに聞こえるということでしょうか。ただ、ブラインドテストをやられたら、その区別はできないかもしれません。
現在、高品位録音は今のアプリや知識では、あまりメリットを感じません。しかし、将来的に野鳥の声の解明や分析の発展によって大きな発見があるかもしれません。それと、データ量とバッテリーの消耗のデメリットを天秤にかけての判断ということだと思っています。
あと気になることをひとつ。36bit録音で録音したファイルをAuditionCCのspectrum表示すると、高音に一筋ノイズが出ます。
95.5kHzまで表示させると、25.5kHz、51.0kHz、76.0kHzに横一筋ノイズが見えます。幅は細く、拡大気味にしないとわかりにくいパターンです。高音ほどパターンは薄くなっています。実際のノイズを拾っている可能性があるので場所を変えて録音しましたが、どこでもこのパターンが出ました。実際は聞こえる音ではありませんが、気になります。
タスカムにたずねたところ「現在対策中となっております。」とのことで、いずれは解消されることでしょう。(つづく)
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