タスカムDR-05のVer3.0とXの違いーその2
DR-05のVer3.0とXについて音の違いを探ってみます。
S/N比は、カタログによるとVer3.0が92dB以上、Xが94db以上とわずかにXの方が性能が良いことになっています。この差はノイズの多い自然のなかでの録音では誤差範囲、違いを感じる数値ではないでしょう。
実際に録音した音で比較してみたいと思います。録音設定は、48kHz/16bit、ステレオです。タイマー録音で収録、地上1mほどの木の枝に2台を重ねて置いています。
音源からほぼ同じ場所の音声を切り出しフェードイン、フェードアウトをかけている以外の編集加工は行っていません。
まず録音時のゲイン、音の大きさについて波形表示で比較してみます。どちらも録音レベルは最高の90、フルボリュームで録音しています。モノラルに変換しています。
環境のノイズを波形で見ると、Ver3.0がピークが35dbあたりまであるのに対し、Xは45dbと低めです。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
ノイズの状態をスペクタクル表示で見てみます。モノラルに変換しています。全体に均一にノイズがあることがわかりますが、濃淡の違いになるほど大きな差はありませんでした。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
上掲の音源です。野鳥たちがさえずりはじめる前の静かな状態での録音です。おそらく、現場では無音と感じる状況です。「ゴー」という音がVer3.0のほうが、わずかに大きく聞こえます。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
低い音の例。フクロウの鳴き声です。大きな違いを感じることができませんでした。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
高い音の例。ミソサザイのさえずりを中心としたコーラスです。耳にキンキンくる感じが、Ver3.0のほうが強くXのほうがまろやかに聞こえますが、いかがでしょうか。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
いろいろな音の例。アカハラなどのコーラスです。近くで鳴くアカハラは同じに聞こえますが、遠くで鳴くカッコウがVer3.0の方が大きく聞こえるように思います。
DR-05 Ver3.0
DR-05 X
Ver3.0とXは、外見では液晶の色とマイクの赤いラインが大きな違いです。その他、機能に差がでるほどの違いはありませんでした。音は、Ver3.0が大きな音で録音できて、Xの方が音がまろやかという違いを感じました。この違いは、わずかであり、人によって感じ方が違うかもしれないという差異だと思います。
野鳥録音に必要な性能には大きな違いがないので、どちらを選んでもよろしいかと思います。1,000円安いことでVer3.0を選ぶことがあってよいかもしれません。ただ、2022年6月現在、どちらも品薄で入手難が続いています。とりあえず手に入る方を購入しても問題はないと思います。。
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