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2022年6月13日 (月)

イワツバメの変遷-日光

 イワツバメは、日光の名物でした.
 東武でもJRでも日光駅に着くと、最初に迎えてくれるのがイワツバメでした。また、現在の小杉放菴記念日光美術館にあった日光小学校はイワツバメのコロニーとなっていて、昭和32(1957)年12月20日に山階芳麿さんと中西悟堂さんが視察に訪れています。ちなみに、私の小学校の修学旅行でも、このコロニー見学がコースに入っていて日光小学校の子どもたちをうらやましく思ったものです。さらに、このイワツバメを巡って映画『五千羽のイワツバメ』(東映・1959)が制作され、当時小学生だった地元の知人はエキストラとして出演しています。
 私は1991年頃から日光に通って30年たちました。この間、日光のツバメ類は大きく変化しています。通いはじめた頃は、往年の繁栄のままに現在の日光小学校の校舎から学校の前の横断歩道橋まで巣がありました。東武、JRとも駅舎に巣があるのが普通でした。街を歩くと、消防署などしっかりした建物にはイワツバメの巣が並んでいたものです。さらに日光連山を越えた大笹牧場の牛舎にもイワツバメのコロニーがあり、夏空を飛び交うイワツバメの姿は日光では普通の風景でした。
 この頃、ツバメは少なく駅前の住宅に巣を構えている程度でした。
 イワツバメに変化が生じたのは、2002年です。東武日光駅でイワツバメが巣を懸けられないよう工事が行われました。下掲の写真は、3月17日に撮ったものです。

020317

 不思議なのは、この前の年からJR日光駅に隣接する10階建てのマンションで巣作りが始まりました。このマンションでのコロニーは数年続きました。しかし、マンションで改修工事が行われ繁殖期中の数ヶ月間、ネットで覆われることになりイワツバメは巣作りができなくなりました。
 この頃からイワツバメの減少が始まります。日光小学校や大笹牧場のコロニーはなくなり、街の中を飛ぶ数が減り、ときにイワツバメは見られず、ツバメだけという年もあったほどです。
 ただ、いろは坂を登った中禅寺湖のほとりのホテルなどでは、この頃でもコロニーは健在で、奥日光では普通に見られていたはずです。
 そして、今年2022年。イワツバメが復活して来た感があります。JR日光駅の駅舎や隣接するスペース=修学旅行の子どもたちが待機する屋根のある場所では、イワツバメとツバメが巣作りをしています。
 そして、下記のような看板まであって、かつて東武鉄道が行ったイワツバメの追い出し工事が行われることはなさそうです。

Img_0320

 わずか30年の経緯の観察にすぎませんが、鳥というものは変化するものだということをツバメ類を通じて実感いたしました。増減の要因はわかりません。しかし、少なくとも簡単に減った増えたと言えないことは間違いありません。

 拙ブログの関連記事です。 
 2013年7月27日の「イワツバメがいない-日光」
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2013/07/post-a2fb.html
 2013年6月28日の「日光のツバメ類が入れ替わった」
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2013/06/post-8de6.html

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