『朝の小鳥』スタジオ収録-7月は天売島
本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
おそらく東京からもっとも遠い探鳥地は、北海道の天売島でしょう。距離から行ったら西表島や小笠原のほうが遠いかもしれません。しかし、今まで各地を訪れていますが、交通の便や心理的なことを考えると天売がいちばん遠く感じます。
それでも、過去に2回取材に訪れています。10年ほど前は、写真を撮りに行った人はいたので情報はそこそこありました、しかし、録音で訪れた人は希で情報はまったくといってありませんでした。これは、今も同じだと思います。
ウトウポイントへの交通の便から、ノイズの状態、録音するために前もって知っておきたいことが山ほどありました。なんとか関西の録音仲間の方が天売に行ったことを知り、メールで情報をいただきました。クマはいないけれど、まっくらな中歩いて帰ってきて怖かったなど、コアな情報をいただき覚悟の上の天売来訪となりました。
幸いにして、現地のガイドというか天売の主の寺沢孝毅さんに案内をお願いすることができました。解放されているウトウポイントに案内してもらい午後8時まで制限の範囲内で、録音できました。こうしたローカルルールは、現地に行って初めて知りました。これを無視して撮影している人もいて、寺沢さんにお会いすることがなければ恥をかくところでした。
ただ、1回目は訪れたのが早かったため、ウトウの雛がまだ孵っておらず、雛の声は録れませんでした。
2回目は、日光の仲間と来訪。今度は、私がガイド役を果たし雛の声も録れました。ただ、日没後ひとりで帰ったのですが、その心細いこと。ちょうどヤマシギが鳴く時刻で、クリアな録音ができるチャンスとなりました。何が怖いというのではありません。ただただ、1人で闇の迫る草原にたたずむだけで怖いのです。恐怖心とヤマシギの鳴き声を天秤にかけて、ヤマシギがかろうじて勝ちました。歯を食いしばって「せっかくもっとも遠い天売まで来たのだから、ここはがんばるところだ」と自分に何度も言い聞かせての録音でした。
写真は、今まで体験したなかでもっとも美しい天売の朝焼けです。
そんな天売を思い出しながら、構成してみました。
2022年7月 放送予定
3日 ウトウ
10日 ノゴマ
17日 ハシブトガラ
24日 コヨシキリ
31日 ヤマシギ
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