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2022年8月 3日 (水)

セミの周波数で難聴テスト

 先日、補聴器を試す機会がありました。六義園で、補聴器をして歩くとニイニイゼミが良く鳴いていて、鳥の声がきこえないほどです。ところが、補聴器をはずすと「シーン」としてしまいニイニイゼミがどこかにいってしまいました。
 私の老耳は4,000Hz以上は、聞きづらいのでニイニイゼミは、4,000Hzを超える声で鳴いていることになります。それならば、セミの鳴き声で耳の検査ができないか検討してみました。この季節、聞く機会の多い身近なセミの周波数を私の音源から読み取り、表示しています。
 セミの声は、幅が広かったり、高い音と低い音で鳴いていたりさまざまです。それだけに、どの音が聞こえるか、聞こえづらいかで、耳の状態よくわかると思います。ただ、地方差や個体差もあると思いますで、私の音源が照準でない場合もあります。また、音は距離が近ければ、大きく聞こえます。できたら、耳の良い若い人と歩きながらの検査をお勧めします。
 なお、セミの出す音は雄がお腹の鼓室を震わせるようにして出すもので正しくは声ではありません。ここでは、便宜上声と表現しています。
 いずれにしてもご参考まで。秋は、鳴く虫でできるかな。

ニイニイゼミ メインの音は8,000~8,500Hz。全体には6,000~16,000Hzと10,000Hzの幅をもって広がっている。そのなかに、10数層の音がある。

ミンミンゼミ 「ミーン」ひとつの音は、2,000~5,000Hzに山型のパターン。このうち、3,000~4,000の音が強い。この山型の上に音が9,000Hzまで伸びていて、全体に幾重にも重なっている音で構成されている。

アブラゼミ はっきりした音は5,0000~15,000Hzまであり、音自体は20,000Hzを録音機の能力を超えて広がっている。その間に何層もの強弱がある。

ツクツクボウシ 「ツクツク」は2,000~4,000Hz、「ボーシ」は1,500~5,000Hzで、他のセミに比べて低めの音であう。しかし、最後に8,000~20,000Hzと録音機の能力を超えた高い音がある。

ヒグラシ 音は2,000~13,000Hzまであり、7~8層の倍音が重なっている。8,000Hz前後の音が比較して大きく音の中心になっている。

クマゼミ 最初の「シャワ」は2,500~3,500Hz、次の「シアワ」は4,000~6,000Hzと6,500~11,000Hzの2つの音が重なっている。いずれも浅い山型のパターン、で幾重もの音が重なっている。

エゾハルゼミ 関東地方では6月下旬ににぎやかに鳴く。エゾハルゼミの鳴きはじめる前に小鳥の声を録らなくてなならないことになる。基本「ギーヨン、ジャカジャカジャ」と聞こえる。「ギーヨン」は1,300~2,600Hz、「ジャカジャカ」は1.200から12,000Hsと幅が広いが、音の濃い強い部分は、2,700~3,000Hzと狭い。

コエゾゼミ 今頃、標高の高い目の産地で聞こえる。同じ調子で「ジー」と鳴き続ける。音は3,000~14,000Hzまではば広くあり、4,000~7,500Hzが音の中心である。スペクタクル表示させても、回数を数えられるほどの明瞭さがなく、単調に聞こえることになる。

エゾゼミ ちょうど今頃、山で聞こえる。単調な「ジー」と鳴き続ける。音は3,000~7,000Hzと低め。音の中心は、4,500~5,500Hzにある。スペクトル表示させると。1不明瞭だが、秒間に12回音があることがわかる。

Aburzemi-1

アブラゼミの声をスペクタクル表示したもの。とてもきれいです。

 

 

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