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2022年10月

2022年10月31日 (月)

BOSE SLEEPBUDSを試す

 BOSE SLEEPBUDS™ II(以下、スリープバッド)を使ってみました。
 まずは、義弟から「寝られないときに最適、最近は耳鳴りもしなくなった」と絶賛。入院を機会にカミさんが買ってくれました。
Sose
 入院中は、個室を希望するのですが、たいがい最初は4人部屋に入れられるので、耳栓は必携、いつもイヤーウイスパーを持参します。スリープバッドは、それに替わるいわばデジタル耳栓です。
 形状は、ワイヤレスイヤフォンと変わりません。充電して使用します。充電端子を合わせるコツと時間がかかります。
 つぎにスマホにBOSEスリープアプリを入れます。BOSEの専用サイトにいって、用意されているサウンドライブラリから、お好みの音をダウンロードしておきます。
 スマホにスープバッドを近づけ認識させます。スマホに入っているライブラリからお好みの音を選び、ボリュームなどを調整して、あとは聞くだけです。
 下記のサイトでサンプル音源を聞くことができます。
https://www.bose.co.jp/ja_jp/products/wellness/noise_masking_sleepbuds/noise-masking-sleepbuds-ii.html#D65B05F162869F9EC29279494C2ED002
 ほとんどが自然音です。また、音楽が自然音とミックスされてものなど、いくつかのパターンがあります。
 自然音は、草原、森、波、流れ、雨、風、氷が溶ける音など、Birdsongというタイトルもあります。また、たき火や雨がテントに当たる音などの人工的なものもありますが、いずれも単調で延々と続きます。
 基本は、自然のなかの「ゴーッ」という音のバリエーションが多いです。Birdsongというタイトルも「ゴーッ」という音のなかで、かすかにときどき鳥らしい声が聞こえます。聞いたことのない声ですので、たぶん外国での録音でしょう。こうして、「ゴーッ」という音に聞き入って、多少の変化を聞き分けようとしていると眠くなってくるということになります。
 考えて見ると、私が鳥が鳴かないので捨てていた音源です。ちょっとカルチャーショックです。
 今まで捨てていた音源に癒やしと眠りの効果があるなんて考えてもみませんでした。それを思うと寝られなくなりました。

2022年10月30日 (日)

ジョウビタキの鳴き声の加工-六義園

 六義園ではどちらかというとジョウビタキは記録の少ない鳥でした。そのため、昔は飛来も遅く11月に入ってからでした。
 ところが、ここ10年、六義園ではササを刈るなど開けた環境が多くなりました。かつては、紀ノ川から梅林くらいしかジョウビタキが生息できる環境はなかったのですが、今では池のまわりはほとんど、ジョウビタキ好みの開けた環境となりました。そのため、周辺でジョウビタキの情報が入ると同時期に六義園でも見られるようになります。
 今年も、10月20日前後には常連が見つけています。ただ、雌1羽が来たと思ったら翌日はいなくなってしまい、雄1羽となり、これがいなくなったと思ったら雌2羽と2,3日で、入れ替わっている感じです。どうも、六義園を通過しているようで、なかなか定着してくれません。
 この録音は、10月27日のジョウビタキ(雌雄不明)の鳴き声です。声はすれども姿の確認はできませんでした。
 タスカムDR-05Xで録音しています。平日でしたが、良い天気でしたので混んでいて人声が多く、またハシブトガラスが冬なわばりの確保のため鳴き続け、さらにヒヨドリの声も加わって、にぎやかな中での録音です。そのため次のような加工をしています。
 まず、2,000Hz以下のノイズをカットしました。これで、ハシブトガラスの鳴き声は消えました。人の足音など、ジョウビタキの鳴き声とかぶっている部分を削除します。つぎに、ジョウビタキの鳴き声の音域である4,800~5,100Hzの部分のボリュームのみ、増幅します。そうすると、声のない部分のノイズもアップされ「シャー」という高い音が立ってしまいます。そのため、4,800~5,100Hzの音域でジョウビタキの声のない部分を囲み、ノイズリダクションをかけて他の部分と同じノイズの濃さに調整します。最後に、全体にノイズリダクションをかけて、クリアにします。これでも取れない幅の広いノイズをさらにカットして、1分30秒の音源から28秒ほど残りました。最後にフェードアウト、フェードインをかけます。
 まず元の音源です。六義園らしいにぎやかさです。

 加工編集した音源です。

 いかがでしょうか。にぎやかな都市公園でもなんとか野鳥録音ができることがわかっていただけれると思います。コンピュータ様々といった感じです。
 なお、この作業はAdobe Auditionで30分ほどかかりました。

 

2022年10月27日 (木)

カワガラスのさえずり-日光

 昨日、日光に行ったカミさんのおみやげです。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームの増幅、2,000Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。

 中禅寺湖の湖畔でのこと。最初は、何が鳴いているのかわからなかったそうです。一生懸命姿を探して、カワガラスの姿を確認してなっとく。スマホで写真が撮れるほど近かったとのこと。なんとも、素晴らしい出会いでした、

Img_5248

 カワガラスは、秋からさえずることが知られています。過去にも紅葉のなかや雪のなかでさえずっているのを聞いたり録音しています。ただし、川音がにぎやかところにいるのでクリアな録音ができず、難題の鳥です。
 日光の鳥仲間からは、中禅寺湖湖畔でもさえずっていて「湖ならば比較的静かだから録音できるかも」と情報をもらっていたところです。ただし、昨日は風が強く、風音をフィルターで軽減してノイズリダクションで鳥の声をクリアしています。カワガラスの鳴き声は、2,000~7,000Hzの高い音域に幅広くあるため、環境音の低いノイズをとっても影響ありませんでした。
 渡りの季節ですから、もし姿が見られなければサメビタキ系の小鳥のさえずりと誤認するかもしれないほどの複雑で高音、抑揚に富んださえずりです。
 これからカワガラスのさえずりのシーズン、野鳥録音の難題に取り組む季節となりました。

2022年10月24日 (月)

ハラビロカマキリVS.キマダラカメムシ

 昨日、干している蒲団の上でハラビロカマキリが日向ぼっこをしていました。カミさんが近くにいたキマダラカメムシをそばに置いたら、カマキリがカメムシを頭から食べ始めました。

Kamakiri

 カメムシは逃げると思いましたし、カマキリは追いかけるなどのシーンが見られると思ったのですが、静かにことは進行していきました。かろうじてカメムシが臭いを発しましたが、カマキリはおかまいなしに食べ続けていました。
 秋の日、自然の営みの1シーンを飽きることなく、見続けることができました。
 今回、カマキリとカメムシの種名を調べるためにネットで検索したら、いろいろ面白いことがわかりました。いかに、鳥以外の分野にうといか思い知らされました。
 たとえば、カマキリはハラビロカマキリです。翅に白っぽい斑点があるのが、特徴だそうです。幸いにして、写真に写っていました。カマキリを調べていたら、いわゆるカマキリと言った種はチョウセンカマキリという和名が正しいことがわかりました。これは、知りませんでした。
 さらに、外来種のムネアカハラビロカマキリが2000年代よりはびこり、在来種への影響が懸念されていることも知りました。なんでも、中国製のホウキに付いて来たのではと言われています。この写真の胴体の一部に赤みがありますので、ムネアカハラビロカミキリの可能性もあります。
 また、キマダラカメムシも深い歴史と外来種の問題があることも知りました。新種としての発見は、江戸時代に日本に来たツンべルグです。ですから、長崎県出島が産地として記載されています。1770年代のことです。
 しかし。その後の記録が150年近くなく、1934年以降長崎でをはじめ各地で発見されるようになったそうです。さらに2000年代に入り、東京も含めて各地で見つかるようになりました。これらは、中国のものに近いと言われ、アカハラハラビロカマキリ同様,中国からの移入種だと考えられています。いつの間にか、在来種から外来種に変化してしまうという現象が昆虫では多そうです。
 ひょっとすると外来種同士の食物連鎖を目の当たりにしたのかもしれません。

2022年10月23日 (日)

ウグイスの笹鳴き・その他ー六義園

 六義園の森のヒヨドリがいっきに増えると同時に、池にはキンクロハジロ、ホシハジロ、マガモ、カルガモが飛来し、珍しいところではオシドリの幼鳥が1羽入って来ました。
 小鳥のほうは、一昨日にジョウビタキの雌が2羽。今日は、雄が1羽いたと常連さんからの情報で冬鳥も順当に飛来しています。
 今日はまたウグイスの笹鳴きを聞きつけ、録音できました。
 タスカムDR-05Xで録音、ボリュームの増幅。2,000Hz以下のノイズの軽減、ヒスノイズリダクションをかけています。

 ちょっとおぼつかない笹鳴きで、にぎやかなヒヨドリの鳴き声にまぎれて聞きづらい録音となりました。今シーズン初ということで、ごかんべんください。さらには声がどんどん移動していきましたので、昨夜に六義園にやって来て、居心地のよい場所を探している感じでした。
 園内では秋の虫もにぎやかで、アオマツムシがいちばん多く、昨日はエンマコオロギ、本日はミツカドコオロギ、カネタタキと、耳のチェックと補聴器のモニターには都合のよい距離と配置でした。
 さらに千里場では、タヌキの匂いがする場所がありました。命あふれる六義園を感じる秋の日曜日となりました。

2022年10月20日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-11月は鳥のトリビア

 昨日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来月のテーマは、去年評判の良かった鳥のトリビアです。
 トリビアネタはいくらでもありますが、なかなか鳴き声といっしょに話ができて、違和感のないテーマとなるとかなり限られ苦労しました。
 「ドバトはなぜ首を振って歩くのか」は。NHKラジオの夏休み子ども科学相談でもよく電話がきました。また、観察会などでもよく質問を受けます。身近な鳥を観察する良いテーマだと思い取り上げました。しかし、ドバトの鳴き声が「朝の小鳥」に登場するのは、放送以来初めてかもしれません,私は初めてですし、蒲谷鶴彦さんは録音できないで苦労されていました。たしか『野鳥大鑑』の制作のためにやっと録音できたと記憶しています。そのころは「朝の小鳥」の 放送予定をいただいていましたが、ドバトはなかったと思います。ちょっと記念すべき回となります。
 写真は、スタジオの門馬さんとZoomのようすです。鈴木さんへのキューの指示が優しげです。私は、マルチスクリーンで、上の画面にシナリオを表示させて確認しながら、進行具合をチェックします。

Studio

2022年11月 放送予定
6日 オシドリはオシドリ夫婦か・再考
13日 なぜマガンは隊列を組んで飛ぶのか 
20日 なぜハトは首を振るのか
27日 チドリはチドリ足か

2022年10月14日 (金)

ヒヨドリの秋のさえずり・再考-六義園

 六義園から小鳥のさえずりが聞こえて来ました。
 ほぼ同じ節を同じ間を開けて長い鳴いているので、最初はホオジロの仲間がさえずっているのかと思いました。
 遠いため、録音して増幅させて聞いたらヒヨドリでした。
タスカムDR-05Xで録音、ボリュームの増幅、2,000Hz以下の低音の軽減、ノイズリダクションをかけています。

 およそ7分間にわたり、鳴き続けていました。
 同じ場所にとまって、長い間、同じような節で鳴き続けるのは。さえずりと言っても良いのかもしれません。
 ヒヨドリの秋のさえずりについては、過去にも気になって記事にしていました。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2016/10/post-b29f.html
 2016年が10月7日、今回が10月5日です。6年もたっているので、もちろん別のヒヨドリだと思います。また、聞き比べて見ると鳴き声の音質はヒヨドリですが節に違いがあります。
 ただ、ほぼ同じ日と言ってもよいほど、近い日付なのは面白いです。この季節、ヒヨドリがさえずりのような鳴き方をすることは間違いないようです。
 いずれにしても。これをさえずりと言って良いのか。もし、さえずりとするならば、どんな意味があるのでしょう。冬のなわばりの確保、今から求愛して番形成をするのかなど、身近なヒヨドリですが、わからないことばかりです。

2022年10月 8日 (土)

カケスの季節-六義園

 六義園からカケスの鳴き声が聞こえてきました。

 タスカムDR-05Xで録音。ボリュームの増幅、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。
 六義園では、だいたい10月上旬に山から下りて来たカケスの鳴き声を聞くことができます。以前、このシーズンに近くのマンションの屋上からサシバが飛ばないか半日、空を見上げていたことがあります。サシバには見つけられませんでしたが、カケスが飛びました。
 園内でも鳴き声を聞き、声をたよりに姿を見つけることができます。ただ、六義園での滞在期間は短く数日でいなくなります。間があいてまた出現することもありますが、おそらく入れ替わっているものと思います。
 六義園には、スダジイがたくさんあって地面がドングリの絨毯になります。それだけ、カケスの食べ物は多いと思うのですが、いついてくれません。
 ハシブトガラスが冬もなわばりを構えているものがいるためか。六義園の来園者が多いため警戒心の強いカケスに嫌われるのでしょうか。
 いずれにしも、移動のさかんなこの時期が、六義園では出会いのチャンスです。
 なおカケスの鳴き声は濁っていて低い声のように感じますが、高い音まであります。そのため、高齢者には聞きづらい鳴き声のひとつになっています。意外とカケスが鳴いているのを聞き逃す可能性がありますのでご注意ください。

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