バードウォッチングに椅子
野鳥録音は、自然のなかでじっとしています。森の中ならば、岩や倒木など座るところを確保できます。しかし、夜明け前からの待機では一面朝露や霜がおりて、どこも濡れていて座るところがありません。また、夜の鳥が啼くのを待つときも、座るところがなくて苦労します。
よく車のなかで待機する方がいますが、車のなかにいると音の聞こえ方がまったく違います。やはり外でないとダメです。また、芝川第一調節池のようなところでは、座るところがありません。
そこで、有効なのが椅子です。
野鳥録音する以前はバードウォッチングというと歩くことが、野鳥と出会う方法だと思っていました。歩けば歩くほど鳥との出会いの確率が高まると思っていました。たとえば、六義園で他のバードウォッチャーが歩いているのを後ろから見ていると、その先でアオジやシロハラが藪に逃げ込んでいくのが見えます。まるで鳥を追い払っているように見えてしまいます。実は、私もこれをやっていることに気がつきました。
ところが、森のなかに座っていると鳥が近くにやってくることに驚かされます。ヒガラが私の身体にとまったことがあります。目の前でキビタキの雄同士がケンカを始めたこともあります。じっと座っている私を遠くから見ていた仲間から「松田さんのほうに鳥が寄っていく」と言われたことがあります。いかに,動かないでいると鳥が警戒せず、近くにくるかわかると思います。
そのための椅子です。
以前は、画材店で売っていたスケッチをするための小さな折りたたみの椅子を使っていました。ただ、せいぜい20cmくらいの高さしかなく、年取ってくると立ち上がるのはもちろん座るのも一苦労です。
写真の左は、ジャックウルフスキンの椅子です。高さはおよそ 40cm。なんとか立ったり座ったりできるギリギリの高さです。これより低いと使い辛いです。重さは550g、中型の双眼鏡と同じくらいです。キャラバンのバーゲンで数千円だったと思います。
右は、去年の秋にホビーズワールドで購入した椅子です。今回、初めて使用しました。高さが55cmあり、とても楽です。また、足が2段になっているので、縮めると40cmとなりリュックに入ります。重さは800gで大型の双眼鏡と同じくらい。価格は、1万数千円、ただいまもっと高くなっていました。 もし歩くだけのバードウォッチングをしているのならば、椅子を手に入れ、森のなかで座り野鳥たちの息吹を感じるバードウォッチングを体験することをお勧めします。
ただ、椅子に問題がないわけではありません。
六義園のような順路では使うべきではありません、葛西臨海公園のような観察場所が決まっているところで、牢名主のようにどんと椅子に腰かけて場所を占領するのもNGです。あくまでも貸し切りの場所、人に迷惑のかからない場所での使用に限定すべきでしょう。
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