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2023年3月

2023年3月31日 (金)

コマドリとタネコマドリの微妙な関係-その2

 伊豆諸島のタネコマドリは、渡りをやめてアカヒゲになったコマドリと同じように渡りをやめたものが、分化しつつある途上にあるのではないかというのが、関さんの説です。アカヒゲが種に分化し、それぞれの亜種に別れたのと,氷河期のタイミングと一致するとDNAで証明しました。ようするに100万年単位の時間の流れが必要なことになります。では、タネコマドリはどうなのかというお話しです。
 こうした話を日光の大自然を前にコマドリのさえずりを聞きながら、うかがいました。なんとも贅沢な時間でした。
 あれからDNA解析と論文まで10年かかっているのですから、たいへんなご苦労があったことと思います。
 私としては、両亜種のさえずりの違いが気になりました。『日本野鳥大鑑―鳴き声333』(1996・小学館)では、
「さえずりは、表記すれば「ヒンカラララ」(中西悟堂・1937)となり、ほぼコマドリと同じとなってしまう。蒲谷の収録した三宅島のものは、音にやや濁りがあり、1節が本土のものに比べて短いようである。別の表記では「ピン ツル・・・・」とさえずり、「ピッ ピッツルツー、ピッ ピッツルツーと警戒の声を出すという(下村兼史・1936)。」
 と書いています。執筆のおり、なんとか違いを書こうと蒲谷さんの音源を何度も聞きました。苦肉の策の表現です。
 ということで、私の録音した鳴き声をアップいたします。
 まず。三宅島のタネコマドリです。2006年6月15日、大路池で録音しています。Sony PCM-D1で録音。1.500Hz以下の低音を軽減
しています。

  つぎが、日光のコマドリです。2009年6月1日、日光の雲竜渓谷です。雲竜渓谷は、関さんがコマドリのDNAを採取したところです、Sony PCM-D50で録音。ボリュームを合わせるために多少の増幅をしています。2.000Jz以下の低音のノイズを軽減しています。

 いかがですか?
 聞く限り、また声紋で比較してもそう大きな違いを感じません。
 コマドリにも多少のバリエーションがありますので、その範囲に収まってしまうかもしれません。「ヒン、カラカラ」の「ヒン」がタネコマドリのほうが「ツッ」あるいは「チッ」と聞こえますが、これが違いでしょうか。サンブル数が少ない中での比較ですから、推測はここまでにしておきます。
 関さんからは「タネコマドリはナゾのmtDNA系統が混じっている一方で、マイクロサテライトで見ると割と最近ではあるけれど本土とは分かれたグループのようです。ナゾmtDNAがどこから来て、なぜ伊豆諸島だけに、しかし小さな島でも保持されているのかは今後の課題です。」とまだまだ、解明の楽しみがあります。
 タネコマドリが、アカヒゲのようにコマドリと違ったさえずりをするのは、あと何100万年はかかるのでしょう。こういう話ってロマンがありますよね、ただ野鳥の写真を撮っているだけではなく、鳥のこういったおもしろい話も知ってもらいたいものです。(おわり)

 

2023年3月30日 (木)

コマドリとタネコマドリの微妙な関係ーその1

 アカヒゲの研究家、森林総合研究所の関伸一さんから、BOUに「Genetic structure of the Japanese Robin Larvivora akahige endemic to East Asian islands.」というタイトルで論文を発表しましたので、乞ご高覧というご連絡をいただきました。
論文本文は、会員でないと読めませんが、紹介ブログが読めますので、そちらをご覧いただければと思います。

https://bou.org.uk/blog-seki-east-asian-robins/

 関さんは、Birder誌にもアカヒゲの研究について連載していましたので、ご存知の方も多いことと思います。
 アカヒゲは、南西諸島を通るコマドリのうち、氷河期のあい間に海面が上昇し(て陸地が分断され渡るのを止めたものが定着してアカヒゲとなり、沖縄本島とそれより北の島々で、亜種ホントウアカヒゲと亜種アカヒゲに分かれ、さらに石垣島にいると言われていた亜種ウスアカヒゲは、北の亜種アカヒゲが渡って来たもので、亜種は存在しないということをDNAから証明しました、日本鳥学会的には、かなりセンセーショナルな発表で、私も感銘を受けて、ガラにもなく関さんを捕まえて質問してしまいました。
 関さんは野人という感じの方で近寄りがたく、やっと一つ質問をすることができました。その後、お付き合いをすると最初の印象とは違って、とても気さくに教えていただいております。
 たとえば、無人島に1年間、録音機を置いての超長時間録音をしていることを教えてくれました。結果、鳥の新しい繁殖地を見つけるなど成果を上げています。私も真似をしておそるおそる1晩録音、1週間録音をしてみました。仲間には、1ヶ月や3ヶ月録音をするなど、長時間録音をすることの面白さを普及させるきっかけとなりました・
 というご縁で、10年前に日光のコマドリの生息地をご案内した成果の論文発表となりました。
 いろいろ思い出ありますが、日光を発つのをお見送りしようと、駅前のレンタカー屋で待っていると泥だらけの車が走ってくるので「汚い車が来るなあ」と思ったら関さんでした。車が、野人様御用達になっていました。
 ということで、タネコマドリの話です。
 タネコマドリの名前のタネは、種子島の種です。漢字では種子駒鳥と書きます。亜種発見の個体が捕獲されたのが、鹿児島県の種子島だったからです。しかしその後、種子島には生息していないことがわかり、生息地は伊豆諸島と確認されました。
 タネコマドリは、姿形が似ていても生態がコマドリとは大きく違っています。まず、コマドリは栃木県日光であれば標高1,600~2.000mに広がる亜高山隊の森林です。しかし、タネコマドリは海岸近くでも生息していて、平地の鳥です。また、コマドリが夏鳥なのに対して、タネコマドリは留鳥で冬もいます。
 なぜ、渡りをしないタネコマドリが種子島で捕獲されたのか、かなり前の日本鳥学会で、この捕獲された標本のDNAを調べたらコマドリのようだという発表があったと記憶しています。
 ということは、たまたま種子島で捕獲されたコマドリが、胸の黒い帯の色が淡いため新亜種として発表。その後、その特徴と一致する個体群が伊豆諸島で見つかったという流れで良いでしょう、戦前の新亜種発見競争と剥製主義の時代の間違いといえます。(つづく)

 

2023年3月21日 (火)

リュウキュウサンショウクイ-高尾山

 昨日、カミさんが午前5時に起きて高尾山に行ってきました。
 それでも、もう混んでいたそうです。
 ヤマアカガエルの声を聞きたかったそうですが、タゴガエルも鳴いていたとのこと。季節が早くなっているのは、高尾山でも同じです。
 野鳥は、アオゲラの早春特有の鳴き声などを録音してきました。そして、「サンショウクイが鳴いていた」とのことでした。夏鳥のサンショウクイの渡来は1月下旬からで、1ヶ月は早いことなります。そのため最近、関東地方でも越冬しているリュウキュウサンショウクイではないかと思いました。
 幸いにして録音できた鳴き声を聞くと、短く平坦な節はリュウキュウサンショウクイで間違いないでしょう。
 YAMAHA W24で録音。3,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 飛びながら鳴いているため、途中で近くにきます。また、音が高い、5,000Hzに音の中心があるので、私には聞きづらい音です。また、再生環境によっては的確に聞こえないかもしれません。
 「高尾山 リュウキュウサンショウクイ」で検索すると、2020年頃から冬の記録もあって、高尾山のみならず多摩丘陵などでも記録されていました、高尾山周辺では、リュウキュウサンショウクイが留鳥になっていました。
 丹沢では繁殖した記録もあったと思います。この調子で分布が広がっていくと、新たな都市鳥になる可能性もありますね。

2023年3月20日 (月)

ウグイスの鳴きはじめ。4日たって-六義園

 六義園の名物のシダレザクラが満開です。緑色の葉がチラホラと見えるようになってきましたので今日明日が見頃となりました。そのため昨日今日と来園者が多く、入園するのに行列です。

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 今日は天気が良いので、がまんができず行ってみました。年間パスポートがありますので、列には並ばずに入れました、
 園内の人いない方いない方へ行っても、人を避けることはできません。それでも常連さんたちは、ルリビタキやカワセミを見つけていました
 そんななか、ウグイスのさえずりを聞きつけました。前回記事にしたウグイスが鳴いていたところから4,50mほど離れていますが、ササ藪は続いている場所です。
 実は、この前のところではカワセミ狙いのカメラマンが5,6人張り付いていて、おしゃべりをしながらカメラをかまえていました。そのためウグイスはおらず。こちらに移動したようです。
 ですので前回から4日たって、さえずりが上達したようすがわかります。
 この録音自体は7分ほどあります。最初と最後では、舌が廻っているというか、喉が湿ってきたというか、「ホケキョ」の部分がうまくなっています。ただ、声量はまだ低く、張りや力強さを感じられません、こうして練習を続けることで、本来のさえずりになっていくのでしょう。上達する過程を録ったのは、はじめてです。とても貴重な録音となりました、
 タスカムDR-05Xで録音、ボリュームの増幅、1.500Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。 

 

 

2023年3月18日 (土)

ウグイスの鳴きはじめ-六義園

 六義園では「ウグイスが鳴いている」と、しばらく前から常連さんたちから教えてもらっていました。鳴いていたというところに言っても聞くことも録音することもできませんでした。まださえずりの頻度が少ないためでしょう。
 一昨日ようやく、さえずりはじめたウグイスに遭遇、録音することができました。ただし、ウグイスとの距離は30mは離れているでしょう。それにまだ声量が低いため、ノイズにまぎれてしまいそうな声でした。
 それでも、編集加工してここまでの音にすることができました。
タスカムDR-05Xで録音、ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。 
 まだ、谷渡りも短いですね。
 あと1週間もすれば、本来のりっぱなさえずりになると思います。このような鳴きはじめの鳴き方が録音できるのは、この季節のみです。この状態の鳴き声を毎年、狙っているけれど録音できないと嘆いている録音仲間もいます。貴重な録音となりました。

2023年3月15日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-4月は六義園の渡り鳥

 今日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 私はリモートで参加、スタジオではO村さんに立ち会ってもらいました。
 4月のテーマは、六義園を通過して行く夏鳥たちの歌声です。
いずれの音源も、六義園で実際に録音した鳥たちのさえずりを使用しています。
 六義園は、東を本郷通り、西を少し離れて白山通り。南を不忍通り、北は山手線などが走っています。10数分も車で行くと大学病院が多いので救急車両がしょっちゅうサイレンを鳴らしながら通ります。また、特有の形からヘリコプターなどの航路の目印になっているらしく上空を通過する航空機も多く、とにかく環境音が大きなところです。
 これに加えて来園者の話し声や足音もあって、野鳥録音には最適な環境とはいいがたいところです。おそらく、多くの都市公園での騒音は、この六義園なみだと思います。それだけに、いかにクリアに録るか、編集できるかが腕の見せ所です。
 録音するときは、少しでも近くで録るのが基本です。六義園は順路が縦横にありますので、周り込んで近づくことができます。これは、都市公園のいいところです。
 あとは、コンピュータのアプリ次第。とくにノイズリダクションというコマンドは救世主です。以前ならば、捨てていたような音源を生き返らせてくれます。たとえば、ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴けば、最後のところは0.何秒か音が残り残響音となります、この音量は周辺のノイズと同じボリュームのところもあるはずですから、ノイズを取るといっしょになくなっていまします。以前は、そうでした。ところが、最近のアプリではこの断橋音を残してくれます。
 日光で録音した音源は、そのまま5分間取り出せば番組で使えることがあります。しかし、六義園で録音したものは、5分編集するのに1時間はかかります。それでも後ろでハシブトガラスが鳴いて都市公園らしい音ができたときは、うれしいですね。
 というjことで、六義園を通過して行く夏鳥たちのさえずりを楽しんでいただければと思います。
 
4月の放送予定
2日 キビタキ
9日 オオルリ
16日 メボソムシクイ
23日 ホトトギス
30日 マミチャジナイ 

2023年3月13日 (月)

静かな所での補聴器、集音器の使用

 補聴器や集音器を静かなところで使用したら、どのような効果があるのか知りたいと言うコメントもいただきましたし、私も気になっていました。
 話は前後しますが、先週の日光行きで試して見ました。
 まず、六義園と日光での環境音の違いです。
 ㏈で示すと何も鳴いていない環境音だけでは、六義園は-24~-21㏈です。これは、六義園ばかりでなく葛西臨海公園などでもだいたいこのレベルです。また、日光は-36~-33㏈でした。-10以上違うと言うことは対数ですから、音のエネルギーとすると100倍近い差があることになります。このあたりは専門外ですので、間違っていたらご指摘ください。
 たとえば、カメラのレンズに自動的にピントを合わせるためのモータ-が付いていて音がします。六義園で写真を撮っていると、この音は聞こえません。しかし、日光では、うるさいくらい音がします。最初は、レンズが壊れたのかと思ったほどです。それほど、都会の公園と自然の山のなかでは、ノイズのボリュームに違いがあると言ったらご理解いただけるでしょうか。
 ということで、補聴器(ワイディックス)と集音器(きこエール)を試してみました。写真は、実験した環境です。
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 山に囲まれ周囲の音が少ない場所です。ちなみに、ここでは携帯電話の電波も入りません。
 補聴器では環境音が多少大きく聞こえ、集音器はボリュームを低く設定しても大きく聞こえます。遠く流れる川の音でしょう。高めの音を強調されるように調整している補聴器と、人の声の高さを増幅している集音器の違いがよくわかります。
 六義園で環境音がうるさくて、はずすとほっとすることがあります。静かなところで聞こえる音がうるさいと思えませんので、この「ほっと」はありませんでした。
 今回はあまり鳥の鳴き声がしないでチェックが不十分ですが、キジバトのような低い音はよく聞こえました。遠い音、高い音は環境のあるなしにかかわらず、マイクの性能から捕らえきれないでいる感じがしました。
 問題は静かなところだと、自分の立てる音がかなり気になることです、足音はもちろん、フィールドジャケットの襟で首が擦れる音が聞こえます。これは、フルボリュームで録音している状態と同じ音です、右足から左足に体重を換えたときに「ジャリッ」と地面が鳴る音が聞こえる状態です。ですから、補聴器や集音器を使用するときは、じっとしていないとなりません。これは、録音している時と同じ体制でいることになります、
 いかに機材で悪くなった耳をフォローするか、できるのか、今後も検証していきたいと思います。

 

2023年3月12日 (日)

早春の戦場ヶ原-カミさんのお土産-2

 変わった鳴き声がするので録音。声の主を捜すとコガラが鳴いていたそうです。この鳴き声は、私もはじめて聞いたときは何かわかりませんでした。姿を見つけてコガラであることを確認しています。このような声で鳴くことは、図鑑には書いてありません。早春にときどき効くことができる声だと思います。

 
 長い間、不明の声が聞こえてきたそうです。遠いのですが、とにかく録音。声は、ウソのさえずりでした。ウソのさえずりを聞いたことのある人は少ないと思います。この季節ならではですし頻度が少ないです。なかには「フィ、フィ」と言う声がさえずりだと言っていた方がいましたが、こちらがさえずりだと思っています。

 いずれもこの季節ならでは録音ばかり。耳福のありがたいお土産でした。ただ、風景が霞んで見えるほどスギ花粉が多かったそうです。帰って来たら、私も鼻水とクシャミがでました。こちらのお土産は遠慮したいですね(おわり)。

2023年3月10日 (金)

早春の戦場ヶ原-カミさんのお土産-1

 カミさんのお土産です。
 今年は、戦場ヶ原の赤沼駐車場が早めに開いているそうです。
 駐車場の周りには、レンジャク類の群が飛び交っていました。見えたのはキレンジャクだったそうですが、ヒレンジャクの鳴き声も混じっていました、
 YAMAHA W24で録音(以下、同じです)。

 連続した「リーリーリー」と聞こえる声がキレンジャク。「チー」という短い声がヒレンジャクだと思われます。いずれも高い音なので高齢者には聞きづらい声です。また、再生環境によっては的確に再生できないかもしれまんので、ご了承ください。
 「コツ、コツ」の音をたてているのは、アカゲラだそうです。飛んで来て木の下の方をたたき、食べ物を捜すときの音です。とてもよく響いています。戦場ヶ原の草原と空に音が抜けていきます(つづく)。

 

2023年3月 7日 (火)

早春の不明の鳴き声-日光

  先週の日光は、昼間の森は静かなものの夜明け前後(午前5時~8時)タイマー録音には、いろいろな鳴き声が入っていました。
 ヒガラ、シジュウカラ、キジバトのさえずり。エナガの小囀りと呼ばれる鳴き方、そして不明の声がいくつか録れていました。
 なかでも、複雑で長く高音で鳴く、さえずりともサブソングともいえる鳴き声が不明でした。
 まず、声紋を表示すると、下掲のようです。

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 左右は6秒ほど、天地は0~15.000Hxzまで表示しています。短い時間に上下を激しく繰り返す早口の鳴き方です。
 音は、5,000~9.500Hzと、4.500Hzも幅があります。もっとも幅の広いミソサザイやカヤクグリのさえずりに匹敵します。この鳴き方で。1分30秒ほど鳴いていました。だんだん声が小さくなっていきましたので、移動しながら鳴いているものと思われます。実際は、もっと長く鳴き続けていたことになります。
 音声は、次のように聞こえます。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームの増幅、3,000Jz以下の低音を軽減、ヒスノイズリダクションをかけています。

 高音のため、私のような高齢者には聞きづらい音です。また、ノートパソコンのスピーカーなど再生装置によっては、正しく再生できないかもしれません。あらかじめご了承願います。
 さて、高い声で鳴くこの季節と鳥は、キクイタダキとキバシリが思い当たりますが、それらしい節は聞こえませんでした。サブソングであれば、地鳴きやさえずりの断片をときおり交えるものですが、それらしい声はありませんでした。
 時々、聞こえる「ツッ、ツッ」と言う声は、エナガに似ています。高い音も共通していますが、エナガがこのような複雑な節で長い間鳴き続けるのは効いたことはありませんし、記録は見当たりませんでした。
 ということで、不明の鳴き声として備忘録のためアップいたしました。

 

2023年3月 5日 (日)

キジバト日和-日光

 抗がん愛投与の合間と暖かくなるという予報を信じて先週後半、日光に行って来ました。
 この時期は、ヒガラやコガラ、ミソサザイといった留鳥たちがさえずりはじめ、運が良いとアトリやマヒワの鳴き声が録れます。まだ夏鳥はもちろんウグイスも戻っていない時期ならではの音が録れます。
 ただ、山を歩くと何も鳴いていません。遠くでミソサザイが鳴いているていどです。鳴いている鳥が多ければ、近くでさえずってくれる鳥もいるのですが、少ないと寂しい感じの時期でもあります。
 ただ、よく鳴いていたのはキジバトです。
タスカムDR-05Xで録音、ボリュームを増幅、300Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。

 この録音は、タイマー録音を回収にいった時、鳴いていたものです。100mほど離れた設置場所でも鳴いていました。町に戻ってくると住宅地でも鳴いているのが聞こえました、
 書くときりがないので割愛しますが、日光の山から町のなかまであちこちでキジバトが鳴いているのに気がつきました。飛び交う姿も多く、活動が活発な印象を受けました。キジバト日和キジバト記念日とでもいう感じでキジバトだらけでした、
 キジバトと言うと、蒲谷鶴彦先生の話を思い出します。
「キジバトは、尻切れトンボで鳴きやむため、編集をミスしたと思われるんで困るんだよね」とのこと。
 確かにキジバトのさえずりを聞いていると「デデ、ポーポー」と鳴いて最後が「ポー」でなく「ポッ」で終わります、この録音されたキジバトも同じです。編集している時に間違ってカットしてしまったように聞こえます。
 これは、キジバトの声を数多く聞いていましたが、先生に言われるまで気がつきませんでした、長年、野鳥の声を扱ったことのある先生ならではのキジバトへの思いです

2023年3月 4日 (土)

六義園で自然観察会-日光野鳥研究会

 本日は、六義園にて日光野鳥研究会の自然観察会が行われました。
 コロナ禍のなか、観察会などのイベントを開催することが思うようにできず、役員の方々は苦労しています。ということで、東京周辺にお住みの会員も多いため、六義園での開催となりました。
 現在、会員は40数家族、100名に満たない数ですが、本日は30人が集まってくれました、日光や宇都宮からの参加社もいて、遠いところ、お疲れ様でした。
 顔なじみのはずなのですが、なにしろ10年以上ぶりに顔を合わす上に皆マスクをしているので、なかなか顔と名前が一致しないで苦労しました。
 六義園で30人ものグループは他の来園者となります。そのため、2班に分ける算段そしていました。ところが、土曜日で良い天気に関わらず六義園はガラガラ、常連さんくらいしかいない貸し切り状態でした。
 この会の会員の多くは、それぞれ生き物についての得意分野があるので固まって説明をすることはあまりありません。皆、勝手に興味のあるものを追いかけます。そのためバラバラになって歩き何か面白い生きものを見つけると周りの人に教え合うという気楽な仲間です。ということで、班分けをしないでもOKという判断をしました、

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 鳥のほうは、冬鳥のツグミがいれば、ウグイスがつぶやくという季節が変化していくさなかです。レンジャクらしい鳥を見たという人もいて、楽しんでもらえました。
 

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