ハシブトガラスの春の歌
布団を干しにベランダに出ると眼が合うカラスがいます。六義園の一番端っこの隅から住宅地にかけて縄張りを持つハシブトガラスです。このカラスはいつも我が家の近くの木の枝にとまっていますが暗黙の了解があってお互いを無視して暮らしています。
カンクロウにはひとつ問題があります。いまだに連れ合いが出来ないのです。六義園の隅っこに住んでいるカラスですからどうやら雌のカラスのお眼鏡にはなかなかかなわないようです。カラスは一度パートナ-が出来ると一生連れ添うのですがカンクロウはいつも独りぼっち。人間様の世界では独身貴族がまかり通っていますがカラスの世界ではそうでも無いみたいです。以前何度か雌のカラスがやって来て2羽でで仲睦まじく羽づくろいなどしていたことがありましたが成就に至らず、主人共々「いつまで独身なんだろうね」。
数日前のことです。ベランダに出るとカンクロウがいつもと違う声で鳴いていました。喉に何か詰まらせたような変な声です。とても小さな聞き取りにくい声でした。そして視線の先?には1羽のカラスがいるのですがこれって雌のカラス? さては恋の歌か?
録音の中程で、少し濁った声でガーガーガーと鳴いているのがもう1羽のほうです。またカチカチと言う音はカンクロウが嘴を鳴らす音です。 ハシブトガラスのこの変声は春先に時々聞かれるのですが、嘴の音が聞こえたのは初めてです。
当日は強風、住宅地の様々な環境音もあって、かなりノイズリダクションをかけています。
これがハシブトガラスの恋の歌なのかどうかは確信が持てませんでした。何故かというとこの時はもう1羽のカラスは飛び去ってしまったからです。私の希望とは裏腹に実は2羽とも雄で縄張り争いをしていた? そうで無いことを願っています。
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