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2025年7月

2025年7月25日 (金)

ジョウビタキのゆくえ

 

 蔵王温泉で囀るジョウビタキです。

                                                                  近年ジョウビタキは長野県など日本各地で繁殖しているようですが、とうとう蔵王にも姿を見せるようになりました。蔵王温泉は冬はスキーで大いに賑わう場所ですが、旅館やペンションが軒を連ねる温泉街の電線にとまってよく響く声で鳴いています。

 観察を続けているY川さんの話では数年前から姿を見せるようになったそうで今年は蔵王温泉だけで6つがい、また近くのペンション村でも巣立った雛にエサを与える姿が確認されましたし近隣の沼でも1つがいなど、まだまだ知られていない場所がありそうだとのこと。とにかくどんどん増えているようです。

 ペンション村では夏の間使われていない通風口のカバーの中にジョウビタキの巣と思われる物を発見しました。温泉街でも通風口や軒下の隙間などで営巣しているようで、人間の生活圏の近くで生活しています。

 他の鳥があまり鳴かない昼日中でもアンテナの上などで囀っているので、少し気を付けていれば見つけられるでしょう。きれいな声でしっかりした囀りですから遠くからでも聞こえると思います。

 皆さんのお住まいのところでこんな囀りは聞こえませんか?

 

 私が初めてジョウビタキの囀りを聴いたのは仕事で韓国の慶州(キョンジュ)へ行った時で大きな農家の軒先に突き出ている破風板にとまって鳴いていて、ああ、これがジョウビタキの囀りかと非常に感激したのを覚えています。私の録音第一号だったかも知れません。もちろん主人は大喜びで、直ぐにその録音をどこかへ持っていってしまいました。2009年だったと思います。

 

 ここで一つ疑問。

 私がジョウビタキを見た慶州を初め、韓国では平地でも見られるように聞いているのですが、日本での記録は今のところいずれも標高1000m前後の高原地帯なのは何故でしょう?蔵王温泉も標高880mです。日光でも中禅寺湖周辺で記録がありますがここも標高は1200以上あります。韓国との気候の違いなのでしょうか?

2025年7月15日 (火)

夏の訪れ-コアジサシ

 この声を聴いて「夏が来た!」と思う人、「ウルサいなあ」と思う人、どちらが多いでしょう。

 

 このところめっきり数が減ってしまったコアジサシのコロニーです。

 

 コアジサシの数の変遷はそのまま東京湾の埋め立て地の変遷と言って良いかも知れません。

私が中学生だった頃、図鑑には「コアジサシは酒匂川の中州で見られる」と書いてありました。

コアジサシは酒匂川、と覚えていました。

そのうち東京湾で埋め立てが進むと、埋め立てられた所が乾いて石ころと貝殻だらけの短い草が所々に生えた広大な空き地が現れ、そこにたくさんのコアジサシがやって来て集団で繁殖するようになりました。

 

 しかしこのような埋め立て地は次々に工業地や宅地へと変わって行きました。それに連れてコアジサシの繁殖地はあちらへ行ったりこちらへ行ったりを繰り返すようになりました。

 それでも長い間東京湾岸のどこかに新しい埋め立て地があってコアジサシは生き延びてきたのですがついにそれも無くなりました。

 

 流浪の民・・・コアコアジサシには人間の助けが必要です。

2025年7月 5日 (土)

クロジの森

 日光から尾瀬へかけての森にはクロジが棲んでいます。

 

 クロジと言うと都会の公園などに冬に時々現れるものの暗い藪に潜んでほとんど姿が見られず、地鳴きも小さなチッと言う声でほとんど聞こえずバードウォッチャーをイライラさせる鳥、と思っている方もいるかも知れません。

 

 でも夏のクロジはとってものびのびとキレイな声で囀っています。私が大好きな囀りです。

  

 

 このクロジは標準的なホィーチーチーと言う他にも色々な鳴き方をしています。1羽の鳥が鳴いているもので複数の鳥の声をつなぎ合わせたのではありません。一瞬センダイムシクイかと思われるような鳴き方もあります(センダイムシクイの中には「しょうちゅういっぱい ぐいー」の最後のぐいーを鳴かない個体もいるもので)。

 

 日光で夏にクロジが鳴いているのは、標高1600mくらいの、ブナなど大きな落陽広葉が枝を広げて日の光で緑が鮮やかに見える森で、下が笹で覆われていることが絶対条件です。同じようにササ原を好む鳥としてコルリがいて棲息域は一部重なっていますが、私の感触ではクロジは森の中、コルリは林縁、と言う気がします。両種ともササに依存しているので、鹿害によるササの減少が心配です。

 

 クロジの分布はかなり局所的なようで、どこにでもいるというわけでは無いようです。針葉樹林帯でも見られるようですし、また、以前主人と兵庫県の妙見山へ録音に訪れた時クロジが良く鳴いているのに驚いたことがあります。妙見山は標高が700mほどの山だからです。地域によっては標高が低いところでも繁殖しているのかも知れません。

 

クロジは冬の鳥、と思っている方もどうぞ夏の緑の森で囀っているクロジを思い浮かべてみてください。

 

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