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2025年11月

2025年11月25日 (火)

カイツブリの不思議な鳴き声

 11月の芝川調整池です。

 

 この池にはカイツブリが5~6羽いて、チャイムの音に合わせて鳴いています。主人が書いた2012年のブログにも「芝川のカイツはチャイムに会わせて鳴く」とあります。13年前の記録ですからカイツブリは世代交代していると思うのですが代々引き継がれているのでしょうか?他の場所でもカイツブリはチャイムに会わせて鳴くのでしょうか?クイナやヒクイナが時報とともに鳴くのは聴いたことがあります。鳥たちは何故?そして何に反応して鳴くのでしょうか?

 

 チャイムとカイツブリの関係を観察しているとカイツブリが今まで聞いたことが無い声を出しているのに気が付きました。私が気付かなかっただけで多くの人がご存知だったら恥ずかしいと思ったのですが、各種の鳥声図鑑やCDなどを調べても、この声も、またそれについての説明も見つかりませんでしたので、「不思議な声」としてアップしました。

 

 

 カイツブリというのは実に色々な声を出すのです。今の時期典型的なケレレレという声はあまり聞かれませんが、この声も秋から冬にかけて聞かれる声の一つなのかも知れません。春から夏にかけてはこの声を聞いたことがありません。

いつも鳴いているわけではないのですが、一度鳴き始めると同じようなインターバルでしばらく鳴き続けます。大きな声ではありませんが良く響く声です。

 

 鳥声録音では「リッップシンクロ」と言って録音している鳥の口が動いていなければ断定してはいけないことになっているのですが、残念ながらカイツブリが口を開けてこの声を発声しているのを見たことはありません。ただ広い水面に他の鳥の姿が見えない中で鳴いているのでカイツブリでよろしいかと思います。

どうやら1羽では無く、何羽かが群れている時に聞かれるようなのですが、仲間に対する存在の確認なのか、繁殖行動の一つなのか、さらなる観察を待たなければならないですね。芝川に特有と言うことは無いはずですからきっと他の場所でも鳴いているんだと思います。

この声の意味するところをご存知の方がいらしたら是非教えてください。

 

2025年11月15日 (土)

セグロセキレイの秋の囀り

 

 「鶺鴒鳴」という言葉があります。 

 

 テレビの天気予報の時によく出て来る二十四節気七十二候の一つで9月の15日前後を指す言葉だそうです。そう言えば秋になってセキレイがよく鳴いています。

 

 録音をしていると秋にも囀る鳥が意外と多いのに気が付きます。セキレイもそういう鳥の一つです。

鳥が秋にも囀る理由としては、主人も自身ののブログに、越冬地での縄張りの確保の他、「セグロセキレイやミソサザイのような漂鳥は長い渡りをしない分繁殖期に入るのが早いかも知れない」などと書いています。

確かにミソサザイは冬に囀りますし、フクロウなどもそろそろ鳴き始める季節です。

 

                                   

 セグロセキレイは録音が難しい鳥の一つです。最近どこでも姿を見かけるようになったハクセキレイとは異なり、セグロセキレイは水辺、特に流れのある所で見られることが多いからです。水音が邪魔をして上手く録音できないのです。今回はラッキーなことに水の流れがほとんどありません。

囀りのように聞こえるのは♂の声で、♀は私が見ていた限り鳴いていませんでした。

ずっと観察していると♂♀が追いかけ合ったりしています。後から来たハクセキレイを追い払う行動も見られました。

 

 近年ハクセキレイに追われて数が減っているように見えるセグロセキレイ、英名の Japanese Wagtailの名前の通りほぼ日本の固有種、生息域を生息域を拡げて欲しいものです。

 

 

2025年11月10日 (月)

短信:六義園の紅葉が始まりました /松田道生のブログをお探しの方へ

松田道生のブログをお探しの方へ:

お手数ですがアーカイブ、またはバックナンバーで2023年まで遡ってご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 

Photo_20251109101301   六義園の紅葉が始まりました。

緑の中に赤や黄色の木々が目立ちいい感じになりました。まだそれほど混雑していません。

恒例のライトアップは11月28日から12月9日です。一度閉門して夜は別料金になります。

 

池にはカルガモが戻り、ホシハジロ、キンクロハジロもやって来ました。シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラが大きな混群を作り、常連のバードファンの皆さんからはアオジ、ウグイス、ジョウビタキが帰って来たという情報をいただきました。

 

以下に今年の秋の渡りをまとめました。( )内の名前は視認した人。

主に松田が初認した、または初認の情報をいただいた日を記してあります。実際には初認はもっと早く、特にキビタキなどは何度も見られています。傾向として参照してください。

 

 8/23 センダイムシクイ(松田)

 9/3  エゾムシクイ(松田)

 9/18 コサメビタキ(村上/加藤/松田)

 9/27 サンコウチョウ キビタキ♂♀(銭屋/加藤/橋本/松田)

 9/28 エゾビタキ (岡本/銭屋/加藤/橋本/松田)

 10/2 オオルリ♀(村上/加藤/橋本/松田)

 10/17 ホトトギス(村上)

 10/21 カワセミ (村上)

 10/25 キビタキ終認か(松田)

常連の皆さん情報ありがとうございました。

 

 

 

 

 

2025年11月 5日 (水)

ムシクイの話-オオムシクイとメボソムシクイの声の違い

 10月の日光です。

 朝7時、標高800mほどの雑木林からこんな声が聞こえてきました。

 

 

 これはオオムシクイに違いないと思って録音しました。オオムシクイの秋の渡りのルートはまだ良く判っていないのです。ところが念のため山階鳥類研究所でオオムシクイを研究されているS藤先生にお伺いを立てると、あっさり「これはメボソムシクイです」その心は「4音で鳴いているから」

 

 オオムシクイにはなじみが無い方もいらっしゃると思います。オオムシクイ、コムシクイ、メボソムシクイは今ではムシクイ上種として別に分類されていますが長い間同一種と考えられていました。外見から判断するのはほぼ不可能。このうちコムシクイは日本では希少種で鳴き声もかなり異なるので今回は省きます。

 メボソムシクイは関東以北の亜高山帯で広く繁殖していて登山などで声を耳にされる方も多いかと思います。オオムシクイの日本での繁殖地は北海道の一部ですが、渡りの時期には各地を通過するため、東京の六義園でも5月下旬頃に囀りが聞かれることがあります。最近ではオオムシクイの認知度も高まって各地から通過の情報が寄せられるようになりました。ただ秋にはほとんど鳴かないので識別が出来ず十分なデータが集まっていないようです。

 

 

以下は私が尾瀬で録音したメボソムシクイです。

 

 

次に山形で録音したオオムシクイです。

 

 

 オオムシクイは早口で判りにくいので行徳の野鳥病院で録音させてもらった飼われているオオムシクイの声も添付します。

 

 

 両種の鳴き声をを比べてみると、メボソムシクイは「ゼニトリゼニトリ」と聞きなされるように「ゼ・ニ・ト・リ」と4つの音が入っています。一方オオムシクイの聞きなしは「ジジロジジロ」で「ジ・ジ・ロ」で3音です。

 

 日光で録音された声は、やや遠かったこともあり、音節の最後がはっきりしないのとメボソにしてはかなり変わった鳴き方なので迷うところではありますが、白根山を控えた背後の亜高山帯はメボソムシクイのメッカで、今までも何度か春秋に通過するメボソの声が録音されたことがあります。またメボソは遅くまで囀ることでも知られています。さらに、メボソの囀りは地域差が激しく、オオムシクイによく似た鳴き方をする地域もあるようです。ただ今まで日光~尾瀬エリアでこのような鳴き方のメボソに出会った事が無いのが不思議です。

 

追記: 長年オオムシクイの研究を続けていらっしゃる兵庫のK田さんから、「地鳴きの観点から見るとオオムシクイではないか」というご指摘をいただきました。 オオムシクイとメボソムシクイの地鳴きを比較するとメボソの方が声が低く5KH以下なのに対し、オオムシクイはやや高く3~7KHzまであり、今回の地鳴きはオオムシクイの可能性が高いのでは?というお話でした。K田さん、貴重なご意見をありがとうございます。

専門家の間でも意見が分かれるとあってはブログ作成者の出る幕はありません。

皆さんもオオムシクイらしい声が聞こえたら耳を澄ませて聞いてみてください。

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