書籍・雑誌

2017年3月15日 (水)

今月号『Birder』の特集は「鳥の鳴き声 図鑑」

 今月号のBirder誌が、送られてきました。特集のテーマは、野鳥の鳴き声です。

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 野鳥の鳴き声についてのネタが、声紋の分析から聞きなしなど10本収録されています。私が書いている「バードウォッチングに『鳴き声』が重要なわけ」と「鳥の鳴き声 基本25」も載っています。とにかく、基本的な25種を選ぶのに苦労しました。最初の依頼は20種だったのですから、無理矢理5種を加えてもらい執筆しました。それでも、まだ足りませんね。
 どうぞ、書店でお手にとっていただきたいと思います。
 実は、日本野鳥の会の『野鳥』誌の次の5月号の特集も「春の鳴き声考察」、鳴き声についてがテーマです。私と安西英明さんとの対談がメイン、現在、校正中です。不思議なことに、それぞれの編集者の方から上がってきたネタがかぶっていないのです。ですので、私が調整することもなく両誌とも粛々と進行していきました。それだけ野鳥の鳴き声についてのテーマは話題はたくさんあり、深いものであることの証拠でしょう。
 いずれにしても、これからが野鳥のさえずりのシーズン。両誌で予習をして、楽しんでいただければと思います。

2017年2月24日 (金)

『発掘狂騒史』を読む

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 面白かった本です。
 藤村新一によって石器発見がねつ造され、一大スキャンダルになってのは10数年前。私は、鳥友達の仁さんと同じ姓で同じ年でしたので、特に記憶に残っています。はじめは、このねつ造がテーマかと思って読み始めました。当然、ねつ造事件も語られているのですが、日本の考古学の歴史と歴史を作ったキーパーソンの話がおもでした。わが鳥の世界と比較して読み進めると共通項も多く、とても興味深い話の連続となります。
 考古学と鳥類学、どちらの世界に共通しているのは、とても狭い世界であること。そして、数少ない著名な先生によって成り立っていた研究であったこと。そして、お金にならないこと。お金にならないだけに、功名に走ってしまう傾向があるわけで、本書で歴史を解説してくれたおかげで、なぜねつ造が行われた下地がわかり、納得できます。また、なぜあれだけの連続した発見を怪しいと思わなかったのか、気になっていました。もちろん、気がついた人、怪しいと思った人がいたのですが、発見に燃える学会のムードと権威のなかに埋没していきます。
 石器というのは権威のある先生が石器と言えば、それが石器になってしまうあやうさがあり、科学的ではない科学の世界であったことになります。権威を守るゆえ、科学的に考証し証明する努力が足りなかったという反省が、ねつ造事件以降、行われていることを祈ります。
 幸いにして、鳥の世界ではここまでのねつ造はないと思いますが、かつては新種発見で功名にはしり、亜種命名で論争したことを考えると下地は似ています。今ならば、神の目を持つ○○さんが行くと必ず珍鳥が出る。○○さんが「あれがいそうだというと、必ず出る」、さらには写真をコラージュして珍鳥情報を発表していたことがバレるといったようなもの。わが鳥の世界も「○○さんが言った」ということで鳥が名前が決まるようなことがある以上、いつ同じようなことが起こるかわかりません。
 めんどくさいけど、いかに科学的なものの見方が必要か、わかった読後感です。

2017年2月19日 (日)

『鳥を見つめて』-木部一樹さんの画集と個展

 日本野鳥の会の『野鳥』誌で、おなじみの木部一樹さんが画集を出版されました。私も推薦文を寄せています。これで、個展でしか見ることができない素晴らしい絵をいつでも見たいときに見たいところで鑑賞することができます。
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 木部さんの活動の場は、故郷の青森です。出版も青森でされ、発売も青森です。
 なお、明日から出版を記念して銀座の画廊で個展が開かれます。合わせて、お出かけください。

画集「木部一樹画集 鳥を見つめて」
A4版オールカラー70ページ 定価 3,000(税込)
画集をご希望の方は、青森市にある成田本店のサイト、またはお電話からご注文ください。別途送料がかかります。
成田本店(http://narihon.co.jp/webhp/html)
Phone 017-723-2431

木部一樹 画集出版記念展
開催日:2017年2月20日(月)~25日(土) 11:00~19:00(最終日17:00まで)
会場:銀座煉瓦画廊 中央区銀座 4-13-18 (歌舞伎座横 木挽町通り 医療ビル2F)
   Phone 03-3542-8626
   煉瓦画廊のURL
   http://ginzarengagarou.com/

2017年2月15日 (水)

『音の手がかり』・再読


 先週末から風邪を引き、微熱が続いていました。普段の体温が低いので37度台でも、発熱感があって、ひたすら寝ていました。おかげで毎日、文庫本1冊のペースで読書三昧でした。
  そのなかの1冊、ディヴィッド・ローンの『音の手がかり』(1993年・新潮文庫)です。もう25年ほど前の作品です。当時は、週刊文春1993年海外部門8位、このミス1994年海外部門9位になっています。私が録音をはじめたのは1996年頃ですから、録音をする前に読んでいるはずで、今読むと違った印象があるのではないと思っての再読です。
 主人公は、事故で視力を失った盲目の映画音響技師のハーレックです。目が見えない分、逆に耳がめちゃ良いという人物設定です。女性の靴音から、靴の種類からあたりの環境までわかってしまいます。そのハーレックの姪のジェニィが誘拐されてしまいます。誘拐犯からの電話の音を分析し、犯人に迫っていきます。これ以上は、ネタバレになりますので控えますが、面白いです。
 録音や音響現場、そして目の不自由な人の聴覚の鋭さを知っているだけに「あるある」と思いながら、なっとくして読みました。
 ネット検索をしたら、目の不自由な方のブログに「点字図書館にあった録音図書で」とありましたので、盲人の方が聞いたら、また違った感想になるでしょうね。
  このシリーズは、3部作らしいのですが、日本ではあと1作翻訳されています。タイトルは『音に向かって撃て』(1994年・新潮文庫)。タイトルでずいぶん損をして、打ち止めになったのかもしれませんね。これも読んでいますが、風邪なおってしまったのでしばらくおあずけです。

2017年2月 9日 (木)

デジスコ通信に投稿-浮き世離れした人たち

 バブルの頃、広告代理店の人が私たちバードウォッチャーを見て「浮き世離れした人たちですね」と言われたことがあります。言われたときは、どちらかというと戸惑いとともに「そんなことない。私たちにとってはこれが浮き世だ」と思いました。今思えば、うらやましいと思っての発言だったかもしれません。
 デジスコ通信のメールマガジンに、コラムを投稿しました。下記URLでお読みください。
 http://www.digisco.com/mm/dt_98/toku1.htm

2016年12月28日 (水)

日本野鳥の会のサイトで鳴き声が聞けます

 昨日は、日本野鳥の会の理事会でした。午後2時から理事懇談会、理事会、そして懇親会と午後8時まで長時間にわたりました。皆さま、お疲れ様でした。理事会では、話題、課題はたくさんありました。私が、関心を持ったもったもののひとつに日本野鳥の会のサイトの運営があります。現在、日本野鳥の会ではコーポレートとバードファン、そして携帯サイトを運営しています。たとえば、今年度9月までで、いずれも100万単位のカウント数を記録しています。理事のなかから「これは、多いのか?」という質問がありましたので、私から「きわめて多い。個人ならば1日2、300カウントあれば良い方。それだけに、役割は大きいし効果が期待できる。入会や販売への誘導をいかにうまく行うか、今後の課題」とコメントしました。
 ということで、今日から少しでも日本野鳥の会のサイトを充実させるために、バードファンの「フォトギャラリー野鳥写真図鑑」のなかの50種類について鳴き声が聞けるようになりました。担当のM浦さんから9月に相談を受けて、それから試行錯誤を繰り返し、何とか年内に間に合ったことになります。
 下記URLでサイトに飛び、サイト内検索をするか、左にある索引から目的の種名に行ってください。
 http://www.birdfan.net/pg/kind/
 鳴き声がアップされているものは、下の方に声紋が表示されています。なにしろ、この図鑑には486種類アップされています。そのうちの50種ですので、鳴き声のないものに行き当たる可能性があります。ただ、鳴き声が聞くことができるのは、検索件数の多いものを選んでいます。人気の種類ですから行き当たる可能性は高いと思います。
 なお、音源は竹森彰さんと梁川堅治さん、ツミのみ私。また、声紋を3次元で表示してみました。それに、字幕をいれるなどM浦さんが、工夫と苦労しています。声紋を3次元表示することで、音の強さも表現されていますので、今までとは違った印象で鳴き声を楽しむことができると思います。
 これから、種類数を増やしたりバリエーションを加えるなど、充実させていく予定ですので、ご期待いただければ幸いです。

2016年12月16日 (金)

デジスコ通信に投稿-鳥で村おこしについて考える

 鳥をネタに地域振興が行われるなんて、昔は考えられませんでした。鳥を大切にしようと言えば「鳥か人か」と言われような時代があったのですから、鳥で人を呼び観光資源にするなんて隔世の感があります。それも、以前はハクチョウやツル類というメジャーな鳥でしたが、今ではバードウォッチャーや野鳥カメラマン受けする鳥で、村おこしが試みられているのですから、時代は変わったものです。
 いろいろ問題もあると思うのですが、あまり語られていない問題なので、少し考えてみました。下記のURLで読むことができます。
http://www.digisco.com/mm/dt_97/toku1.htm

2016年11月 6日 (日)

10年やればできる-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

   CDに付属しているリーフレットには、録音された年月日が書かれています。私は1996年頃から録音を始めていますが、多くの音源が2006年以降であることに気づかれると思います。2006年は10年前、私がSONYのPCM-D1を購入した年です。初めてPCM-D1を日光に持って行き、木に寄りかかって録音していたら、ミソサザイがどんどん近づき、さえずってくれたにはびっくりしました。DAT録音機でマイクをつきだしコードをぶらぶらさせながら録音とは大違いでした。メモリー録音機の購入によって、野鳥録音の効率があがり良い音が録音できて、楽しみが倍増いたしました。
 さらに2010年以降は、YAMAHA W24を使うようになりました。この機種のタイマー録音という機能を利用することで、飛躍的にデータの収集が楽になりました。今回、九州を中心に録音をしている田中良介さんは、このタイマー録音の先駆者で今回も貴重な音源を貸していただきました。飛島で録音した珍鳥の声を多数、提供してくれた梁川さんもYAMAHA W24を使用、ですから録音歴は5年くらいとなります。収録されている飛島のムシクイ類などの録音を聞いていただくとわかりますが、これだけの録音ができてしまうのですから凄いですし楽しんでいます。
 現在、繁殖鳥類調査のためにパナソニックから寄付していただいた100台の録音機が全国で稼働しています。これにともないお手持ちの録音機も活用されていることと思います。これをきっかけに野鳥録音を始める方がいることでしょう。
 そして、これから10年、あるいは数年間かけてデータが収集されれば、各地で『鳴き声ガイド○○の野鳥』を作ることが可能となると思います。
 それにともにない『鳴き声ガイド日本の野鳥』の改訂もされて行くと良いなあと思っています。

2016年11月 5日 (土)

皆さまのおかげです-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

  今回の企画では、たくさんの方々に助けられました。
 なかでも苦労をしてくれたのは、日本野鳥の会で直接担当した清水久さんです。出版社ならば、作る人と売る人、編集と営業は別ですが、日本野鳥の会のような小さな組織では同じです。清水さんは、自分で作って売らなくてはならないです。ですから、作っても売れなければすべて自分の責任、売れないからといって営業が「売れない物を作りやがって」と編集の責任にするようなわけにはいかないです。それだけに、彼の真剣さに答えなくてはと思って制作にあたりました。今日は、我孫子で開催されているジャパンバードフェスティバルの日本野鳥の会のブースで販売しているはずです。
 CDの制作では、野鳥の鳴き声の知識、音の知識、リーフレットがありますから文字編集という3拍子そろった知識が必要です。この3拍子そろった能力を持った人が、一般の会社にいるわけがありません。日本野鳥の会と言えども、音を扱える人はないので2拍子までです。今回、編集協力してくれた竹森彰さんは、編集畑を歩いてきた方でBirder誌の編集長をしていたこともあり、私とは野鳥の図鑑を作った仲です。鳥歴も長く録音は、蒲谷鶴彦先生仕込みですから心強い味方です。今回、音源のチェックからリーフレットの校正までお願いいたしました。校正では、胃が痛くなるほどのアカが入ってもどってきます。実際は、鉛筆で書かれていますが、その指摘にはいつも納得です。
 今回、多くの人から音源をお借りいたしました。前出の竹森さんはじめ、北海道は日本野鳥の会オホーツク支部の花田行博さん。東北、とくに飛島を山形県支部の梁川堅治さん。九州と韓国、台湾で録音している田中良介さんと、まずは全国的な布陣です。他の方からも、1点2点とお借りしました。しかし、いずれも面識があって心やすいおつきあいをさせていただいている方々です。というのは、お借りした音源をそのまま使うことはできません。他の音源に合わせて、ボリュームやノイズを調整しなくてはならないのです。私自身、自分の音源をいじられるのは嫌です。それがわかっているだけに、私を信頼して編集加工を任せてくれる人でないとお願いできないです。また、借りた音源が間違っている可能性もあります。じつは、ありましたし私の間違いの指摘もありました。お互い頭をポリポリ掻いて、訂正できる関係でないと仕事をしたあとに遺恨を残します。
 さらに、安西英明さんはじめ、日本野鳥の会の職員の方々。忙しい中、チェックをしてくれたのは頭がさがります。鳥の声を聞いていると眠くなるのですから、仕事中のチェックは眠らなかったか気になります。
 制作は、光村印刷です。スタジオからナレーターの手配、そして製作、印刷とすべておまかせ。けっこう苦労したのが、6枚CDの入るケースです。良いものを見つけてくれました。
 こうした多くの方々のご協力、ご尽力のおかげで完成にいたしました。ぜひ、その努力の成果をお楽しみいただければ幸いです。

2016年11月 4日 (金)

『フィールドガイド日本の野鳥』との対応-『鳴き声ガイド日本の野鳥』メーキング

 図鑑の『フィールドガイド日本の野鳥』が増補改訂新版になったとき「なぜ、新しい分類順にしないのか?」という意見というかクレームが、日本野鳥の会にけっこうあったそうです。私も新分類にすれば、以前の版を持っている人も買ってくれるのではと思ったものです。
 今回、T岡さんからCDは『フィールドガイド日本の野鳥』に対応させたいと言われたときは正直、悩みました。途中で変わるかもしれないと、最初は新分類の順序でリストを作っていたほどです。
 ところが、『フィールドガイド日本の野鳥』の順序に並べて音源を作っていくと、これが絶妙な順序であることがわかりました。実際に野外で識別し野外で指導していた高野伸二さんの体験に基づいた配列であると実感いたしました。この順序は、当時の『日本産鳥類目録第7版』に準じているようで、いません。たとえば、本来カモメの仲間はシギのあとですが、いっしょにみられることの多いミズナギドリ類の近く、前の方にあります。そのため、比較のために離れたページをめくって探さなくてもすみます。
 今回の新分類にすると、ワシタカ類とハヤブサ類は離れてしまい比較しづらくなります。野外識別のためには、別に分類順である必要はないです。野外で名前がわかるように、わかりやすさと調べやすさを優先すべきであって、むしろ別の方が使いやすいことになります。
 鳴き声も同じことで、同じような姿形をした種類が近くに並んでいた方が聞き比べるのが楽です。ということで、拙CD『鳴き声ガイド日本の野鳥』は『フィールドガイド日本の野鳥』に対応させました。私としては、大先輩の高野伸二さんのふんどしで相撲をとらせていただくことになり、ありがたいという気持ちでいっぱいです。
追記:増補改訂新版『フィールドガイド日本の野鳥』では新記録の鳥は、ページの後ろの方に載っています。CDでは、比較しやすいように同じ仲間の近くに収録しています。リーフレットには、図鑑のページ数を明記してありますので、そのページから図鑑に飛んで記述を読むことができます。

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