機材

2019年2月12日 (火)

NANGAの羽毛服

 このところ寒いですね。
 野鳥録音では、音を立てないようにじっとしていなくてはなりません。なにより、バードウォッチングでは鳥を驚かさないようにしていますし、さっさと歩いたら鳥は見つかりませんのでゆっくり歩きます。それだけに、なかなか身体は温まりません。そのための防寒具が必要です。
 今はやりのカナダグースは高いし重め。ユニクロは安いけれど機能的には今ひとつ。ということで、シュラフのメーカーNANGAが作ったという羽毛服の紹介です。この羽毛服を手に入れて3シーズン目の冬を迎えました。

Nanga1902122

 とにかく軽いです。通販で購入したのですが、宅配便のオジさんが箱を手渡しくれたときにはあまりの軽さに中が空ではないかと思ったほどです。
 私が購入したのは、NANGA Whitelabel TypeⅠです。今、ネットで検索したら3年前に買ったときよりも値上げしております。でも、カナダグースよりは安いです。
 暖かいです。東京周辺での冬のバードウォッチングではまったく問題がありません。もっとも上に着るアウターが暖かいため、下着やシャツを薄いものでもしのげます。そのため、建物の中に入ったり乗り物に乗ったりという都会周辺のバードウォッチングでは、羽毛服を脱げば良いのですから楽です。暑くて下着が脱げないで大汗をかくという苦労をしないですみます。
 暖かいだけに、すきま風がつらいです。羽毛服と手袋の間とか、足がとても寒く感じます。それだけ、羽毛服が暖かいということなのですが。
 私はこの手の服ですとSサイズですが、Mサイズでも少し小さめでした。ちなみに私の身長は167cm、体重56kgです。基本、通販ですので書かれている寸法をよく確認したほうが良いでしょう。
 難点は、私の買ったモデルは、ファスナーが弱いです。ファスナーが小さいため、寒くて手がかじかんでいるときに操作がしづらいです。また、周りの布を噛んでしまい痛んでしまいました。
 あとひとつ、シルエットがどうみても映画『ハートロッカー』、爆弾処理班に見えてしまうことです。 
Nanga1902121

2019年1月11日 (金)

ソニーPCM-D10に触ってきました

 今日は暖かくなる天気予報だったので、どこかに行こうかと思っていたら、けっこうな強風。この強さだと録音は無理と、ソニーの新製品の録音機PCM-D10を見に行ってきました。

Pcmd10190111

 現在、ソニービルが無くなったので銀座4丁目交差点の日産の上がソニープラザになっています。情報の確認もせずに行ったのですが、なんと今日からPCM-D10が展示開始ということでした。
 第一印象は「でかい!」です。かつての名機PCM-D1より大きく厚さがあります。ただ単4電池込みで、PCM-D1が525g、PCM-D10が395gですから、100gは軽いことになります。それだけに手に取ると、思ったより軽く感じます。デザインがPCM-Aシリーズを踏襲しているので、てっきり小型ICレコーダーを想像していたため、びっくりな大きさでした。写真の横にあるのが、AシリーズのPCM-A10です。その大きさの違いがわかると思います。軽いのは、筐体がプラスチック製のためです。プラスチックとはいえ、かなりしっかりした感じですのでチープ感はありません。
 大きくなったのは、本格的な外付けマイクが付けられるように端子(XLR/TRSコンボジャック)が底についていることと、多くの設定がフロントやサイドにあるスライドスイッチによって操作することができるためにスペースがとられているためだと思います。私はマイク端子は使いませんが、いちいちメニューをおこさないでもちょっとしたことが、スイッチで設定を変えられるのはうれしい設計です。
 いちばんかんじんのマイクは、PCM-D100に匹敵する大きさで、指向性があり角度を変えられます。また、金色の縁取りが高級感を醸し出していました。高品位録音は、192kHz/24bitまで。PCM-D100が、98kHz/24bitなのですから、もう1段上を行く高性能です。ただ、PCM-D100でできるDSD録音ができません。他の機材が追いついてこないなかでカットされたようです。
 今までない機能として、高S/Nモードというのがあってノイズを軽減できること。また、内蔵メモリーがいっぱいになったら自動的にSDカードに録音先が変わるクロスメモリー機能がうれしいです。
 リモートは、Bluetoothでスマホから操作します。距離は、10mていどとのこと。野外で10mは、ちょっとたりない感じですが、無いよりましかなという距離となります。
 あと野鳥録音に必要なタイマー録音機能は、ありませんでした。タイマー機能を補う長時間録音はカタログ値では、たとえば48kHz/24bit(STEREO)で約44時間(録音モニターなし)となっていますから、十分一晩放置は可能です。
 発売は、1月26日より。販売価格はオープンですが、ソニープラザでは49,880円+税、アマゾンも同じ価格で予約受付中でした。5万円といえば10年前のPCM-D50の価格帯です。当時に比べれば性能が格段に向上した機種が同じ金額で買えるのは感慨深いものがあります。
 まずは、手に触っての個人の感想です。実際に野外で録音してのインプレッションではありませんので、ご承知おきいただければと思います。
 メーカーのPCM-D10のURLです。

 https://www.sony.jp/ic-recorder/products/PCM-D10/?fbclid=IwAR3l-twZcWIvXkEfdFFOCoYOB-cgc1UwXrpVWBvpOjBEA8ZXbJNUTFjtZBA

 まずは、参考まで・・・
  

2018年10月19日 (金)

掛け時計・四季の野鳥が完成

 確か今年の寒い頃から、企画がスタートしたと思います。
 リズム時計工業株式会社(以下、リズム)と日本野鳥の会がコラボした野鳥の鳴き声が聞こえる掛け時計が完成いたしました。

Rhythm181019

 私は、この手の企画には、日本野鳥の会の職員当時以来、各社3回関わっています。そのたびごとにメモリやICチップの機能が向上し、音が良くなってきました。
 今回、最初にリズムさんがデモ機を持ってきて日本野鳥の会の事務所で聞かせてもらった時は、音の良さに驚いたものです。小さい時計に付いているスピーカーとは、思えないものでした。その時計の音源を提供してほしいとの依頼でしたので、喜んで乗った企画です。
 しかし、四季と定時によって、それぞれ鳴く鳥を変えたいというメモリを食う機能、さらにそれぞれが癒やされる鳴き声をという希望なのですから、なかなか音源を作るのもたいへんでした。
 さらに、実際に音を入れてみると、高い音域のある鳥と低い声で鳴く鳥の声が、自然に聞こえません。これは、最終的にはICチップを替えることで、本来の鳥の声にすることができましたが、ちょっとしたプロジェクトXの世界でした。
 時報がわりの野鳥の声は、無音はもとより毎時にカッコウと四季時間によって違う声が鳴き、シークレットの鳴き声が希に鳴くなどの設定ができます。ボリュームも変えられますので、部屋の広さによって調整できます。ちなみに暗くなると、センサーが働いて夜は音のでないようにすることもできます。
 肝心の時刻表示は、電波時計ですから正確です。
 デザインも自然をイメージした茶系の木枠と白い壁に合うアイボリー系の2種。それぞれ、落ち着いて邪魔にならないデザインです。
 さらに、谷口高司さんのイラストのよって構成された「野鳥の声図鑑」も付いています。と至れり尽くせりの掛け時計となりました。

日本野鳥の会のオンラインショップのURL.
https://www.birdshop.jp/fs/wildbird/gr400/gd3939
リズム時計工業株式会社のURL,
https://www.rhythm.co.jp/news/2018/news181005.html

2018年10月 7日 (日)

MAVEN双眼鏡8×30-ファーストインプレ

 迷彩が好きです。かつては、迷彩コレクターとしてアウトドア雑誌のページを飾ったものです。
 しかし、もっともよく使用する双眼鏡も迷彩のタイプが欲しいと思うのですが、今まで気に入った迷彩のパターンはもとより性能の双眼鏡に出会ったことがありません。お店に並べたときに目立たせるためか、派手なものが多く、迷彩のコンセプトをはき違えているメーカーが多いのは困りものです。また、大きくて重い、あるいは性能的にもイマイチ、イマニの機種が多いですね。

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 アメリカのMAVENは、まだ日本では無名のブランドだと思います。私は数ヶ月前、BIRDER誌の表4広告ではじめて知りました。リアルツリー系の迷彩パターンの双眼鏡が載った広告を見て、ぜひ触ってみたいと思いました。ということで先月、池袋のサンシャインシティで行われた「2019春夏アウトドア合同展示会」にMavenの双眼鏡が出品されるということで、触りに行ったほどです。

20180904_154935

 ということで昨日、MAVENの双眼鏡を入手しました。8×30、迷彩パターンはKING'S CAMOです。手に取ってみると、小型で軽く手にしっくり印象です。重さはカタログ値で460g、ストラップをつけて500gくらいになります。大きさはニコンのモナーク8×30とほぼ同じで、重さは30g重いことになります。
 さっそく本日、六義園で双眼鏡下ろしです。最初の鳥は、やはりカワセミぐらいは見たいものです。このところ、雄1羽が入っていますので探しました。この雄は、暗いところが好きで葉の陰に入ることが多く、今日も岸辺のアオキの陰でじっとしていました。葉陰にいるカワセミをMAVENの双眼鏡で見ると、かなり明るく見えます。模様もしっかりと見えて、30mm口径とは思えない明るさです。さらに、周辺光量も視野のすみずみまでくっきりしてケラレはありません。
 小さな手の私でもピントリングに指は余裕で届きますし、リングの感触、動きもスムーズです。しっかりしたストラップ、接眼対物レンズのキャップなど、バードウォッチャーの使用を考慮した設計になっていると思いました。
 重い機種はきつい高齢者、カメラなどのほかの機材を持ち少しでも軽い双眼鏡が欲しい、でも高性能の機種が欲しいバードウォッチャーには、ベストチョイスになるでしょう。
 まずは、このクラスの双眼鏡として、十分な機能を備えていると思いました。
 なんと言ってもMAVENの双眼鏡の売りは、オーダーメイドできることです。まず、倍率と口径の組み合わせもひととおり揃っています。また、迷彩が嫌いな方には、ブラックやグレーの色を選べます。迷彩好きには、4パターンから選べます。
 この他、接眼レンズの付け根のリング、ピントリング、その前後の金具、対物レンズの近くのリングなど、いくつかのパーツの色を選ぶことができます。そして、さらに名前を入れることができるという今までない新機軸です。
 ようするに「みんなと同じ双眼鏡を持ちたくない!」という私のようなへそ曲がりには、一部のパーツとは言え自由に選べるのはうれしいです。ただ、発注から手元に届くまで1ヶ月、私の場合は25日かかりました。
 双眼鏡の評価は、少なくとも1年使用して暑さ寒さを経験させて、判断しなくてはなりません。本日3時間ほどの使用での評価ですので、あらかじめご了承ください。
 なお価格は、8×30で基本のタイプ(ストックオプティクス)は70,000円(+税)です。私のようにカスタムオーダー(デザインオプティクス)をしますと、99,500円(+税)になりました。
 
 MAVENのURL。
 https://maven-optics.jp/
 阪神交易のURL。
 http://www.hanshinco.com/index.html

2018年9月 5日 (水)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート5・録音の実際-3

 LS-P4は、Bluetoothで録音機とスマホを結び操作をすることができます。操作は、録音、停止、インデックスの挿入です。これまで、赤外線リモコン、WiFがありますが一長一短、距離が短ければ電池を食わず接続が安定、長ければ電池の消耗し接続も不安定と言ったところです。Bluetoothは、この一長一短の長さと短さの差が少ないことになります。
 LS-P4の距離は、カタログ値で10mとなっていますが、実際はあと1,2mをプラスしても良いでしょう。これだけ野外で離れることができれば、自分がたてる鼻息や衣擦れの音を避けることができます。
P40_2

 設定は、儀式の連続です。マニュアルに書かれているとおり一つ一つ手順を踏んで行いました。私の場合、ペアリングがうまくいかなかったのですが、機器同士を接触させてみると繋がりました。なお、現状では操作のためのアプリOLYMPUS Audio Controller BTは、アンドロイド系のみで、iPhone、iPadには対応していませんのでご注意ください。
 野鳥録音は、野外で録音したら終わりではありません。家に帰って、まずコンピュータにデータを落としバックアップを取るまでは仕事が終わったとは言えません。LS-P4は、年月日にそれまでの録音ファイルの通し番号が付いたものがファイル名として形成されます。たとえば、2018年6月22日に録音し、その録音機で26番目のファイルならば「180622_0026」となります。また、長時間録音で日をまたいで録音してファイルがいくつもできた場合、最初の年月日がファイル名となります。ですから、調査研究で厳密な日時の記録が必要な場合、コンピュータに落としたときに「ファイル名の変更」で年月日や録音時刻を残すようにしたほうが良いでしょう。重ねて、フィールドノートにファイル名とともに録音日時、地名、天候などの基本情報をメモしておいた方がよろしいかと思います。
 LS-P4は、多機能のためすべての機能をチェックすることはできませんでした。たとえば、売りの圧縮されるものの劣化のないFLACファイルでの録音、より高品位の96kHz/24bitの録音、無指向性のセンターマイクを加えての録音、ズームマイクモード、各シーンセレクトなどです。他の録音機と比較するため、wavファイルで48kHz/16bit、ステレオ録音を基準として聞き比べましたので、あらかじめご了承ください。
 最近、発売されているPCM録音機は、高いもので4万円台、安いもので1万円台となり、LS-P4は2万円弱ですから中級機になってしまいます。ここ2、3年で発売された2万円前後の機種のなかでは、機能が充実し使いやすくなっていると思います。
 フィールドでは、どうしても落としたり、ぶつけたり、あるいは濡らしたりと機材にとってはハードな使用をせざるをえません。機材を気にして、せっかくの録音チャンスを逃すのも悔しいことです。ある意味、LS-P4は普段着のように気軽に使うことができる価格帯にあり、野鳥録音をぞんぶんに楽しむことができる機種と言えるでしょう。
(おわり)

2018年9月 4日 (火)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート4・録音の実際-2

  肝心の音はクリアで、今まで使用した録音機に比べて遜色はありません。いちばんわかりやすいと思われるウグイスのさえずりを聞いてみてください。聞き慣れたウグイスですから、おかしな音になればわかると思います。編集加工せず、mp3変換のみです。



 マイクは指向性があり、ステレオモードで録音すれば、立体感のある音が録れます。波形で示したのはキビタキのさえずりで、下の波形(左チャンネル)のほうが大きく見えます。このときのキビタキは、LS-P4の10時方向にいて鳴いており、ステレオ効果が効いていることになります。

Narcissus_flycatcher

 YAMAHA W24を同時に置いて録音しましたので比較してみます。音量は、W24のフルボリュームで録音した場合とLS-P4のマニュアルモード、25で録音した音量が波形で比較すると同じ程度を得られました。LS-P4は最大の録音ボリュームが30ですから、まだ余裕があることになります。
 音の違いを聞き出すことは、私にはできませんでした。ただ、環境音では違いを感じました。低音の「ゴーッ」という音が異なり、LS-P4のほうが100Hzの低音を捕らえていて低い音が大きく聞こえます。声紋でみると低音の密度が高くなっているのでわかります。
 コーラスの始まる前の午前3時30分の環境音を比較してみます。編集加工はしていません。
 LS-P4での録音です。



 W24での録音です。



  ボリュームを上げてきて聞き比べると「ゴーッ」という感じが微妙に異なって聞こえると思います。これは、編集加工での調整、さらには再生装置によっては気にならないかもしれません。
 同じく、コーラスが賑やかな部分のまったく同じところを切り出してみました。編集加工はしていません。
 LS-P4の音源です。



 W24の音源です。



 これも再生装置によっては違いがわからないかもしれませんし、その差はあまり感じないと思います。
(つづく)

2018年9月 3日 (月)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート3・録音の実際-1

 今回使用にあたって、苦労したのが電池の持ちの確認でした。なにしろ10時間以上持ちますから、条件を変えての検証が1日1件しかできません。また、できる限り野外での長時間録音を試したかったのですが、借り物です。雨予報のなか、森に放置することはできませんので苦労しました。日本野鳥の会のFさんにはメーカーに問い合わせてもらうなど、お手数をかけてしまいました。
 そのため、音源ファイルの形式(wavかmp3か)、エネループかアルカリか、電池の鮮度、内蔵メモリかSDカードか、さらにSDカードが推奨品などの条件の違いで電池の消耗具合に違いがあり、すべて検証することはできませんでしたのであらかじめご了承ください。
 まず、USB給電ができるのでモバイルバッテリに突き刺して録音できたらかなり余裕で長時間録音ができると思いました。しかし、給電しながらの録音は不可で、あえなく失敗。電池に切り替えました。
 結果、48kHz/16bitのステータスで録音すると、約2Gのファイルが3個と約1Gのファイルが1個、合計7Gが形成されました。時間にして10時間51分程度となります。このため、野鳥録音のゴールデンタイムである午前3時から5時頃までをフォローするためには、余裕を含めて10時間前の前日の午後6時以降に仕掛ければ良いことになります。
 どうもSDカードに保存させると電池の消耗が早い、エネループは新鮮なものを使用する、SDカードは推奨品を使うことなどの注意が必要なことがわかりました。
 LS-P4を持って野鳥が鳴いているところへ行って、あるいは鳴きそうな所に置いて、スイッチをいれ録音ボタンを1回押し音が来ていることを確認、再度録音ボタンを押せば録音できます。人工音がない静かなところで鳴いている場所を見つけること、知識と経験から鳥の鳴きそうな場所をあらかじめ知ることが野鳥録音のコツと言えばコツとなります。
 これでは味けがありませんので、録音ボリュームのマニュアル調整について述べておきます。これも人によっていろいろ録り方があると思いますが、あくまで私の目安です。LS-P4では、「録音中」表示ときに録音ボリュームのdb表示がでます。-12~0dbまでです。0を超えて音が入ってくると、音が歪んでしまいますので録音ボリュームを下げます。リミッターをonしておくことで回避はできますが、リミッターがかかるとバックの音も小さくなってしまいます。編集加工で調整はできるものの面倒です。
 基本、目的の音のない状態、環境音だけで-30~-18dbの間くらいで振れ、目的の音が-12db程度あるとノイズのなかに埋もれないで目的の音を録ることができます。編集加工することで、よりクリアな音にすることができる、聞きやすい音にすることができる目安です。
 また、環境音は低音です。高い音で鳴き音が一定の音域にある声の場合は、環境音のなかに埋もれていても音域が違うので分離することができます。音の高さの状態にもよりますので、最初はイヤーフォンでモニターしながら調整して数字を確認すると良いでしょう。
P45
(つづく)

2018年9月 2日 (日)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート2・準備と設定

 フィールドに持って行く前の設定などの準備です。
 ジャマーは付いていませんので合うジャマーがあれば転用、あるいは別売の「ウインドシールド WJ2」を購入します。WJ2は、すっぽりかぶせることができて風防効果もあります。効果が大きいだけに毛足が長く、ひっかけやすくなっています。そのため、本体と止める工夫が必要です。いつもならばマジックテープなどを使いますが、今回は借り物なので輪ゴムで固定して使いました。

P43_2

  電池は小型の単4、1本です。これで10時間単位の録音ができるのですから、たいしたものです。
 電池を入れてパワーをonにすると、バッテリの種類(ニッケル水素かアルカリか)、つぎに時計設定、音声ガイドの有無の選定をします。エネループのため、ニッケル水素電池を選定、時間設定は電池を入れ替えるたびに行わなくてはならないのはめんどくさいです。音声ガイドは、目の不自由な人には必須です。また、夜や夜明け前の暗いなかでは健常者も同じこと、意外と便利な機能です。ただし、他の録音者がいると迷惑になりますので、一人の時にかぎります。
 私が使用した結果、以下のような設定が野鳥録音には適していると思いました。もちろん、目的や環境によって設定を変える必要がありますが、ひとつの指針として示しておきますので参考にしてください。
□ファイル設定
 適宜。基本、デフォルトのまま。フェードインやフェードアウト、ノーマライズなどは小さなディスプレイでやるより、コンピュータにいったん保存してからアプリを使ってやった方が間違いがなく安全のためです。
□録音設定
 録音レベル→マニュアル。録音状態にして一時停止の状態で▶▶あるいは◀◀を押すと録音レベルの表示が出て、0~30の段階で調整できる。音のない状態で-30前後、目的の音が-12まで録れるように調整。あるいは、25~27に固定しておきます。
 リミッター→ 適宜。onで良いでしょう。
 録音モード→ PCM→48.0kHz/16bit程度に設定、あるいは適宜。
 ズームマイク→ off
 ローカットフィルタ→ off
 マイク選択→ センターマイク off あるいは適宜。
 VCVA→ off
 音声同期録音→ off
 録音シーン→ off
□再生設定→ 適宜。
□表示/音設定
 バックライト→ 短いほど電池の消耗が少ないため5秒。
 コントラスト→ 適宜。
  LED→ off 録音状態の時に赤いランプが点くが電池の消耗を考えるとoff。
 操作音→ off
 言語選択→ 適宜、日本語あります。
 音声ガイド→ 適宜。
 イントロ再生→ 適宜。
 スピーカー出力→ on
□本体設定
 メモリ選択→ 適宜。
 スリーブ→ 適宜、あるいは5分。
 電池設定→ 適宜。
 時計設定→ 適宜。
 Bluetooth設定→ 適宜。マニュアル参照。ペアリングがうまくいかない場合は、機器同士を接触させてみると良い。
 USB設定→ 適宜。マニュアル参照。
 本体メモリは、8G。48.0kHz/16bitで12時間程度は録音できます。
 16GのmicroSDカードを挿入しておけば、48.0kHz/16bitで24時間程度の録音が可能。ただし、SDカードはOLYMPUSの推奨品を使用のこと。下記、URLで確認。
  http://cs.olympus-imaging.jp/jp/support/cs/VT/Product/lsp4m/media.html
 
注:LS-P4の売りであるズームマイク機能とセンターマイクもoffとしたのは、他の録音機との比較するためです。
(つづく)

2018年9月 1日 (土)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート1・はじめに

 日本野鳥の会のFさんから「OLYMPUSのLS-P4を使ってみてほしい」との依頼がありました。季節的には夏至が過ぎ、さえずりのピークは終盤となっていました。ただ、幸いにして関東地方は早めの梅雨明けで天候にはなんとか恵まれ、日光での試し録りを行うことができました。
 現在発売されているICレコーダーのなかでPCM録音が可能な機種は、野鳥の鳴き声の幅広い音域をカバーし、一つの音が何千Hzという幅がある野鳥特有の音も歪むことなく捕らえることができます。また、価格に関わらず基本的な機能は成熟した感があり、新機種はいかに付加価値を付けるか各メーカーが頭を悩ませているところでしょう。
 今回、試用したOLYMPUSのLSシリーズについては、過去にもリポートしていますので、ご参考にしてください。
 LS-7
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/06/olympusls-7-572.html
  LS-100
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/11/-ls-100-d744.html
 LS-14
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-7.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-f.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-b.html
  LSシリーズに共通して言えるのは、音が大きく録れる、ゲインが大きいという野鳥録音にとってはプラスの性能があります。多くの録音機が室内での楽曲演奏の録音を目的として設計されているため、大きな音が歪まないようにすることには考慮されています。しかし、スズメくらいの小さな鳥の喉にあるわずか数ミリの鳴管を振るわせて出す音を近くて10m、遠ければ100mも離れて録音する野鳥録音では、録音ボリュームを最大にしてもたりないのです。
 その点、LSシリーズでは、他の録音機の最大音量を70~80%の設定で得られます。これは、無音のスタジオではなく、あくまでも自然のなかでの検証です。そのため目安の数字となりますが、単純に20~30%の余地があることになります。遠い鳥、小さな声を録るときにこの余裕がうれしいのです。すべての録音機を使って比較しているわけではありませんが、手持ちの録音機で匹敵するゲインが得られるのはソニーのPCM-D1、PCM-D50、PCM-D100程度です。
 ただ野鳥録音に必須のタイマー録音は、LS-7では3パターンも設定できました。しかし、LS-12以降なくなりLS-P4でもありません。そのため、長時間録音で補うことにしました。
 さて、LS-P4を手にとっての印象は、しっかりした造りで小型で軽いです。筐体、マイク、マイク周りなどの作りが丈夫そうに見えます。

P41

 大きさの良いたとえがないのですが、胸のポケットに入ると言ったところでしょうか。重さは、電池を入れて75g。ジャマーを付けても100gになりません。機材の多い中、録音もしたいという時には邪魔にならない大きさと重さです。また、録音主体ならば、サブ機としてもう1台持って行くのも良いでしょう。
 実際、野外で使ってみて、長時間の手持ちでも苦にならない重さでした。また、感度が良いだけに、手持ちですと自分がたてる衣擦れから呼吸の音、なんとなく人のいる気配まで入ってしまいます。それを避けるために何かの上に置いて、そっと離れて録ります。LS-P4は、軽いので小枝や藪の上に置くことができました。
 比べる双眼鏡(ツァイスVictory SF 8x42)が大きくて申し訳ございません。並べるとこんな感じになります。
P42
(つづく)

2018年7月28日 (土)

無料ソフトで声紋-Sonic Visualiser 3.1

 AV Watch というサイトで、無料ソフトでオーディオ分析できるSonic Visualiser  3.1(以下Sonic Visualiser)が紹介されていました。さっそくダウンロードして、試してみました。このSonic Visualiserは、けっこう古くからあるソフトで、旧バージョンも取り上げているサイトもあり、今まで知らなかったのは迂闊でした。
 まず、Sonic Visualiserのダウンロード用のサイトは下記です。
 https://www.sonicvisualiser.org/download.html
 Sonic Visualiserは、WindowsはもとよりLinux、macOSにも対応していますので、自分のOSに合わせてダウンロードします。私は、Windowsの64bitを選びました。私のコンピュータには、ウィルスバスタークラウドが入っているのですが「ダウンロードの少ないソフトなので危ない」と意味の警告がでました。いずれにしても自己責任でお願いいたします。また、Sonic Visualiserは英語版のみで日本語に対応していません。また、日本語の使用マニュアルもありませんのであらかじめ申し添えておきます。
 インストールして起動させると、真っ白な画面となります。File→Openで、wavファイルなどの読み込みます。mp3はじめ、かなり多くの音関係のファイルに対応しているようです。最初は、波形表示されます。クロツグミのさえずりの波形です。

Sonic1180728

 声紋は、Layer→Add Spectrogramで表示できます。一度表示すると右に1~5までタグができて、Spectrogramの表示の設定変更ができます。色も一瞬で変更できますので、便利です。クロツグミのさえずりの声紋です。モノラル表示で、天地は0~10,000Hzです。パターンのみならず、響きぐあいの余韻もわかります。

Sonic2180728

 また、波形に戻すのはLayer→Add Waveformです。
 この他、上下の二つの画面で波形と声紋を表示させることができます。さらに1画面で波形と声紋を重なり合わせての表示も可能です。同じクロツグミのさえずりを波形と声紋を重ねてみました。

Sonic3180728

 こうして表示させると、どの音が大きな声なのわかり、より鳴き声の構造がわかります。
 マウスをグリグリとやることで、横軸の時間の拡大や縮小をします。縦軸の周波数の変更は、声紋表示されている右下にあるマークにカーソルを持って行きマウスの左クリックをしながら変更できます。あと、面白いと思ったのは、右下にある時計のマークです。デフォルトは12時に針がありますが、左に回すことで再生を遅く、右にすることで再生を早くすることができます。再生を遅くすることで、個体のさえずり方の違いをわかりやすく聞くことができました。
 トラブルとしては、最初再生したところ、音がまったく違って聞こえました。デバイスの設定が怪しいので、File→ Preferencesへ行き、タグでAudio I/O、このなかにあるAudio deviceを見たところディフォルトはautoになっていました。そのため、私のコンピュータに内蔵されている音源ボードを探しだし設定。結果、ちゃんと音がでるようになりました。
 この他、基本となる録音、再生ができます。さらに、カット、コピー、ペーストなど基本的な編集ができます。しかし、イコライザーで特定の音域の軽減や強調、ノイズリダクションなどの機能はありません。波形や声紋表示させて、音を分析したり音を視覚化することで、楽しむソフトということになります。いずれにしても、無料でここまで声紋がきれいに表示できるのはありがたいことです。
 何度も書いていますが、蒲谷鶴彦先生が購入した声紋分析機は数100万円、分析できる音源はわずか8秒でした。そんな時代を知っている者にとっては、良い時代に生きていると感謝せざるをえません。 

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