機材

2020年10月 9日 (金)

防水機能のあるモバイルバッテリー-BMPB10000WPBK

 わけあって手元からモバイルバッテリーが無くなってしまいました。
 タスカムのDR-05のタイマー録音に有効なオートオフしないモバイルバッテリーであるサンワサプライのモバイルバッテリー(700-BTL039M)がデスコンになり、私より使う頻度の高そうな知人にゆずりました。
 モバイルバッテリーは、録音以外にもスマホの外出用の非常用電源として必要です。最近、日光行きのスペーシアのなかでアマゾンのプライムビデオを見るのが楽しみになっていますが、あっと言う間にスマホの電池が無くなります。そのためにも、モバイルバッテリーをいろいろ探しました。今や10,000mAhは当たり前、それも小型軽量で2,000円台になっていました。
 それを逆行するような大型で高い、ただし防水、防塵、耐衝撃、耐汗仕様をうたった機種を見つけました。バファローのBMPB10000WPBKです。
  小型軽量の機種は、マッチ箱ほどの大きさで180g、2,000円台ですが、こちらは 12.1 × 6.8× 2.7(cm)で272gあります。価格も4,980円(アマゾン価格)します。でも、見てください。このデザインは、かつて流行ったヘビーデューティなアウトドアの機材の数々を彷彿させます。

Mobilebattery1
 DR-05のカタログ値では、ニッケル水素電池・単三2本で、約15.5時間(WAV・44.1kHz16bit・内蔵マイク使用時)持つことになっています。
 eneloopは1,900mAhありますので、これに外付けの10,000mAhのモバイルバッテリーをつけることで、約5本のeneloopを追加したことになり合計7本となります。ということは、eneloop1本あたり7.5時間×合計7本=54時間以上の録音が可能ということなります。メモリは、64GBでもたりなくなります。
 余裕で2日間録音でできることなります。忙しくて、スケジュールの調整が難しいときにDR-05とのコンビで威力を発揮できそうです。オートパワーオフの機能はありませんが、だいたい2泊3日、長くても3泊4日の取材旅行の多い私には有効です。
 とにかく、去年から今年にかけての日光は、雨が多くて仕事ができませんでした。DR-05をプラスチックのケースに入れたりビニールにくるんだりしても、モバイルバッテリーの雨よけまで頭が回りませんでした。もちろんビニールでくるむなど何らかの雨よけをするべきだと思いますが、防水機能のある機種を使用することで少しは安心できることになります。
Mobilebattery2
 DR-05とつないだところです。サンワの700-BTL039Mより小型ですが、厚みがあります。 
 すでに、野鳥のさえずりのシーズンは終わってしまいましたが、これから冬に向けてのあらゆるシーンで試してみたいと思います。

2020年2月25日 (火)

Spectral Layers Pro6-3Dで声紋表示

 このブログで、3Dで声紋を表示したり、まるで音を画像のように編集できるとアプリケーションとしてSpectral Layers Pro2.1を紹介したのは、2014年のこと。6年前になります。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2014/08/spectral-layers.html
  今回、Windows10にしたので、確認のために起動したら動きません。再度、インストールしてもパスが通らず、ビクとも動かなくなりました。どうも、SonyからSteinberg に権利が移ったことで、過去のシリアルナンバーは無効になってしまったようです。さらに、さらにソースネクストで販売していることもわかりました。
 ソースネクストでは、バージョンも2.1から6.0になり単品で42,677円です。ただし、ソースネクストのサイトには「VEGAS Pro 17 Suiteに収録されており、単品での販売はありません」とありました。そして、VEGAS Pro 17 Suiteは、ダウンロード版で8,9890円。動画編集ソフトが中心で、さしあたって必要がないものがついてきます。2.1は単品で30.551円でしたから、そのくらいは覚悟していましたが、9万円はちょっとねと言ったところです。
  Spectral Layersで制作した3D表示の声紋は、日本野鳥の会のサイトで好評を得ていますので、これがないと困ります。思案しているところ、ソースネクストからVEGAS Pro 17 Suite(ダウンロード版)が88%OFFの9,980円で割引販売するとのメールがきました。
 https://www.sourcenext.com/pt/s/2002/m_0000045065/?i=hist
 単純に単品より安く、おまけに動画編集ソフトがついてくるとことになりました。
 さっそくダウンロード、インストールしました。
 以前、同じソースネクストから同じように割引販売しているSound Forge Pro 11を購入、インストールしたことがあります。このときも、シリアルナンバーの入れ方がよくわからないで苦労しました。要するに、メールでシリアルナンバーが来るのですが、それをどこにどう入れたらよいのかわかりにくいのです。とても不親切な構造になっています。ネットでも苦労した人が多く、経験者のブログなどを参考になんとかインストールに成功。ただ今、動いています。動きは、以前に比べてサクサク感があり、3Dもきれいです。
 ただし、英語表記です。2.1のときは、2014年内に日本語版となり英語版を購入した人は優遇されるというプレスリリースがあったのですが、あの情報はどうなってしまったのでしょうか。それだけ、音楽編集ソフトの需要が少なく、改訂がされないということが事実のようです。あと、問題はソースネクストの広告がネットを見るたびに、うるさいくらい表示されます。
 なお、割引販売は3月1日までとのこと。1万円ならば、とりあえず安いと思います。
 3d
   ウグイスのさえずりを3D表示させてみました。音の高さと強さを同時に見ることができるのは新鮮です。

2020年2月17日 (月)

日本野鳥の会のバッチーその1

 まずは、訂正です。
 この間、アップした村田勝四郎さんデザインのバッチの水平があっていませんでした。下掲のように左下のラインを水平にするのが正しい位置となります。

Batch3_20200218085001
 こうすることで鳥が降下しているようすとなり、尾や翼の感じがより自然になります。この鳥が何か、いろいろ議論があります。ツバメ説が有力ですが、1960年発行の『野鳥』誌の100号記念号には、ほぼ3分2ページを使ってバッチの宣伝が書かれています。そのなかに「翼を強く後方尾の上にしぼって疾飛する鳥の姿(原文のまま)」と書かれ、種名は明記されていません。村田さんのイメージする鳥の姿なのでしょう。
 Facebookにリンクさせたら、バッチについてのコメントがいくつか寄せられました。村田デザインのバッチの思い出を多くの人がお持ちであることがわかりました。
 ところで、村田デザイン以前のバッチがあるのをご存じでしょうか。戦前の日本野鳥の会の会員章です。

 Img145  

 戦前の『野鳥』誌には、ほぼ毎号に次のような広告が載っていました。これは、5巻8号からの切り抜きです。
Batch2 

 本来は、中央の鳥とてっぺんの十字架は金色、周辺は銀色の加工がされています。十字架、王冠、幾何学模様、鳥、枝でしょうか。これらが、盛り込まれています。胸章ですからバッチ自体はとても小さく細工はかなり精巧です。『野鳥』誌の告知には、高さ7分5厘とありますから約23mmです。バッチの実物と告知の記事をはじめて並べて見て、気が付いたことがあります。鳥の向きが違うのです。実物は左、イラストは右を向いています。
 翼を拡げた鳥が、なんなのかわかりません。冠羽があることからレンジャク類と思っていたらワシ説がありました。
 この写真は、蒲谷鶴彦さんが所蔵しているのを撮らせてもらったものです。蒲谷さんは「野鳥のイメージが無いし、籠に入ったオウムのようで、良いデザインとは思えない」とおっしゃっていたと記憶しています。(つづく)

2020年2月 1日 (土)

音モアを試す-その2

 耳の遠くなった私でも客観的に効果を判断できないか、考えてみました。
 まずは、住まいのある都内のマンションのベランダで試してみました。印象としては環境音が大きくなった感じですが、ノイズが大きくなるだけで鳥の声を聞くのに良いのかの判断ができません。そのため、静かなところということで、なじみのある栃木県日光に行き検証を試みました。
 日光駅の近くに発電用の貯水池があり、カモ類数10羽が集まっているため、そこで試してみました。
 バイノーラルマイクを使用し録音した音源から、音モアの効果を確かめてみました。なお、バイノーラルマイクについては下記のサイトで詳しく述べています。このURLでサイトに行き、左のメニューから「バイノーラルで野鳥録音」をご覧ください。
 http://www.birdcafe.net/howto/howtoall.htm

 まず、音モアをつけず、そのままで録音してコントロールとなる音を10分程度録音しました。次に、音モアを設置して、マットブラック、ピアノブラックをそれぞれ10分程度録音しました。

200103
 録音機は、TSCAMのDR-05を使用。録音のステータスは、48kHz/16bit、ステレオです。
マイクは、PrimoのEM4201を使用。DR-05の録音ボリュームは最大です。なお、EM4201はプラグインパワー方式のため、DR-05のメニューの録音設定でマイク電源をオンにしました。
 結果バイノーラル録音での検証は、最初は鳥の鳴き声で比較したいと思いました。しかし、鳥が同じ距離で鳴いてくれるとも思えず、またこの季節はさえずりの季節でないために鳴き声が乏しく断念いたしました。そのため、環境音で比較することにしました。
 録音した音源から環境音が一律の部分10秒程度を取り出し、Adobe AuditionCCでスペクトル表示と周波数分析を表示させ比較しました。
 その1例から解説します。
 音モアなしのコントロールです。左がスペクトル表示、右が周波数分析です。
Nomal

 音モアを装着しての表示です。
Otomorel
 周波数分析は、左右のチャンネル10秒間の平均です。まず、100Hz以下の低音部分の差がわかりやすいと思います。音モアありでは、明らかに高くなっています。装着して「ゴーッ」という環境音が大きく聞こえるとおりの結果と言えるでしょう。
 また、音モアなしでは1~2kHzの間でへこんでいますが、音モア有りでは、この部分が上がっています。また、スペクトル表示でも1~2kHzの間の黄色が強くなり、ボリュームがあることがわかります。とくにこのほかの音域でも、多少のアップが見られますが、顕著なのは1~2kHzでした。
 これは1例ですが、だいたい同じような傾向が見て取れ、マットブラックとピアノブラックの差は見いだせませんでした。
 この他、自然のなかで装着して聞くと、自分の歩く足音も大きく聞こえるなど、周辺の音が大きく聞こえる印象はありました。ただ、鳥のさえずりの多くは2kHz以上、8kHzにわたる音域で鳴いています。このシーズンは、まだ鳥がさえずっていませんので、この音域についての効果は検証できませんでした。
 短期間、それも簡便な検証方法ですが、装着することで音が大きく聞こえることは間違いないと思いました。ただ、音域によってその違いがあり、個人によって感じ方に差あるでしょう。耳の良い人には効果が感じられず、ちょっと悪くなった人に効果ありで、かなり悪い人には感じないということになるかもしれません。
 また、増幅される音域のひとつが低音域であるため、環境音の大きな都会や沢音や波音が聞こえるような環境ではノイズが大きくなるだけでしょう。いずれにしても、静かなところでのほうが効果があると感じました。
 結果、静かなところで低い声で鳴く鳥については、効果が期待できそうです。たとえば、夜の山地で鳴くオオコノハズクや遠くで鳴くミゾゴイの鳴き声をキャッチできる可能性はあると思いました。
 よしみカメラの音モアについてのURLです。性能など、確認してください。
 http://www.443c.com/product/otomore/otomore.html
 なお、音モアの販売価格は2,980円(税別)です。アマゾンだと送料無料となるようで、500円お得です。
 https://www.amazon.co.jp/dp/B07SCXW7LY?ref=myi_title_dp
 効果は、使用する環境や個人の耳の聞こえ具合によってずいぶん差がでるのではと思います。また、3,000円前後で機械的な機構がないのですから、補聴器や集音器と言った機材のような効果を期待するのは無理だと思います。
 簡単安価で、耳に手を当てた程度の効果を得られる機材として割り切って使うのならばお勧めです。(おわり)

2020年1月31日 (金)

音モワを試すーその1

 カミさんが「鳥が鳴いている」と教えてくれても、私には聞こえないことがあります。そうした時に、手のひらを耳に当てて鳴いているという方向に顔を向けると、聞こえます。この手のひらの集音効果を機材にしたのが、よしみカメラの「音モア」です。
 実は去年、秋のジャパンバードフェステバルの会場で音モアを見たのですが、たくさんの人だかりがしていました。そのため、気になっていましたが手にすることはできませんでした。今考えてみると、イベント会場のような騒がしいところでは、性能の検証は難しかったことでしょう。
 今回、よしみカメラのご厚意により手にすることができましたので試してみました。
 音モアです。
Otomorel1

 簡単にいえば、空洞のヘッドフォーンです。形はヘッドフォーンで、お椀型の耳当てが空洞になっているだけです。たったこれだけのことで音が大きく聞こえるのですから、この企画を発案した人には、頭がさがります。
 ヘッドフォーンのように頭に付けて、使用します。

 Otomorel2
 ヘッドフォーンですと耳に密着させますが、音を拾うために開きます。人によって、頭の大きさや耳の位置が異なりますので、そのあたりは調整できるようになっています。
 重さは、カタログでは126gとなっています。実際、頭に付けて負担になるような重さではありませんでした。お借りしたのは、つや消しのマットブラックと艶のあるピアノブラックで、微妙に重さと内側の加工に違いがあるとのことでした。
 メリットとしては、鳥の鳴き声を聞くために手を耳に当てたら、手がふさがってしまいますので、録音機などの機材の操作ができません。また、双眼鏡も使えません。音モアを付けることで、手のひらの集音効果が得られるのであれば、ありがたいと思います。
 確かに、装着するとまわりの音が大きく聞こえるように感じます。「ゴーッ」という環境ノイズが、違って聞こえることは間違いありません。
 鳥の鳴き声の少ない時、これをどのように検証したら良いのか思案のしどころです。(つづく)

2019年9月30日 (月)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート5

バッテリー
  ディスプレイが大きくて見やすい分、また録音中は「録音中」の赤いランプが点灯することで、単3電池2本の割には、バッテリーの消耗が早いです。昔の録音機に比べれば十分なのですが、YAMAHA W24が単3電池1本で30時間録音可能であることと比較すると見劣りしてしまいます。
 いろいろな条件で思わぬ、バッテリーの消耗がありました。たとえば、一晩録音ではDR-07で12時間50分可能でした。しかし、同じDR-07でタイマー録音3時間を2回できた程度。DR-05では3時間1回のみでした。
 録り続けると12時間以上できるけれど、タイマー設定だと3時間ということになります。タイマー録音は、設定して10数時間放置されていることになります。その間、ディスプレイが表示され続けられているためバッテリーが消費されてしまうためでしょう。あるいは、私のエネループは1年物なのでその影響を受けやすいのかもしれません。
 ところで、DR-05、DR-07ともUSB端子(Mini-Bタイプ)があり給電が可能です。タスカムからは、単3電池6本を入れ、USB接続できるバッテリーケース(BP-6AA・実売価格4,000円)がオプションで用意されています。これで録音時間を3倍に伸ばすことができます。
 それならば、USB給電できるモバイルバッテリーが利用できないか、考えてみました。手持ちのAnker PowerCore 10000(2,599円)を使ってみました。10,000mAhの容量がありますから、理論上はエネループ5本以上のエネルギーがあるはずです。
 その場でスイッチを入れ録音を開始させる長時間録音は可能でした。しかし、タイマー録音はできませんでした。
 S木♂さんが、この原因を解明してくれました。多くのモバイルバッテリーは、オートパワーオフの機能があって、本体の電源が切れると自動的に給電されない仕組みになっているそうです。微弱のでパワーを長時間使うような機材では、使用できないことになります。タイマー録音の待機中は、電源が切れている状態になるのでタイマー時間になっても起動しないとのことでした。
 そのため、S木♂さんはオートパワーオフの機能のないモバイルバッテリーを探してくれました。紹介されたのは、 サンワダイレクト700-BTL039M(2,980円)です。10,000mAhの容量がありますので、理論上は20数時間録音可能で、1回3時間のタイマー録音ならば1週間は可能なことになります。ここまでは検証していませんが、すくなくともタイマー録音でも使用可能なモバイルバッテリーであるところまで確認しています。

P1080285
 DR-05にサンワダイレクトのモバイルバッテリーをつけてところです。バッテリーのほうが大きいのがちょっと・・・

DR-07かDR-05か

 前回、記事にして以来DR-07かDR-05か、どちらが良いかの問い合わせをいただいています。マイクに指向性があるけれど録音ボリュームの低いDR-07、指向性がないけれど録音ボリュームが比較して大きなDR-05、どちらがよいかということになります。
 ただ、録音ボリュームが低いDR-07を増幅させて同じレベルまで音を大きくしても、音の質は変わらない印象があります。また、タイマー録音をしてDR-05のそばに鳥が来て鳴いてくれた時の音の響きは、なかなかのものです。
 カメラのレンズで例えるならば、DR-07は画面のなかで鳥は小さいけれど、トリミングして拡大して見れば良い。DR-05は広角レンズの撮影で、すぐそばに鳥が来て大きく撮れたときの感動を味わえるということになります。
 結果、甲乙付けがたいのですが、よりステレオ感のある音で癒やし系の音を録りたい、目的の音源を中央に持っていくことのできる手持ちでの録音が多いならばDR-07、周辺で鳴いている野鳥たちの種類を確認するデータ収集が主のタイマー録音が多ければDR-05といったところでしょうか。

価格
 2019年9月26日現在の価格コムの最安値は、DR-07MKII-JJが14,179円、DR-05VER2-JJが12,153円と、どちらも1万円台で実売されています。タイマー録音では、野外に少なくとも一晩、場合によっては数日間放置しておくことがあります。そのため高額の機材では、万が一のことを考えるとためらいます。
 万が一とは、大雨などによる損傷から、タヌキなどの野生動物にいたずらされるなど、経験しています。
 人によって価値観は異なると思いますが、1万円台ならばゆるされる人は多いのではないでしょうか。それでも、いつも1万円札を置いているつもりで設置しています。

ご注意:念のためにお買い求めの場合は、型番を確認してください。現在タイマー機能があるのは、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種です。(終わり)

 

2019年9月29日 (日)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート4

その他の報告
・音
 マイクが大きいだけに、音がしっかりと録れる感じです。音質は、飾り気のない素直な印象を受けます。
 ウグイスのさえずりのまろやかな感じは、そのまま録れます。低いフクロウの鳴き声もしっかりと録れていました。
 全体にある環境音のノイズは、ムラがなく一様にひろがっていました。他社機種によっては、ムラが出るものがあります。これは、聞いて違いがわかるものではないのですが、スペクトル表示をするととても気になります。
 DR-07はマイクに指向性がありますが、ガンマイクのようなシャープな単一指向性があるわけではありません。そのため、後ろの音も入ります。この指向性はステレオ感を得るためくらいの実感です。DR-05は、無指向性といえども左右で鳴いている鳥の声を聞き分けることができます。
 サンプル音源を上げておきます。タイマー録音で収録したものです。いずれも、元のフィルから切り出しmp3に変換しただけです。ボリュームの調整や低音ノイズの軽減、ノイズリダクションをかけるなどの編集加工はしていません。
 DR-05です。エゾムシクイの高い声が透き通るように録れていました。

 DR-07です。オオルリのきらびやかな感じをとらえることができたと思います。マイクを向けた反対側、さらに遠くで鳴いているニワトリの声も入りました。

・デザイン・外装
  全体のデザインは録音機らしく、しっかりした作りになっていると思いました。チープ感はないです。大きなディスプレイも見やすく、私程度の老眼であれば見えます。ボタンのクリック感も問題ないと思います。
 以下、気になったところです。
 電池蓋が、はずれやすいのがちょっとといったところです。落とすと外れてしまいます。また、いつの間にか開いていたこともあります。
 メモリーを挿入するスロットの蓋が閉めにくく開きやすいです。本体がプラスチック、蓋がゴムのために、ゴム部分が浮き、引っかけると開いてしまいます。また、閉めた時のノッチがぴったり収まらず、これも開く原因となっていますので注意が必要です。
 DR-07については、マイクの角度を変えられますが、クリックがなく簡単に動いてしまうために、ジャマーの装着時に動いていることがありました。

・ジャマー
 野鳥録音では、ジャマーは必携です。野外では、必ず風が吹いています。とくに、昼を過ぎると風はかなりの確率で吹きます。また、録音ボリュームを最大にしているために、少しの風でもマイクが反応し「ボッボッ」という音になります。これらを少しでも改善するために、ジャマーが必要になります。
 今まで、いろいろな録音機にジャマーが付いていたりオプションで用意されていました。しかし、だいたい付けにくく取れやすいものでした。あるいは、とても高いものでした。DR-05、DR-07用のオプションで用意されているジャマーは、付けやすく取れにくい仕様になっているので使いやすいです。それに、1,200円とリーズナブルです。本体購入と同時にジャマーも買っておくことをお勧めします。(つづく)

Jamaer1070634
  大きなジャマーは、効果が期待できます。

2019年9月28日 (土)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート3

録音の実際
 ■マークの「電源」を長押しすると起動します。
  DR-05、DR-07とも起動が速いのがうれしいです。デフォルトの4Gをさして起動させると2秒。16Gをさしても同じですからメモリチェックを行っていないのでしょう。ちなみにYAMAHA W24が4Gで3~4秒、16Gで7秒。一呼吸遅れます。実は、このわずかのタイミングで録り損なうことがあります。気がせくとなおさら。早い起動は、ストレスがありません。
 つぎに、赤い●を押せば、録音のスタンバイとなり、右上の「録音中」のランプが点滅します。この間に録音ボリュームを調整します。右の▶▶でプラス。左の◀◀でマイナスになります。どちらかを押すと「入力レベル」という窓が表示され、90が最大です。なんで100でないのか不思議です。よほどのことがないかぎり、最大の90で録音してます。とくに、DR-07は録音ボリュームが低いため、録音ボリュームを下げて録音するような状況は今までありませんでした。近くで鳥が鳴いてくれても、音が割れることはないでしょう。
 録音ボリュームは、基本最大にしています。調整する余裕があれば、左のピークの赤いランプが点灯しない程度に調整します。あるいは、レベルメーターの▼マークのあるところを超えないようにレベルを調整します。
  そして、再度赤い録音ボタンを押すと、録音がはじまり、点滅していた録音中の赤いランプが点灯したままになります。重ねて録音時間が進んでいくことを確認します。
 鳥が鳴いていたらすぐに録音する場合が多いと思います。そのため、電源を入れたら録音ボタンを2回押して、とにかく録音するという動作に慣れておいた方が良いと思います。また、レベルメータが動いて音が来ていること、録音時間のカウンターが進んで録音されていることを確認するクセを付けておくと失敗が減ります。
Photo_20190927161301

タイマー録音機能
 写真は、タイマー録音の設置の例です。
 「タイマー録音」がメニューの2ページ目にあるのは、ありがたいです。
 設定も開始時間と終了時間、設定で回数を決めて、▶でOKなのは簡単に設定できます。
 ただ、最初は失敗しました。
 原因は、タイマー設定をしてから、ほかの設定が気になってメニューに行くためには■を押さなくてはなりません。これは、同時にタイマー録音を設定しない=「いいえ」になってしまい、タイマーが解除されてしまうことに気が付きませんでした。
 たとえば、タイマー設定をしたあとに時間設定があっているか、録音形式は大丈夫かと思ってメニューに行くと、結果タイマー設定を解除してしまうことになります。最初、これがわからず録音されていませんでした。
 また、設定したあと、ディスプレイは表示されますので、これを消すために■を押してしまい、タイマー録音が不可になってしまうことに気が付きました。これは、設置前に気が付いて回避できましたが、ミスを誘う危険が大です。
 実際のタイマー設定は、午前3時~6時とし3時間、録音形式48kHz/16bitで2Gになります。この設定で、DR-07で7回、DR-05で6回使用しました。
 タイマー録音は、プラスチックケースに入れて本体部分はケース内、マイク部分はケースの外に出た状態(ジャマーを装着)です。このケースの木の根元、岩の下などに置きます。基本、前日の夕方に置いて翌日の朝に回収します。
 幸いにして降雨にあうことはありませんでしたが、ジャマーが朝露に濡れ湿っぽくなっていることは、数回ありました。この時の録音を聞いて見ても、ノイズが入ることはなく問題なく録音されていました。(つづく)

2019年9月27日 (金)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート2

準備
 2機種には、本体に組み込んである内蔵メモリはなく、メモリスロットに4GのマイクロSDが添付されています。そのまま4Gでも、48kHz/16bitで約6時間の録音が可能ですから、日帰りの録音行では十分な容量となります。また、早朝3時間のタイマー録音を行ったとしても2日分の録音が可能となります。
 今回、さらなる長時間録音をする可能性がありますので、TOSHIBA MicroSD HCⅠ 16GBを換装して使用しました。これでおよそ24時間の録音が可能となります。なお、カタログには「microSDHCカード(4GB~32GB)」とあり、32Gまで装着可能です。この場合は、バッテリーに一工夫必要ですが、約48時間の録音が可能となります。タイマー録音で早朝3時間録音した場合、16日間録音を続けることができます。
 なお、下記にメーカーで動作確認されたメディア一覧がありますので参考にしてください。
 https://tascam.jp/jp/product/dr-05/spec
  バッテリーは、単3アルカリ電池が添付されています。カタログ値では、44.1kHz/16bitで約17.5時間録音が可能となっています。エネループの場合は、約15.5時間となっています。エネループ使用で、48kHz/16bitの場合でも少なくとも10時間以上、稼働するはずです。実際に2年物のエネループを使用しての実測では、DR-07で12時間50分録音できました。

Up1070632 設定
 私なりの設定ですので、これでなくてはいけないと言うことではありません。参考にしていただければと思います。
 停止■マークを兼ねた電源ボタンを押し起動させます。
 メニューボタンを押してメニューを表示します。最初に「録音設定」があり、再生の▶マークを押します。基本、▶マークがリターンキーの役割、■マークがエスケープキーの役割です。
 以下、設定を列記します。
 録音形式:WAV 16bit
 サンプル:48k
 チャンネル:ステレオ
 録音サイズ:2G ※( )内に3:06と表示され3時間6分録音できることがわかる。
  マイク電源:オフ
 低域カット:オフ
 事前録音:オフ ※オンにすると、スタンバイの数秒前から録音されますが、ガサガサしか録れない。
 自動トーン:オフ
 その他は、適宜
  「再生設定」は、適宜。
 「ファイル/フォルダー」は、適宜。
 「タイマー設定」は、次回詳しく解説します。
 「スピーカー設定」は、オン。
 「その他」では、「ファイル名設定」で
 タイプ:日付にします。これで、たとえば2019年3月29日に録音した最初のファイルは、ファイル名が190329_0001となります。
 「日時設定」は、タイマー録音のことを考えて、ていねいに間違いのないように設定してください。
 「システム設定」では
 自動電源制御:5分 ※起動させておいて使用しない場合5分で電源が切れます。
 バックライト:10秒
 画面の濃さ:5
 電池タイプ:Ni-MH  ※エネループの場合です。
 SD初期化:念のために使用する前に完全初期化をいたしました。
(つづく)

2019年9月26日 (木)

TASCAM DR-07 & DR-05 試用リポート1

はじめに
 このたび、ティアック株式会社より、TASCAM DR-07とDR-05にタイマー機能を付けたデモ機をお借りすることができました。そのため、2019年4月~6月の間、栃木県日光などでのフィールドで試用いたしました。加えて日本鳥学会にて、お店を出していたティアックにてDR-05を購入。それらを元に使用リポートを連載いたします。
0705190525
 まずは、野鳥録音とはどんなものなのか、まえがきです。
 たとえばスズメくらいの大きさの鳥ならば、嘴から尾の先までがわずか15cmしかありません。さらに、この喉の奥にある鳴管、小指の先もないくらいの器官が出す”音”を録音する作業となります。それも近くて10m、だいたい2,30m、ときには数100mも離れたところから録音します。当然、野鳥のいるところは自然が豊ですから、水や波の音など環境音もにぎやかな中での録音です。ですから、風雨にさらすことを気にしながら遠くから高級なマイクで録るより、ここ数年で機能の充実したメモリ録音機を少しでも鳥に近づける工夫をしたほうが良い音が録れることになります。
 野鳥の鳴き声は、100Hzの低音から10,000Hzを超える高音まであります。また、一声で5,000Hzの幅のある音を出す種類もいます。そのため、高品位録音やマイク性能が試させられる音です。言い換えれば、野鳥の声がちゃんと録音できる録音機であれば、他の音はなんでも録れることになります。
 多くのメモリ録音機は、室内での会議や楽器演奏を想定して設計されています。そのため、Recボリュームが低い、耐久性に難があるなど、フィールド用に堪えない可能性があります。ただ、録音機は数多く出ているため、その中からフィールドでも使える録音機を探すことになります。
 野鳥録音をはじめて、最初は思うよう録音できません。多くの場合、「ゴーッ」という大きなホワイトノイズのなかで鳥がかすかに鳴いている音になります。その音を録音したときには鳥の声が大きく聞こえたはずなのに、鳥の声が大きく録れないのです。そのため、録音機が悪いではないかと思う方がよくいます。
 これは、脳が好きな音を選択して聞き、必要のない音をカットしているためです。それに対し、録音機は自然のままに録音しているための錯誤です。録音している時のノイズの状態を聞き取ることができるようになると、録音機の音が正しい音であることに気が付きます。
 そのため、自然のなかで聞いたよう=脳が選択した音のように編集加工することになります。自然な音に仕上げるためには、自然のなかで聞いた印象を頭に刻み込み、それを再現することになります。自然の体験なくてしては、編集加工をすることはできません。
 録音機には、編集加工して自然のなかで聞いたようにできる音源を確実に収録できるかが性能として求められることになります。
 また、森林の鳥は、夜明け前の暗いうちからさえずりはじめ、ピークは夜明け前後。関東地方の初夏ならば、3時45分から4時15分となります。そのため、3時に起きて、このさえずりのピークに間に合うように現着しなくてはなりません。そこでタイマー機能を活用し、前日に録音機を置いて翌日回収するタイマー録音が有効となります。
 鳥類の調査、習性を調べている研究者のなかに、1ヶ月、あるいは1週間放置して時間を有効に利用し、多くのサンプルを収集するという手法が広まってきています。なかには、無人島に1年間放置してどんな鳥がいるか調べている人もいます。それだけ、野鳥録音にはタイマー機能が必要です。
 なお、実売になった機種名は、TASCAM DR-05 VER3、 TASCAM DR-07MKII VER2の2機種となります。なお、以下本文では、DR-05、DR-07と表記しています。(つづく)

より以前の記事一覧

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