機材

2023年3月13日 (月)

静かな所での補聴器、集音器の使用

 補聴器や集音器を静かなところで使用したら、どのような効果があるのか知りたいと言うコメントもいただきましたし、私も気になっていました。
 話は前後しますが、先週の日光行きで試して見ました。
 まず、六義園と日光での環境音の違いです。
 ㏈で示すと何も鳴いていない環境音だけでは、六義園は-24~-21㏈です。これは、六義園ばかりでなく葛西臨海公園などでもだいたいこのレベルです。また、日光は-36~-33㏈でした。-10以上違うと言うことは対数ですから、音のエネルギーとすると100倍近い差があることになります。このあたりは専門外ですので、間違っていたらご指摘ください。
 たとえば、カメラのレンズに自動的にピントを合わせるためのモータ-が付いていて音がします。六義園で写真を撮っていると、この音は聞こえません。しかし、日光では、うるさいくらい音がします。最初は、レンズが壊れたのかと思ったほどです。それほど、都会の公園と自然の山のなかでは、ノイズのボリュームに違いがあると言ったらご理解いただけるでしょうか。
 ということで、補聴器(ワイディックス)と集音器(きこエール)を試してみました。写真は、実験した環境です。
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 山に囲まれ周囲の音が少ない場所です。ちなみに、ここでは携帯電話の電波も入りません。
 補聴器では環境音が多少大きく聞こえ、集音器はボリュームを低く設定しても大きく聞こえます。遠く流れる川の音でしょう。高めの音を強調されるように調整している補聴器と、人の声の高さを増幅している集音器の違いがよくわかります。
 六義園で環境音がうるさくて、はずすとほっとすることがあります。静かなところで聞こえる音がうるさいと思えませんので、この「ほっと」はありませんでした。
 今回はあまり鳥の鳴き声がしないでチェックが不十分ですが、キジバトのような低い音はよく聞こえました。遠い音、高い音は環境のあるなしにかかわらず、マイクの性能から捕らえきれないでいる感じがしました。
 問題は静かなところだと、自分の立てる音がかなり気になることです、足音はもちろん、フィールドジャケットの襟で首が擦れる音が聞こえます。これは、フルボリュームで録音している状態と同じ音です、右足から左足に体重を換えたときに「ジャリッ」と地面が鳴る音が聞こえる状態です。ですから、補聴器や集音器を使用するときは、じっとしていないとなりません。これは、録音している時と同じ体制でいることになります、
 いかに機材で悪くなった耳をフォローするか、できるのか、今後も検証していきたいと思います。

 

2023年2月27日 (月)

集音器「きこエール」は聞こえるかーその2

 ワイヤレスイヤフォンに見えるのは、年寄り臭くなくて良いかも。

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 ということで、実際に野外で試して見ました。
 六義園で、装着すると本郷通を通る車の音がうるさいくらいです。隣接するマンションのエアコンの室外機も大きな音を立てていることがわかります。そのため、やはり「音量を下げる」にして、試しました。それでも.ハシブトガラスが近くで鳴くと、かなり大きく聞こえます 上をヘリコプターが飛ぶとその音も大きく聞こえます。
 ヒヨドリの鳴き声、ウグイスの笹鳴き、シロハラの地鳴きなどがよく聞こえます。ウグイスの笹鳴きは、はずすと聞こえませんでした。集音器効果は確かにあり、バードウォッチングに有効かと思いました。
 マイクは、無指向性のタイプだと思います。カメラのレンズで言えば広角レンズのようなものです。そのため、近くの音はより大きく聞こえます。しかし、遠い音は小さいか聞こえません。音にもよりますが、ウグイスの笹鳴きは、30m離れると聞き取ることができませんでした。これは、60万円した補聴器でも同じでした。
 同じく補聴器と共通した問題があります。それは、録音機を通して聞いている音と同じように聞こえることです。
 何度か書いていますように、人は耳で音を聞いているのではなく脳で処理された音声データを認識していることになります。そして人は聞きたい音を聞き、聞きたくない音を聞かないですんでいます。
 ですから、渓流沿いで鳴いているオオルリの鳴き声がよく聞こえたからと言って録音すると、流れの音のなかにかすかにオオルリの鳴き声が入っている程度にしか録れません。最初は、録音機が悪い、良いマイクならば録れるのではないかと考えてしまいます。これは、ただただ録音機が正直に音を録音してくれているだけのことで、私たちが聞いている音は本来の音ではないのです。
 しかし、補聴器も集音器も本来の音を耳に伝えてくるので、うるさく感じることああります。騒音の多いところでは、はずすと「ほっ」とするときがあります。録音機の録音ボリュームを最大にしてモニターにしている感じといえばわかるでしょうか。
 義父は、きこエールを気に入っているようでよく使っているそうです。お陰で、話かけてもコミュニケーションをとれるようになったと義弟が報告してました。
 どうも、耳がかなり悪い人にとっては、この音の大きさが必要で集音効果となっています。多少でも、耳が良いとうるさく感じ、静かなところでないとストレスになるかもしれません。また、使用する環境でも違ってくると思います。たとえば、室内と野外ではかなり音の存在ものが大きく違いますので、聞こえ方も違ってきます。野外でも六義園のような都会の公園と日光の山の中では違うことが予想されます。
 録音機を補聴器かわりに使った経験からすると、ボリュームを調整したり、撮ったりはずたりして使うことで、野鳥の声を聞き逃さないようできると思います。
 この他の報告です。
 電池は、1回の使用で20%減少しました。1回は。だいたい3時間使用です。六義園のバードウォッチングならば、5日持つことになります。1日使用しているような使い方では、2日は持ちそうです。
 Bluetoothは、私のiPhoneとの接続では、野外で約30m通じました。離れてスマホとのの接続が切れるときは「接続が切れました」とアナウンスが流れ、近づいて接続されると「接続しました」と言ってくれます。(おわり)

2023年2月26日 (日)

集音器「きこエール」は聞こえるかーその1

 以前、集音器のパラボラを調べるために「集音器」というキーワードで検索したら、耳に直接入れる補聴器がたくさん出てきて、思うような情報を得られなかったことがあります。
 ところで補聴器と集音器は機能は同じはずなのに、大きな違いがあることがわかりました。以前、記事にしたおりにコメントでふれましたように、補聴器は医療機器です。そのため、消費税は無税、手続きによっては税金の医療控除を受けることができます。そのかわり、検査をするのには資格が必要で検査をするための防音室や検査機器がなくてはなりません。そのため高価です。50万円から100万円が相場です。
 それに対して、集音器を検索すると通販などで1万円前後で売られています。検査も必要ありませんし、すぐ手に入ります、
 先日、義弟が愚父のために購入した「きこエール」という票品名の集音器は、12,000円です。見た目は、ワイヤレスイヤフォンそのものです。充電式で電池不要です。さらには、Bluetoothでスマホと連携すれば音楽が聴けるというワイヤレスイヤフォンそのものの機能もあります。メーカーのURLです。

https://kikoyell.jp/

 60万円した補聴器のわずか50分の1の価格、果たして性能はどんなものなのでしょうか。
 私もヨドバシカメラの通販で、12,000円で購入して試して見ました。写真は左が補聴器、右がきこエールです、

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「きこエール」のケースには充電量が表示され、購入時すでに95%になっていましたので、すぐに使えました。
 左右が決まっていて、右耳用には印が付いています
 耳に入れると「集音モードon」と「接続しました」のアナウンスが流れます。「接続しました」は、スマホとBluetoothでつながったというメッセージです。
 右をタップするとon、左はoff。右を2度タップすると音調上げ、左は下げてくれます。右の長押しで「集音モードoff」、左の長押しで「集音モードon」になります。基本の操作は、これだけです。
 装着感は、私の耳の穴にはやや大きいかなと言った感じですが、痛いとか、きついというほどではありません。
 装着すると、あっと思うほど周囲の音が大きく聞こえます。部屋の中で試すと、自分の服の衣擦れ、カミさんの足音、エアコンの音が大きな音になります。自分のしゃべる声は、ややこもったように聞こえますが、大きくなります。カミさんの話声もはっきりときこえます。
 私は、人の話し声は聞こえますので、音量は低いほうに設定しました。それでも、かなり大きく聞こえます。(つづく)

 

2023年2月18日 (土)

タスカムPortacaptureX8用ジャマー

 野鳥録音をしていて、気がつくのは自然のなかは風がいつもあるということ。とくにお昼を過ぎますと、必ず風が吹いてきます。そして、フルボリュームで録音する野鳥の声には、風の音がどうしても入ってしまうことです。その風音を少しでも軽減してくれるのが、ジャマー。スポンジ製と布製があります。布製のほうが効果が大きく高価ですが、野鳥録音には必須です。
 タスカムのPortacaptureX8には。今までDR-05用のジャマーを無理矢理付けて使ったり、以前からあるライコートのものを付けていました。ジャマー効果はあるのですが、付けにくく取れやすいのは落としそうでなっとくがいきませんでした。
 今回、X8の専用のジャマーが発売になったとティアックの山本さんよりいただきました。型番は、WS-86です・ちなみにタスカムでは、ウインドスクリーンと言っています。ここでは、今まで言い慣れたジャマーと言っておきます。
 本日、六義園にて実際に使ってみました。まず、大きさ専用だけあって、良い感じです、多少大きめですが、このほうがジャマー効果は期待できそうです。深さは液晶画面までで、液晶が隠れることなく視認できます。
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 ただ、ウエストポーチの出し入れで、とれそうなため2つ付いているタグに輪ゴムをとおし輪ゴムをキヤノンプラグのノッチにひっかけておきました。これで、外れることも落とすこともないと思います。
アマゾンでの価格は3300円、ライコートは1万円以上しました。よく1万円も出したら、大きなぬいぐるみが買えるのにと言われたものです。それが3,000円台なのですから、うれしい価格です。アマゾンのURLです。

https://www.amazon.co.jp/TASCAM-WS-86-Portacapture-DR%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA%E7%94%A8%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3-%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0/dp/B0BSVFXV7N/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=2E8PT6Q84GIY0&keywords=WS86&qid=1676724273&sprefix=ws86%2Caps%2C296&sr=8-1

 今日は、風がないので効果のほどはわかりませんでしたが、試し録音です。少なくともこもった感じなどの違和感はない音に録れました。アオジの地鳴きです。すぐ足元で鳴いてくれました。なんと、75.000~80,000Hzありました。私には、足元で鳴いても聞こえない音域でした。ですので、再生環境によっては、聞こえないこともあるかもしれません。
 タスカムのPortacaptureX8で録音。ボリュームの増幅、7,000Hz以下の低音を軽減しています。

 

2023年2月 4日 (土)

バードウォッチングに椅子

 野鳥録音は、自然のなかでじっとしています。森の中ならば、岩や倒木など座るところを確保できます。しかし、夜明け前からの待機では一面朝露や霜がおりて、どこも濡れていて座るところがありません。また、夜の鳥が啼くのを待つときも、座るところがなくて苦労します。
 よく車のなかで待機する方がいますが、車のなかにいると音の聞こえ方がまったく違います。やはり外でないとダメです。また、芝川第一調節池のようなところでは、座るところがありません。
 そこで、有効なのが椅子です。
 野鳥録音する以前はバードウォッチングというと歩くことが、野鳥と出会う方法だと思っていました。歩けば歩くほど鳥との出会いの確率が高まると思っていました。たとえば、六義園で他のバードウォッチャーが歩いているのを後ろから見ていると、その先でアオジやシロハラが藪に逃げ込んでいくのが見えます。まるで鳥を追い払っているように見えてしまいます。実は、私もこれをやっていることに気がつきました。
 ところが、森のなかに座っていると鳥が近くにやってくることに驚かされます。ヒガラが私の身体にとまったことがあります。目の前でキビタキの雄同士がケンカを始めたこともあります。じっと座っている私を遠くから見ていた仲間から「松田さんのほうに鳥が寄っていく」と言われたことがあります。いかに,動かないでいると鳥が警戒せず、近くにくるかわかると思います。
 そのための椅子です。
 以前は、画材店で売っていたスケッチをするための小さな折りたたみの椅子を使っていました。ただ、せいぜい20cmくらいの高さしかなく、年取ってくると立ち上がるのはもちろん座るのも一苦労です。
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 写真の左は、ジャックウルフスキンの椅子です。高さはおよそ 40cm。なんとか立ったり座ったりできるギリギリの高さです。これより低いと使い辛いです。重さは550g、中型の双眼鏡と同じくらいです。キャラバンのバーゲンで数千円だったと思います。
 右は、去年の秋にホビーズワールドで購入した椅子です。今回、初めて使用しました。高さが55cmあり、とても楽です。また、足が2段になっているので、縮めると40cmとなりリュックに入ります。重さは800gで大型の双眼鏡と同じくらい。価格は、1万数千円、ただいまもっと高くなっていました。 もし歩くだけのバードウォッチングをしているのならば、椅子を手に入れ、森のなかで座り野鳥たちの息吹を感じるバードウォッチングを体験することをお勧めします。
 ただ、椅子に問題がないわけではありません。
 六義園のような順路では使うべきではありません、葛西臨海公園のような観察場所が決まっているところで、牢名主のようにどんと椅子に腰かけて場所を占領するのもNGです。あくまでも貸し切りの場所、人に迷惑のかからない場所での使用に限定すべきでしょう。

2022年12月27日 (火)

アップルウォッチのノイズ

 今日、病院で採血してくれた看護師さんは、アップルウォッチをしていました。入院や化学療法で看護してくれる医療従事者のアップルウォッチ率は、高いものがあります。
 とにかくスマホがiPhoneならば、アップルウォッチは便利です。 お茶を入れるときのタイマー、心拍数、メールチェック、メッセージのやりとり、iPhone捜し、歩数計がよく使う機能です。歩数機能のあるiPhoneを忘れても、アップルウォッチをしていればあとで加算してくれるのはうれしいです。
 とかく便利なアップルウォッチですが、今回カミさんの日光の録音に電気的なノイズが入っていました。原因を調べてみたら、アップルウォッチとiPhoneが交信し合うときにノイズが発生し、録音されてしまうことがわかりました。
 YAMAHA W24で録音。ボリューム、低音ノイズの軽減、ノイズリダクションなどの加工は、行っていません。

 良い感じで、鳴きながらヒガラなどのカラ類の群が移動して行く様子です。「ズブズブ}という音が、ノイズです。カミさんによると、iPhoneのアプリから「そろそろ休むように」とか、お節介なメッセージが来たときだったとのこと。そうした”通知”がノイズの原因であることがわかりました。
 この通知をなくすのは、iPhoneのアップルウォッチのアプリにある通知の項目に行き、それぞれのアプリの設定にあるを通知を適宜offにすることで解消されるはずです。
 アップルウォッチ使用の録音家の方、大事な録音のときにノイズが入らないようにあらかじめ設定を確認しておいた方がよろしいでしょう。

2022年12月 1日 (木)

バードウォッチングに補聴器ーその2

 ここでは、リオンの箱形、義父のワイディックス社のセパレーツ型、日本野鳥の会からモニターで預かっていた一体型の3機種を使用して補聴器全体の使用感を述べます。下掲の写真は、ワイディックス社のセパレーツ型です。
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 私の耳の現状をまず話しておきます。10年前の人間ドックでは4,000Hz以上になると聞こえづらいことがわかっていましたが、今回の検査では2,000Hzあたりから落ち始め、4,000Hzあたりから急速に落ちていることがわかりました。思ったほど進行していませんでしたが、悪いことは悪いです。
 生活上での問題は、人との会話では大丈夫だと思っています。また、テレビの音も普通に聞こえます。聞こえないものは、体温計の警告音などが聞こえません。バードウォッチングでは、8,000Hzあるヤブサメのさえずりが聞こえないのはもとより、シジュウカラ、ヤマガラの高い鳴き方は聞こえません。アオジの地鳴き、コゲラの地鳴きが聞こえなくなるとは意外でした。
 ヒヨドリの声が違って聞こえることに気が付いたのも最近です。ようするに、ヒヨドリの鳴き声は2,500Hzから10,000Hzを超える高音域まで広がっています。このうち、高い音が聞こえなくなっているはずで、ヒヨドリ特有の甲高さを感じない音になっています。この他、ニイニイゼミが聞こえなくなりました。
 ということでここ数ヶ月。補聴器を付けては、六義園を歩いてみました。
 この夏、いちばん効果を感じたのはニイニイゼミの声です。六義園の夏の森は静けさを感じるほどでしたが、補聴器をつけると「ワーッ」という感じになるほど、セミの声にあふれていました。
何度も付けたりはずしたりしても同じ。はずすと「シーン」といy感じです。もし、補聴器の営業マンが耳の悪い人を連れて、このシーンを体験させたら、ぜったいに売れるに違いないと思うほど効果がわかります。
 同様に、秋になってヒヨドリの群れが六義園の森に集まるようになってからの体験です。補聴器を装着しなくてもヒヨドリの声は聞こえることは聞こえます。しかし、補聴器を通すとその数がいっきに増えます。もし調査をやっていたら、かなり少なく個体数をカウントしてしまうところです。
 ただ、ウグイスの笹鳴きが聞きづらいです。カミさんには聞こえて教えてもらうのですが、ちょっと遠い20m以上離れると聞こえません。ウグイスの笹鳴きも高めの音で、音域の広い鳴き声ですので、補聴器が苦戦している感じです。
 あと、まだ低い音の検証をしていません。たとえば、オオコノハズクの木魚鳴きは、聞こえる人と聞こえない人がいました。私は、鳴いていると教えてもらって耳を澄ますと聞こえました。この他、高い鳴き声は聞こえるのに遠いフクロウの鳴き声が聞こえなかった人もいました。オオコノハズクは100Hz。フクロウは500Hz前後、これらの音が補聴器でどれだけフォローできるのか、気になるところです。
 この他、補聴器を使用していて感じたことを書いておきます。
 義父が使うのをやめた理由のひとつは、小さくて操作しづらいことがありました。とにかくボタン電池が小さいです。5mmほどの小さな電池の出し入れに年寄りは苦労します。また、それに加えて、電池の保ちがよくありません。六義園では、せいぜい1日2,3時間の使用ですが、10日ほどで電池がなくなります。さらに、環境にやさしくないボタン電池を廃棄するのも心が痛みます。
 つぎが、うるさいがあったようです。家の中、散歩、あるいはマーケットなどの施設の中など、音の状態や響き具合が、皆違います。ボリュームを調整できないと、うるさいときはうるさいです。
 鳥の声がよく聞こえますが、鳥に興味のない人にとってはヒヨドリの群れの鳴き合う声は、うるさいと感じることでしょう。さらに自分の足音、上着の衣擦れ、双眼鏡の金具、オバさんのしゃべり声は、うるさいです。
 ハウリンクも嫌ったようです。耳にかけるタイプは、ハウリンクは少ないのですが、一体型のタイプはマイクとスピーカーが近いので、ハウリンクを起こします。ボリュームを上げるとハウリンクをする、下げると効果がなくなってしまいます。一体型では、この調整を耳に入れたままで行うのですから面倒です。
 5年たって、補聴器の機能が良くなっていると店員が教えてくれました。まず、電池式から充電式が増えたとのことで、電池交換のめんどくささからは解放されそうです。また、スマホからアプリでボリュームを調整することができる機種もあるそうです。今のワイヤレスイヤフォンの性能を見ると、補聴器ももっと機能が充実して使いやすくなっても良いと思いますが、遅れていると感じます。
 さらに価格も問題です。60万円で驚きましたが、これは安い方で100万円もあります。高齢者が増え需要が多くなり、ロットが増えて安く高性能になって良いはずなのになっていません。まるで、とり残されたガラパゴスの固有種のようです。
 私としては、スマホのボイスレコーダーとリンクさせ、録音できる補聴器が欲しいですね。
 高齢者のベテランのバードウォッチャーに珍鳥がいたので呼んだけど聞こえなかった。そのような人が高い声で鳴くムシクイ類、低い声のフクロウ類の報告しているが大丈夫だろうか。と心配する話を聞いたことがあります。名前の通ったベテランだけに記録が一人歩きしてしまう可能性もあり、怖い話です。
 こう言う方が補聴器を付けたら愕然とすると思います。そのためにも、バードウォッチングでの補聴器の使用をはかるべきだと思っています。(おわり)

2022年11月30日 (水)

バードウォッチングに補聴器をーその1

 5年前、義弟が義父に補聴器を手配してあげたのは良いのですが、義父はとうとう使わずじまい。カミさんが使わないのならということで、私に廻ってきました。先日、購入したお店に行って、私のために調整しなおしてもらいました。
 なにしろ、この補聴器は60万円したそうです。スワロフスキーとツァイスの双眼鏡を1台ずつも買える値段です。ですから、お店の人もていねいで、まず私の耳の検査からはじめ調整含めて1時間はかかりました。
 ということで、バードウォッチングにおける補聴器の可能性について、考察してみたいと思います。
 蒲谷鶴彦さんから補聴器の効果を聞いたことがあります。2000年頃で、先生はリオン製のセパレーツ型の補聴器を使っていました。これは、小さなマッチ箱くらいのマイク部分からイヤフォンのコードが長めに伸びていて聞くものです。普通は、マイク部分を胸のポケット入れて使用します。先生は、帽子に付けて使っていました。
 今はこのタイプは見かけなくなりました。私も新宿のリオン社に行って購入しました。たしか、1万円くらいしたと思います。

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 リオンの補聴器を付けて日光の雑木林で、録音機を廻しながら聞いていました。当時の録音は、リッスンのパラポラとDAT録音機の組み合わせです。
 しばらくして。ヤマドリの母衣打ちが聞こえました。母衣打ちは、このときが初めての録音で「やった!」という感じでした。ところが、かなり大きなスピーカーが付いている大型テレビ(画王)につないで確認すると母衣打ちは聞こえません。家に帰ってからPCからモニター用のスピーカーに流しても聞こえません。最後にアンプを通して、大型のオンキヨースピーカーに流すとやっと聞こえました。
 間違いなく母衣打ちはあったことになり、大きなスピーカーで聞こえるような音が、小さな補聴器で聞こえたことに驚きました。
 補聴器は「音の双眼鏡」とキャッチも考え、バードウォッチングに有効な機材と言えると思いました。ただ、この話をアウトドア雑誌の編集者にしたところ、それならば取材してみようということになりました。さっそくリオン社に行ったところ、取材拒否。補聴器を耳の悪い人のためのものであり、それ以外の目的での使用は推奨できないというつれない返事だったとのことでした。要するに、補聴器は薬事法で定められた医療機器のため、消費税のかからない「非課税対象商品」になります。医療行為ではないバードウォッチングで推奨され、非課税対象商品をはずされるようなことになると困るということのようでした。
 しかし、耳の遠くなった高齢者のバードウォッチャーが、補聴器をバードウォッチングに使用することは、なんの問題もないはずで、多いに普及をはかりたいと思います。
 コロナ前ですが、日本野鳥の会愛知県支部などでは、補聴器を使用した探鳥会を実施したこともあります。また、バードリサーチからもモニターの参加のお誘いがあったり、バードウォッチングや調査者の高齢化にともない、補聴器に関心を持つ人も増えてきたのも最近の傾向です。
 まずは、ICレコーダーを補聴器替わりに使ってみることもお勧めします.YAMAHA W24やタスカムDR-05でも、イヤフォンでモニターしてみるとわかります。午前遅くの森は静かです。でも、こうしてモニターすると遠くでオオルリが鳴いているのが聞こえたり、近くでヤブサメが鳴いているのがわかります。補聴器とICレコーダーを比べてると、補聴器は低音の「ゴーッ」という音を調整して低減してあることが多いので、ICレコーダーのほうが低音のノイズが大きく聞こえるという違いがあります。(つづく)

2022年11月25日 (金)

キヤノンプラグをふさぐキャップ

 以前、タスカムのPortacaptureX8にアリが大量に入ってしまい困ったことを記事にしました。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2022/06/post-458584.html
 中を見たらアリの死骸もありました。アリは、蟻酸がありますので、複雑な基板を傷付けないか心配です。とりあえず、キヤノンプラグの端子の穴を養生テープで塞ぎ使っていました。この季節、アリは活動していませんが、埃やゴミが入ることは防ぐことはできると思います。しかし、あまり見栄えはよくありませんね。

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 ということをティアックの山本さんに相談したら、専用のキャップ(XLRのキャップ,、ノイトリック製)があるとのことでいただきました。
「キヤノンプラグ キャップ」などのキーワードで検索すると、通販でも手に入ります。2個で500円程度の価格で販売されていました。黒色、半透明の白色など、お好みで選べます。
 装着してみると、養生テープよりかっこうが良いですし、完全に塞げます。

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 考えて見れば、小さなアリならばマイク端子やイヤフォン端子からでも録音機のなかに入ってしまいそうです。野外での録音ならではの機材への心配り、これからも必要だと思います、
 山本さん、情報とモノをいただきありがとうございました。。

2022年11月 5日 (土)

双眼鏡の目の悪い人への使い方-反省

 私は、目は良い方でした。若い頃は1.5でした。年取ってからも1.2くらいはあったはずです。ですから、小学生の頃、頭の良い子は皆メガネをかけていたので、うらやましいと思ったほどです。
 ところが、1年ほど前から急速に近視が進みました。原因は、抗がん剤の副作用、加齢、それとも入院中iPadでプライムビデオの見過ぎ。とにかく、去年の夏に退院して家に帰ってきたら、いつもの場所に座ってテレビを見ると見づらいのです。
 さっそくメガネを作りましたが、思うような視野を得ることがでず、3個も作ってしまいました。
 問題は、野鳥を見るときの双眼鏡の操作です。

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 今まで、自分は目が良かったのでメガネをかけた人には、アイカップを縮めるように指導していただけでした。しかし、自分が悪くなってみると、それだけでは近視の人には不十分だと気が付きました。近視の人は、今まで双眼鏡でしっかりと野鳥を見えていなかったのではないかと指導の仕方がたりなかったことを反省しています。
 まず、メガネをかけて野鳥を探します。目が悪くなっても動きで見つけられなくなることがわかりました。なんとか、まだ見つけることができます。
 このとき、双眼鏡のアイカップは縮めています。しかし、いずれの双眼鏡もメガネがあるために目と接眼レンズの距離を思うようにとれません。双眼鏡によってメガネにぴったり付けたほうが見えるもの、少し離したほうが見えるものとあって、ちょっとイラつきます。アイリリースが長ければ、見やすいはずなのですが、それほどの効果を感じません。
 また、現状ではメガネをはずして双眼鏡だけで見た方がクリアに見えます。右目に乱視があるので右の視野がかすんで見えますが。メガネをかけて見るより、はっきりと見えます。こうした指導もするべきでした。
 ですから、長い間とまっている鳥や池のカモなどは、メガネなしで双眼鏡のアイカップを伸ばして観察したほうがよく見えます。
 ところが、双眼鏡によっては無限大の距離のピント、グリグリと思いっきり縮めないと遠くにピントが合いません。あるいは、あと少しでもう限界という機種もありました。ですから、これ以上目が悪くなったら無限大はピントが合わないことになります。
 やはり高性能の双眼鏡は、目が悪くなってもはっきり見えます。ただ、以前ほどのクリアさ見え味は失われてしまっていことは、如実にわかります。目が悪いと高性能の意味がないかもしれません。ただ、目が悪くなっても広い視野は必要で、視野のどこに鳥がいてもキャッチできるのは、口径が大きいほうが捜しやすいことは変わりありませんでした。しかし、年取ってくると双眼鏡の重さがかなり負担になってきます。このあたりの兼ね合いが、難しいところだと思います。
 目の悪い人には、そこそこの高性能な双眼鏡を進めれば良いのかなというのが、現状での感想です。
 機種によっての違いなど。いろいろ検証しましたが、午前と午後では視力が変化したり、晴天下と曇天では見え方が違ったりします。個人差も大きいと思いますので、機種を特定しての検証は諦めました。全体の傾向として、ご理解いただければと思います。
 

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