機材

2018年9月 5日 (水)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート5・録音の実際-3

 LS-P4は、Bluetoothで録音機とスマホを結び操作をすることができます。操作は、録音、停止、インデックスの挿入です。これまで、赤外線リモコン、WiFがありますが一長一短、距離が短ければ電池を食わず接続が安定、長ければ電池の消耗し接続も不安定と言ったところです。Bluetoothは、この一長一短の長さと短さの差が少ないことになります。
 LS-P4の距離は、カタログ値で10mとなっていますが、実際はあと1,2mをプラスしても良いでしょう。これだけ野外で離れることができれば、自分がたてる鼻息や衣擦れの音を避けることができます。
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 設定は、儀式の連続です。マニュアルに書かれているとおり一つ一つ手順を踏んで行いました。私の場合、ペアリングがうまくいかなかったのですが、機器同士を接触させてみると繋がりました。なお、現状では操作のためのアプリOLYMPUS Audio Controller BTは、アンドロイド系のみで、iPhone、iPadには対応していませんのでご注意ください。
 野鳥録音は、野外で録音したら終わりではありません。家に帰って、まずコンピュータにデータを落としバックアップを取るまでは仕事が終わったとは言えません。LS-P4は、年月日にそれまでの録音ファイルの通し番号が付いたものがファイル名として形成されます。たとえば、2018年6月22日に録音し、その録音機で26番目のファイルならば「180622_0026」となります。また、長時間録音で日をまたいで録音してファイルがいくつもできた場合、最初の年月日がファイル名となります。ですから、調査研究で厳密な日時の記録が必要な場合、コンピュータに落としたときに「ファイル名の変更」で年月日や録音時刻を残すようにしたほうが良いでしょう。重ねて、フィールドノートにファイル名とともに録音日時、地名、天候などの基本情報をメモしておいた方がよろしいかと思います。
 LS-P4は、多機能のためすべての機能をチェックすることはできませんでした。たとえば、売りの圧縮されるものの劣化のないFLACファイルでの録音、より高品位の96kHz/24bitの録音、無指向性のセンターマイクを加えての録音、ズームマイクモード、各シーンセレクトなどです。他の録音機と比較するため、wavファイルで48kHz/16bit、ステレオ録音を基準として聞き比べましたので、あらかじめご了承ください。
 最近、発売されているPCM録音機は、高いもので4万円台、安いもので1万円台となり、LS-P4は2万円弱ですから中級機になってしまいます。ここ2、3年で発売された2万円前後の機種のなかでは、機能が充実し使いやすくなっていると思います。
 フィールドでは、どうしても落としたり、ぶつけたり、あるいは濡らしたりと機材にとってはハードな使用をせざるをえません。機材を気にして、せっかくの録音チャンスを逃すのも悔しいことです。ある意味、LS-P4は普段着のように気軽に使うことができる価格帯にあり、野鳥録音をぞんぶんに楽しむことができる機種と言えるでしょう。
(おわり)

2018年9月 4日 (火)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート4・録音の実際-2

  肝心の音はクリアで、今まで使用した録音機に比べて遜色はありません。いちばんわかりやすいと思われるウグイスのさえずりを聞いてみてください。聞き慣れたウグイスですから、おかしな音になればわかると思います。編集加工せず、mp3変換のみです。



 マイクは指向性があり、ステレオモードで録音すれば、立体感のある音が録れます。波形で示したのはキビタキのさえずりで、下の波形(左チャンネル)のほうが大きく見えます。このときのキビタキは、LS-P4の10時方向にいて鳴いており、ステレオ効果が効いていることになります。

Narcissus_flycatcher

 YAMAHA W24を同時に置いて録音しましたので比較してみます。音量は、W24のフルボリュームで録音した場合とLS-P4のマニュアルモード、25で録音した音量が波形で比較すると同じ程度を得られました。LS-P4は最大の録音ボリュームが30ですから、まだ余裕があることになります。
 音の違いを聞き出すことは、私にはできませんでした。ただ、環境音では違いを感じました。低音の「ゴーッ」という音が異なり、LS-P4のほうが100Hzの低音を捕らえていて低い音が大きく聞こえます。声紋でみると低音の密度が高くなっているのでわかります。
 コーラスの始まる前の午前3時30分の環境音を比較してみます。編集加工はしていません。
 LS-P4での録音です。



 W24での録音です。



  ボリュームを上げてきて聞き比べると「ゴーッ」という感じが微妙に異なって聞こえると思います。これは、編集加工での調整、さらには再生装置によっては気にならないかもしれません。
 同じく、コーラスが賑やかな部分のまったく同じところを切り出してみました。編集加工はしていません。
 LS-P4の音源です。



 W24の音源です。



 これも再生装置によっては違いがわからないかもしれませんし、その差はあまり感じないと思います。
(つづく)

2018年9月 3日 (月)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート3・録音の実際-1

 今回使用にあたって、苦労したのが電池の持ちの確認でした。なにしろ10時間以上持ちますから、条件を変えての検証が1日1件しかできません。また、できる限り野外での長時間録音を試したかったのですが、借り物です。雨予報のなか、森に放置することはできませんので苦労しました。日本野鳥の会のFさんにはメーカーに問い合わせてもらうなど、お手数をかけてしまいました。
 そのため、音源ファイルの形式(wavかmp3か)、エネループかアルカリか、電池の鮮度、内蔵メモリかSDカードか、さらにSDカードが推奨品などの条件の違いで電池の消耗具合に違いがあり、すべて検証することはできませんでしたのであらかじめご了承ください。
 まず、USB給電ができるのでモバイルバッテリに突き刺して録音できたらかなり余裕で長時間録音ができると思いました。しかし、給電しながらの録音は不可で、あえなく失敗。電池に切り替えました。
 結果、48kHz/16bitのステータスで録音すると、約2Gのファイルが3個と約1Gのファイルが1個、合計7Gが形成されました。時間にして10時間51分程度となります。このため、野鳥録音のゴールデンタイムである午前3時から5時頃までをフォローするためには、余裕を含めて10時間前の前日の午後6時以降に仕掛ければ良いことになります。
 どうもSDカードに保存させると電池の消耗が早い、エネループは新鮮なものを使用する、SDカードは推奨品を使うことなどの注意が必要なことがわかりました。
 LS-P4を持って野鳥が鳴いているところへ行って、あるいは鳴きそうな所に置いて、スイッチをいれ録音ボタンを1回押し音が来ていることを確認、再度録音ボタンを押せば録音できます。人工音がない静かなところで鳴いている場所を見つけること、知識と経験から鳥の鳴きそうな場所をあらかじめ知ることが野鳥録音のコツと言えばコツとなります。
 これでは味けがありませんので、録音ボリュームのマニュアル調整について述べておきます。これも人によっていろいろ録り方があると思いますが、あくまで私の目安です。LS-P4では、「録音中」表示ときに録音ボリュームのdb表示がでます。-12~0dbまでです。0を超えて音が入ってくると、音が歪んでしまいますので録音ボリュームを下げます。リミッターをonしておくことで回避はできますが、リミッターがかかるとバックの音も小さくなってしまいます。編集加工で調整はできるものの面倒です。
 基本、目的の音のない状態、環境音だけで-30~-18dbの間くらいで振れ、目的の音が-12db程度あるとノイズのなかに埋もれないで目的の音を録ることができます。編集加工することで、よりクリアな音にすることができる、聞きやすい音にすることができる目安です。
 また、環境音は低音です。高い音で鳴き音が一定の音域にある声の場合は、環境音のなかに埋もれていても音域が違うので分離することができます。音の高さの状態にもよりますので、最初はイヤーフォンでモニターしながら調整して数字を確認すると良いでしょう。
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(つづく)

2018年9月 2日 (日)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート2・準備と設定

 フィールドに持って行く前の設定などの準備です。
 ジャマーは付いていませんので合うジャマーがあれば転用、あるいは別売の「ウインドシールド WJ2」を購入します。WJ2は、すっぽりかぶせることができて風防効果もあります。効果が大きいだけに毛足が長く、ひっかけやすくなっています。そのため、本体と止める工夫が必要です。いつもならばマジックテープなどを使いますが、今回は借り物なので輪ゴムで固定して使いました。

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  電池は小型の単4、1本です。これで10時間単位の録音ができるのですから、たいしたものです。
 電池を入れてパワーをonにすると、バッテリの種類(ニッケル水素かアルカリか)、つぎに時計設定、音声ガイドの有無の選定をします。エネループのため、ニッケル水素電池を選定、時間設定は電池を入れ替えるたびに行わなくてはならないのはめんどくさいです。音声ガイドは、目の不自由な人には必須です。また、夜や夜明け前の暗いなかでは健常者も同じこと、意外と便利な機能です。ただし、他の録音者がいると迷惑になりますので、一人の時にかぎります。
 私が使用した結果、以下のような設定が野鳥録音には適していると思いました。もちろん、目的や環境によって設定を変える必要がありますが、ひとつの指針として示しておきますので参考にしてください。
□ファイル設定
 適宜。基本、デフォルトのまま。フェードインやフェードアウト、ノーマライズなどは小さなディスプレイでやるより、コンピュータにいったん保存してからアプリを使ってやった方が間違いがなく安全のためです。
□録音設定
 録音レベル→マニュアル。録音状態にして一時停止の状態で▶▶あるいは◀◀を押すと録音レベルの表示が出て、0~30の段階で調整できる。音のない状態で-30前後、目的の音が-12まで録れるように調整。あるいは、25~27に固定しておきます。
 リミッター→ 適宜。onで良いでしょう。
 録音モード→ PCM→48.0kHz/16bit程度に設定、あるいは適宜。
 ズームマイク→ off
 ローカットフィルタ→ off
 マイク選択→ センターマイク off あるいは適宜。
 VCVA→ off
 音声同期録音→ off
 録音シーン→ off
□再生設定→ 適宜。
□表示/音設定
 バックライト→ 短いほど電池の消耗が少ないため5秒。
 コントラスト→ 適宜。
  LED→ off 録音状態の時に赤いランプが点くが電池の消耗を考えるとoff。
 操作音→ off
 言語選択→ 適宜、日本語あります。
 音声ガイド→ 適宜。
 イントロ再生→ 適宜。
 スピーカー出力→ on
□本体設定
 メモリ選択→ 適宜。
 スリーブ→ 適宜、あるいは5分。
 電池設定→ 適宜。
 時計設定→ 適宜。
 Bluetooth設定→ 適宜。マニュアル参照。ペアリングがうまくいかない場合は、機器同士を接触させてみると良い。
 USB設定→ 適宜。マニュアル参照。
 本体メモリは、8G。48.0kHz/16bitで12時間程度は録音できます。
 16GのmicroSDカードを挿入しておけば、48.0kHz/16bitで24時間程度の録音が可能。ただし、SDカードはOLYMPUSの推奨品を使用のこと。下記、URLで確認。
  http://cs.olympus-imaging.jp/jp/support/cs/VT/Product/lsp4m/media.html
 
注:LS-P4の売りであるズームマイク機能とセンターマイクもoffとしたのは、他の録音機との比較するためです。
(つづく)

2018年9月 1日 (土)

OLYMPUS LS-P4 試用リポート1・はじめに

 日本野鳥の会のFさんから「OLYMPUSのLS-P4を使ってみてほしい」との依頼がありました。季節的には夏至が過ぎ、さえずりのピークは終盤となっていました。ただ、幸いにして関東地方は早めの梅雨明けで天候にはなんとか恵まれ、日光での試し録りを行うことができました。
 現在発売されているICレコーダーのなかでPCM録音が可能な機種は、野鳥の鳴き声の幅広い音域をカバーし、一つの音が何千Hzという幅がある野鳥特有の音も歪むことなく捕らえることができます。また、価格に関わらず基本的な機能は成熟した感があり、新機種はいかに付加価値を付けるか各メーカーが頭を悩ませているところでしょう。
 今回、試用したOLYMPUSのLSシリーズについては、過去にもリポートしていますので、ご参考にしてください。
 LS-7
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2011/06/olympusls-7-572.html
  LS-100
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/11/-ls-100-d744.html
 LS-14
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-7.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-f.html
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2015/04/olympus-ls-14-b.html
  LSシリーズに共通して言えるのは、音が大きく録れる、ゲインが大きいという野鳥録音にとってはプラスの性能があります。多くの録音機が室内での楽曲演奏の録音を目的として設計されているため、大きな音が歪まないようにすることには考慮されています。しかし、スズメくらいの小さな鳥の喉にあるわずか数ミリの鳴管を振るわせて出す音を近くて10m、遠ければ100mも離れて録音する野鳥録音では、録音ボリュームを最大にしてもたりないのです。
 その点、LSシリーズでは、他の録音機の最大音量を70~80%の設定で得られます。これは、無音のスタジオではなく、あくまでも自然のなかでの検証です。そのため目安の数字となりますが、単純に20~30%の余地があることになります。遠い鳥、小さな声を録るときにこの余裕がうれしいのです。すべての録音機を使って比較しているわけではありませんが、手持ちの録音機で匹敵するゲインが得られるのはソニーのPCM-D1、PCM-D50、PCM-D100程度です。
 ただ野鳥録音に必須のタイマー録音は、LS-7では3パターンも設定できました。しかし、LS-12以降なくなりLS-P4でもありません。そのため、長時間録音で補うことにしました。
 さて、LS-P4を手にとっての印象は、しっかりした造りで小型で軽いです。筐体、マイク、マイク周りなどの作りが丈夫そうに見えます。

P41

 大きさの良いたとえがないのですが、胸のポケットに入ると言ったところでしょうか。重さは、電池を入れて75g。ジャマーを付けても100gになりません。機材の多い中、録音もしたいという時には邪魔にならない大きさと重さです。また、録音主体ならば、サブ機としてもう1台持って行くのも良いでしょう。
 実際、野外で使ってみて、長時間の手持ちでも苦にならない重さでした。また、感度が良いだけに、手持ちですと自分がたてる衣擦れから呼吸の音、なんとなく人のいる気配まで入ってしまいます。それを避けるために何かの上に置いて、そっと離れて録ります。LS-P4は、軽いので小枝や藪の上に置くことができました。
 比べる双眼鏡(ツァイスVictory SF 8x42)が大きくて申し訳ございません。並べるとこんな感じになります。
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(つづく)

2018年7月28日 (土)

無料ソフトで声紋-Sonic Visualiser 3.1

 AV Watch というサイトで、無料ソフトでオーディオ分析できるSonic Visualiser  3.1(以下Sonic Visualiser)が紹介されていました。さっそくダウンロードして、試してみました。このSonic Visualiserは、けっこう古くからあるソフトで、旧バージョンも取り上げているサイトもあり、今まで知らなかったのは迂闊でした。
 まず、Sonic Visualiserのダウンロード用のサイトは下記です。
 https://www.sonicvisualiser.org/download.html
 Sonic Visualiserは、WindowsはもとよりLinux、macOSにも対応していますので、自分のOSに合わせてダウンロードします。私は、Windowsの64bitを選びました。私のコンピュータには、ウィルスバスタークラウドが入っているのですが「ダウンロードの少ないソフトなので危ない」と意味の警告がでました。いずれにしても自己責任でお願いいたします。また、Sonic Visualiserは英語版のみで日本語に対応していません。また、日本語の使用マニュアルもありませんのであらかじめ申し添えておきます。
 インストールして起動させると、真っ白な画面となります。File→Openで、wavファイルなどの読み込みます。mp3はじめ、かなり多くの音関係のファイルに対応しているようです。最初は、波形表示されます。クロツグミのさえずりの波形です。

Sonic1180728

 声紋は、Layer→Add Spectrogramで表示できます。一度表示すると右に1~5までタグができて、Spectrogramの表示の設定変更ができます。色も一瞬で変更できますので、便利です。クロツグミのさえずりの声紋です。モノラル表示で、天地は0~10,000Hzです。パターンのみならず、響きぐあいの余韻もわかります。

Sonic2180728

 また、波形に戻すのはLayer→Add Waveformです。
 この他、上下の二つの画面で波形と声紋を表示させることができます。さらに1画面で波形と声紋を重なり合わせての表示も可能です。同じクロツグミのさえずりを波形と声紋を重ねてみました。

Sonic3180728

 こうして表示させると、どの音が大きな声なのわかり、より鳴き声の構造がわかります。
 マウスをグリグリとやることで、横軸の時間の拡大や縮小をします。縦軸の周波数の変更は、声紋表示されている右下にあるマークにカーソルを持って行きマウスの左クリックをしながら変更できます。あと、面白いと思ったのは、右下にある時計のマークです。デフォルトは12時に針がありますが、左に回すことで再生を遅く、右にすることで再生を早くすることができます。再生を遅くすることで、個体のさえずり方の違いをわかりやすく聞くことができました。
 トラブルとしては、最初再生したところ、音がまったく違って聞こえました。デバイスの設定が怪しいので、File→ Preferencesへ行き、タグでAudio I/O、このなかにあるAudio deviceを見たところディフォルトはautoになっていました。そのため、私のコンピュータに内蔵されている音源ボードを探しだし設定。結果、ちゃんと音がでるようになりました。
 この他、基本となる録音、再生ができます。さらに、カット、コピー、ペーストなど基本的な編集ができます。しかし、イコライザーで特定の音域の軽減や強調、ノイズリダクションなどの機能はありません。波形や声紋表示させて、音を分析したり音を視覚化することで、楽しむソフトということになります。いずれにしても、無料でここまで声紋がきれいに表示できるのはありがたいことです。
 何度も書いていますが、蒲谷鶴彦先生が購入した声紋分析機は数100万円、分析できる音源はわずか8秒でした。そんな時代を知っている者にとっては、良い時代に生きていると感謝せざるをえません。 

2018年7月16日 (月)

カナブンの食事風景-六義園

 この季節になると、クヌギの樹液を求めてカナブンがたくさん集まります。六義園広しといえども、順路上にはこのような昆虫が集まる食堂は、わずか2本しかありません。そのため、多いと100匹を超えるカナブンがあつまります。
 かさねて、OLYMPUSの最新機種LS-P4の試用をたのまれました。LS-P4は、小型軽量、そして高性能が売りのPCM録音機です。小型軽量ということは、持ち運びが楽という以外、どこにでも置いて録音できるというメリットがあります。ノイズ発生源の自分の身体から離して置くことができるのは、野鳥録音では大事な機能だと思います。
  たとえば、軽さゆえこんなことができました。樹液に集まるカナブンの羽音を録ろうと、ちょっとしたでっぱりに置いてみました。

Beetle190707

 このときの音です。編集加工していません。アップするためにmp3に変換、フェードイン、フェードアウトをかけただけです。



 LS-P4のリポートは、改めて連載する予定です。お楽しみに。

2018年6月13日 (水)

パナXS-455にタスカムTM-2Xを装着-その2

  実際に録音をしてみました。日光霧降高原で、DR-44WLと並べて置きました。XS-445のタイマー設定は、午前3時30分~6時30分の3時間です。TM-2Xは、コンデンサーマイクなのでXS-445から電気が供給されていますので、録音機側のバッテリの消耗が心配でした。しかし、録音機のバッテリのマークは一コマも減ることはなく、3時間は余裕で録音できました。
 サンプル音源をアップしておきます。いずれも切り出しただけで、ノイズの軽減やリダクションはかけていません。アップするためにmp3に変換しているだけです。
 キビタキなどの小鳥たちのさえずりが始まったばかりの時間、フクロウの低い声が入っていました。



 続いて、エゾムシクイの高い声です。



 いちばんにぎやかそうなコーラスの部分です。センダイムシクイ、ミソサザイ、アカハラ、ウグイス、コマドリ、ビンズイ、エゾムシクイなどが鳴いています。

 いずれも問題なく、いちだんと艶のある音に録れている印象があります。DR-44WLの記事でも同じ場所で録音した音源をアップしていますが、その違いはわからないでしょう。大きなスピーカーやヘッドフォーンで聞き比べると違いがわかるレベルだと思います。
 重要なのは、XS-445単体に比べて、音が大きく録れます。ただ、これはXS-445なしとの比較ができないことと、波形で比べてるとノイズが大きい場合があって、比較するのがとても難しいです。とりあえずの策として、YAMAHA W24と比べて見ました。同じ所に並べて置き、同じ部分を波形で表示させて音の大きさを比較してみました。
 波形のほとんどがシジュウカラのさえずり、バックでクロツグミが鳴いている状況です。

 YAMAHA W24単体です。

Pana180603

 XS-455+TM-2Xです。

Yamaha180602

 見やすくするためにモノラルに変換しています。W24より大きな音で録れていることがわかると思います。TM-2X付きのいちばん音の大きいところでは-15dbを超えています。YAMAHA W24では-21ですから、かなり音が大きく録れていることになります。dbは対数ですから、数値以上に違いがあるでよろしいかと思います。
 XS-455などタイマー録音ができるICレコーダーで、より良い音を録りたいと考えた場合、TM-2Xはおすすめです。また、本来の一眼レフに装着して動画撮影をする機会があるのならば、より有効な機種であると思いました。
  2018年6月12日現在の価格コムの最安値は、Amazonの10,082円です。ご参考までに。

2018年6月12日 (火)

パナXS-455にタスカムTM-2Xを装着-その1

 現在、パナソニックから日本野鳥の会にご寄付いただいた100台のXS-455が”全国鳥類繁殖分布調査”に活躍していることと思います。軽量安価で簡単操作とそこそこの性能を持つXS-455は、手軽に野鳥録音ができる機種だと思います。ただ、マイクの性能など、もう少し威力が欲しいところです。そこで、デジタル一眼レフのカメラに付けるためのマイクであるTASCAMのTM-2Xを付けたらどうなるのかと、ずっと思っていました。今回、ティアック株式会社よりDR-44WLをお借りすると同時にTM-2Xもお借りすることができましたので、同時に試してみました。

Tm2x180510

 現在、XS-455はすでに販売終了、最終的には6,000円台になったと思います。一方、TM-2Xが10,000円ですから、頭でっかちのセッティングとなります。しかし、TM-2Xの価格から考えるとタスカムの2,3万円台の録音機に付いているマイクを装着するに等しいことになり、性能をアップができるのではないかとの期待です。
 XS-455側の設定は、繁殖調査用に広報されていますので下記のサイトを参考にしてください。
  http://bird-atlas.jp/data/ic-matsuda.pdf
  XS-455側ではマイク端子にプラグを差し込み、メニューから共通設定→外部入力設定で「マイク入力」に設定します。
 TM-2Xは、マイクの右側のLowcutはFlatに、左側のSensはH(High)に設定しておきました。問題は、装着の仕方です。基本一眼レフ用ですから、カメラシューに取り付けるアームが付いています。しかし、これは長くて邪魔。もう少しコンパクトならないかといろいろ考えたすえ、OLYMPUSのLS-14に付いていたスタンドクリップがちょうど良い感じだったので使ってみました。マイクのネジにも合って、録音機を入れるケースに挟めばが良いわけです。また、このクリップを木の枝に挟んだり、いろいろ工夫次第で使い道は広がりそうです。
  なお、標準装備されている布製ジャマーは、ぴったりで良い感じでした。
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2018年6月 2日 (土)

タスカムDR-44WLを試す-その4・録音

P1050100

 多くの録音機同様、録音ボリュームはフルです。室内で楽曲を録音するのならば大きすぎると思いますが、野鳥録音ではギリギリセーフ。できたら、もっとゲインが欲しいところです。DR-44WLの場合、フルボリュームは100という数字になります。なかには40とか30という中途半端な数字の録音機があるなかで、これはわかりやすいです。
  六義園で、キビタキが鳴いていましたのでさっそく録音してみました。シジュウカラも良く鳴いています。鳥との距離は20m以上、都市公園ですから周囲のノイズも大きいなかでの録音です。手持ちでの録音ですが、軽いので苦になりませんでした。



 別の日、六義園でホトトギスが鳴いていましたのでこれも録音。鳥との距離は、150mくらい離れています。



 キビタキとホトトギスの音源は、それでもボリュームがたりないのでソフトで増幅、アップしています。さらに、ノイズリダクションをかけています。コンディションが悪いなかの録音でも、加工編集すれば聞くことができる音源にできたということでの紹介です。
  次に、長時間録音をしてみました。六義園の試し録りで、メジロがよくさえずっていました。おそらく距離は10m、小さなメジロは声が小さい上に音が高いので失敗することもあるさえずりです。また、早朝とは言え車の音など「ゴーッ」という音が大きいので、3,000Hz以下のノイズを段階的にカットしています。ノイズリダクションはかけていません。



 日光霧降高原にて長時間録音を行いました。DR-44WLにモバイルバッテリをつなぎジプロップに入れ、マイクのすぐ下の部分を輪ゴムでしめて野外に一晩置いてみました。
 近くでエゾムシクイが鳴いてくれました。おそらく、鳥との距離は10m程度でしょう。手持ちでは、鳥が警戒してこれだけの近さで録音することはまずありません。無人、放置、長時間の録音ならではの近さです。アップするためにmp3に変換する以外、無加工無編集です。そのまま切り出しただけです。



 ヒガラも近くで鳴いてくれました。同じくアップするためにmp3に変換する以外、無加工無編集です。そのまま切り取ったものです。



 どちらも楽器にはない高さと音域に幅をもった音で鳴く鳥です。いずれも、澄んだ声がきれいに録れていると思いました。また、バックのウグイスやコマドリといった鳥たちの声が奥行き感を醸し出しています。「ゴーッ」というホワイトノイズは、同時に置いたYAMAHA W24に比べて少なめで、クリアな音になっていると感じました。
 つぎは、全体に野鳥が遠いコーラスです。それぞれの鳥たちと録音機は、少なくとも数10mは離れていると思います。ボリュームをアップしたため、グランドノイズが大きくなりましたので、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイスリダクションを軽くかけています。



 立体感のある音になっていると思います。これは、マイクの指向性や特性によるのかもしれませんが、じゅうぶん雰囲気は伝わると思います。
 なお、DR-44WLは2018年5月17日現在の価格コムの最安値26,416円です。私の感覚では、ギリギリ野外に置いておける価格です。これだけの機能を持った録音機が、この値段というのは驚きですが、良い時代になったものです。
 ティアック株式会社のI泉さん、リズム時計工業株式会社のI内さんには仲介の労をとっていただき、ありがとうございました。おかげで、野鳥の良い季節を逃すことなく楽しむことができました。
  終わり。
 
 メーカーの製品サイトのURL.
 https://tascam.jp/jp/product/dr-44wl/top

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