観察記録

2017年6月25日 (日)

アオバトが鳴いた-六義園

 一昨日(6月23日)、午前6時半に目が覚めて、まだぼっとしている6時40分。六義園からアオバトのさえずりが聞こえてきました。慌てて録音機を取り出し、録音開始。最後の「ホー」がかすかに録れました。アオバトのさえずりは20秒程度の長さしかありませんので、起きぬけにしてはかなりすばやい行動だと思いますが、録音し損ねました。
 この日は、出かける用がありましたが、この後も鳴くかもしれないと録音機を置いたままにしておきました。午前9時から2時まで、およそ6時間となります。ざっとチェックをしましたが、残念ながらはっきりアオバトとわかる鳴き声は録音されていませんでした。ただ、これはいかがでしょうか。YAMAHAW24で録音。ボリュームのアップ、800Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



  アオバトの最後のところのように聞こえます。音の高さと声紋パターンは、よく似ています。これと同じ音は、これ以外にもう1回録音されていました。ちゃんとさえずらないで、地鳴きぽく「ポー」と鳴くことがあるのでしょうか。そういえば、アオバトの地鳴きって聞いたことがありません。いずれにしても、鳴き声の課題のひとつとして参考のためにアップしておきます。
 ところで、過去にも六義園でアオバトは記録されています。ただし、秋や春の渡りの時期や越冬期の冬、繁殖期に記録されたのは初。まして、さえずりを聞いたのは初めてのことになります。
 アオバトは、夏休みに御岳山で見たことがあります。栃木県日光あたりでは、標高600~1,000m前後の山地で初夏に鳴き声を聞くことがあります。関東地方では、山地の鳥と言えますが、海に海水を飲みに来る以外、夏の平地の記録は珍しいのではないでしょうか。

2017年6月19日 (月)

夏のモズの鳴き声-日光

 先週の日光では、近場を歩きました。この季節は、つい戦場ヶ原やキスゲ平と上に行き、駅から近い山を歩くことは少なく、久しぶりです。意外と面白かったのは、幼鳥だらけ。スズメ、ムクドリをはじめ、ヒヨドリ、キセキレイ、モズなどの巣立ったばかりの幼鳥があちこちで見られました。キセキレイは、ペンションの軒下に巣があるなど、忙しそうでした。
 あと、モズが多いのに驚きました。駅近くの住宅地の空き地にもいて、ちょっとした草原があれば、かならずモズがいるという感じです。モズといえば、秋の高鳴きが野鳥録音の醍醐味です。しかし、繁殖期は鳴くことは鳴きますがあまり鳴きません。微妙な表現になるのをお許しください。たぶん、鳴かないと書いたら「聞いた」「録音できた」という方もいるでしょう。しかし、繁殖期のモズとの出会いは多いものの録音は、すべておぼえているくらいしか録れないのです。その程度の頻度しか鳴き声を聞けないという感じです。
 今回の出会いでも、あまり鳴きませんでした。鳴いていると思ったら、ハシブトガラスが近くいて警戒の声のようでした。住宅地に幼鳥連れがいたので近くに録音機を置いて、40mくらい離れたところから15分観察していました。いずれも、影響のない距離と時間と判断しました。幼鳥は、3羽いて親鳥は雄のみが見えました。幼鳥は、住宅地の植え込みや低い電線にとまって親鳥を待ちます。親鳥は、隣接した畑で獲物を見つけては、運んできて与えていました。この間、ほとんど鳴き声は聞こえません。モズは鳴かないし、近くの配送センターのトラックのエンジン音や人声もうるさいので、これは録音を失敗と思って録音機を回収しました。
 ところが、帰ってからチェックしてみると、ずうっとモズの声が入っていました。YAMAHA W24で録音。ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 幼鳥と録音機との距離は、10m以内です。15分間、ほとんどこの「ギチギチ」と鳴く声が入っていました。幼鳥は、鳴き続けていたのです。そして、ときどき「キイキイ」があり、親鳥も鳴いていました。
 モズは、秋の高鳴きから大きくて鋭い鳴き声のイメージがありますが、繁殖期は意外と小さな声で鳴いていることになります。どうも、あまり鳴かないというより、小さな声で聞こえにくいと言った方が良いのかもしれません。

2017年6月17日 (土)

ツバメの土運び-日光

 野鳥録音で、録音の難しい鳥NO.1は、ツバメです。身近な鳥の代表でもあるのですが、それだけに騒音の多いところにいるためクリアな音で録るのが難しいのです。それでも、さえずりはなんとか録れますが、地鳴きとなると飛びながら鳴くことが多いために、より録音は難しいことになります。
 週末、日光に行ったら空き地の水たまりにツバメたちが集まっていました。どうやら、巣材の土を取るためにやってきたようです。この水たまりの近くの草むらに録音機を置いて、散歩の続きをしてきました。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームを少しアップ、2,500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 難易度の高いツバメの地鳴きが録れました。録音は、全部で1時間40分。ときどき、ツバメたちはやってきては鳴き合っています。飛び立つ時の羽音も聞こえます。近くで鳴くウグイス、巣立ったばかりのハシブトガラスの幼鳥の声など、良い感じに入っています。
 難しいツバメの声も、ちょっとした工夫でゲットすることができました。

2017年6月 9日 (金)

ハシブトガラスの幼鳥、給餌の鳴き声-六義園

ハシブトガラスの 梅雨に入ったら梅雨の晴れ間が、続いています。まだ、咲き残ったサツキが美しい六義園を歩いてみました。今日は、シジュウカラ、エナガの幼鳥の群れに2つ遭遇しましたメジロやコゲラも入れると、10数羽の群れで森のなかを移動していきました。
 森の中からハシブトガラスの幼鳥の鳴き声も聞こえて来ました。まだ声は小さく、巣立ったばかりのようです。実は、六義園では駆除業者により巣落としが行われています。しかし、業者には見つけられなかった巣があって巣立つことができました。
 最初は、親鳥と鳴き合っています。そして、食べ物をもらうときの声で鳴きました。この声は、親鳥が求愛給餌のときに出す声と同じように聞こえます。
 PCM-D100で録音、ボリュームを少しアップ、1,500Hz以下の低音を軽減、ノイズリダクションをかけています。



 ひさびさの六義園産ハシブトガラス幼鳥の鳴き声でもあります。

2017年6月 7日 (水)

ムササビの鳴き声

 10年くらい前までは、不明の鳴き声の問い合わせNo.1はガビチョウでした。大きな声で目立つし録音しやすく、CDやネットにも情報が少なかったためでしょう。このところ、おたずねで多いのが、鳥の声ではなくムササビです。ひとつに、繁殖調査でパナソニックのXS-455が全国で100台以上稼働していることがありますが、それだけ夜の録音をしている方が増えたことは喜ばしいことです。
 日が沈み暗い森のなかで活動するムササビは、相手の姿が見えないので鳥とおなじように鳴き声でコミュニケーションをとっています。そのため、聞く機会も多いのですが、いかんせん暗くなってからのため姿が見えず、謎の声となってしまいます。そのため、ここではムササビの鳴き声のパターンのいくつかを紹介しておきますので、ご参考にしてください。
  いちばん、よく聞く声は「グルル・・・」という声です。日が沈み、最初に活動を開始するときによく鳴きます。存在の確認の声だと思います。



 警戒と思われる「キュルキュル」と聞こえる声です。強弱、連続の頻度など、違いがありますが、警戒の度合いによるものでしょう。



 これは、なにか機械音のように聞こえましたが、ムササビです。最初の「グルル」が、変化したものでしょう。存在の確認で良いかと思います。



 このほか、こんな声も出します。長いので後ろのほうはカットしていますが、警戒の「キョキョ」が入っているので、ムササビとしました。ケンカそれとも求愛、想像はいくらでもできます。



 夜の静寂のなか、ムササビの鳴き声は遠くで鳴いても良く聞こえます。録音も比較的しやすい鳴き声です。生息の確認、生態の解明、いくらでも課題のある魅力的な生きものだと思います。

参考文献
安藤元一、倉持有希 2008 ムササビの音声コミュニケーション 東京農大農学集報 53(2),176-183  [下記URLで読めます]
https://nodai.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=332&file_id=19&file_no=1

2017年6月 4日 (日)

エナガとシジュウカラの幼鳥の声-六義園

 夏鳥の通過が一段落して六義園は、繁殖している鳥たちの幼鳥たちであふれています。ここ数年は、エナガが子育てに加わりました。
 シジュウカラとエナガの幼鳥の鳴き声は、今まで意識したことがありませんが、良い機会なので比べてみました。幼鳥たちは、親鳥を追いかけながら「チチチ」あるいは「ツツツ」という短く連続したよく似た声で鳴き合っています。たぶん、カタカナで書いたら同じになってしまう声です。いずれも高い声なので私には聞き取りにくい音です。群れの動きを見て先回りして待っていると、近くに来てくれて録音できました。
 録音しているときは、エナガのほうが細い声に聞こえ、多少の違いがあるかなと思いました。編集して声紋を見ると、大きな違いは倍音でした。シジュウカラは、6,500~8.500Hzにメインの音があり、下は4,000から上は1,8000Hzまで倍音が広がっています。それに対して、エナガは7,500~8.500Hzと少し音は高いのですが、倍音がほとんどありません。エナガの声が細く聞こえたのは、ほぼ同じ高さでも倍音がないために澄んだ声に聞こえるためでした。
 まず、シジュウカラの幼鳥です。PCM-D100で録音、4,000Hz以下のノイズをカット、ボリュームはそのまま、ノイズリダクションをかけています。



  エナガの幼鳥です。PCM-D100で録音、7,000Hz以下のノイズを軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 「チッ」と「ジュリリ」と言う声は、親鳥の鳴き声です。
 もちろん、幼鳥の成長具合で鳴き声も変化していくことと思います。森の中から聞こえる幼鳥のささやくような声から、シジュウカラとエナガの幼鳥の鳴き声を区別する目安があることがわかりました。

2017年5月23日 (火)

再び「良いですよ」と鳴くクロツグミ-日光

 いつも行く日光の雑木林で、節の中の「良いですよ」と聞こえる節のあるクロツグミに気がついたのは2006年のことです。その後、5年間同じ場所で同じ節を入れてさえずっていました。ということから、同じクロツグミが同じ場所に渡ってきた鳴いている可能性があると思っていました。その後、「良いで」くらいで途切れるようになり、代替わりをしたのかもしれないと思っていました。
 先日、いつもの雑木林で日没を迎えました。日が沈むと鳴くフクロウやヨタカに会えないかと思っての来訪です。この日の日没は午後6時30分頃、山間ですから6時前には太陽は山陰に入り、森は静まりかえっていました。しかし、日没時間になるとアカハラがさえずり始め、ヤマガラが目の前を行き来、そして頭の上にクロツグミがやってきてさえずり始めました。
 PCM-D100で録音、ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 頭の上なので、まるでさえずりのシャワーです。クロツグミは、ひとしきりさえずると森のなかに消えていきました。そのあとは、森は静まりかえり一段と夕闇が濃くなった感じでした。
 ところで、このクロツグミのさえずりをよく聞くと何度も「良いですよ」が入っていました。以前と同じ節です。11年も前ですから、クロツグミの寿命としては代替わりは間違いないでしょう。それと、今回のクロツグミのほうが節がこまやかで音色がまろやかな感じがします。また、アップしていない部分には、キビタキの物まねでしょうか「ちょっとこい」もあって節も多様です。
 さえずりの節がどのように伝承されていくのか、面白い課題だと思います。

 ご参考までに過去の記事のURLです。
「良いですよ君の帰還」
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2010/04/post-acad.html
「さえずりは伝承される-日光のクロツグミ」
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2013/04/post-556c.html

2017年5月21日 (日)

ホンセイインコの繁殖期の鳴き声-六義園

 現在、六義園では3ヶ所でホンセイインコが鳴いています。面白いことに、3ヶ所の位置が六義園を三等分するかのように離れているので、ひょっとしたら3番が繁殖しているかもしれません。前にも繁殖期に鳴き声を聞いたり見たりしたことがありますが、短期間でした。今回のように数週間にわたって聞かれるのは珍しく、繁殖の可能性は高いと思っています。
 以前、ホンセイインコの鳴き声はねぐらで待ち構えて録音したり、越冬期の鳴き声でした。いずれも、鋭い「キュル」や「ギュル」という声で、どちらかというと癒やされない声です。ところが、今日は可愛い声で鳴いていましたので、録音をしてみました。
 PCM-D100で録音、ボリュームのアップ、1,500Hz以下のノイズのカット、ノイズリダクションをかけています。



 なにか、甘えるような鳴き声を交えて鳴いています。鋭い大きな声と違って、声量も少なく近くでないと録音しづらい鳴き方でした。
 葉陰にいるので雌雄の識別はできません。雌雄によって違うのか、季節によっても異なるのか、ホンセイインコと言えどもバリエーションがあることがわかりました。

2017年5月20日 (土)

「焼酎一杯グィーッ」と鳴かないセンダイムシクイ-日光

  日光では、夏鳥が到来して定位置につき始めました。そのため、さかんにさえずっています。この季節は、少し寝坊してもさえずりが聞かれるのが良いですね。
 お気に入りの森で聞こえた声から、一瞬名前が浮かびませんでした。しばらく聞いて「ビー」が聞こえたので、センダイムシクイと判明しました。姿も確認できたので間違いありません。
 PCM-D100で録音。ボリュームはそのまま。3,000Hz以下の低音を軽減、ノイズリダクションをかけています。



 10m以内で録音できたので、とてもクリアな音になりました。センダイムシクイは、枝先をどんどん移動しながら鳴いて行きます。ですから、飛び立たせないようにそっと後を追うのですが、そのため「ガサガサ」というノイズが盛大に入ります。それをカットすると、半分くらいしか残らないのが悩みです。その一部をアップしました。
 ところで、このセンダイムシクイ、最初に名前が浮かばなかったのは「焼酎一杯グィーッ」と、なかなか鳴かないからでした。「チヨチヨ」のあとはいろいろ変化があって、とても複雑な節回しです。そして、数回に1回「ビー」を付けた節で鳴きます。面白いのは、隣のなわばりの雄は「焼酎一杯グィーッ」と鳴いていました。ですから、この地域特有の鳴き方でもないでしょう。どちらが、雌にとって効果のある鳴き方なのか興味のあるところです。
 じつは、センダイムシクイの3~4割は「焼酎一杯グィーッ」と鳴きません。ただし、これは関東地方の話で、北海道に行くと「焼酎一杯グィーッ」と鳴くものはさらに少なくなります。ですから、センダイムシクイは「焼酎一杯グィーッ」と鳴くと思い込んでいると、名前がすぐにでてこないことになります。自戒を含めての記事でした。
 

2017年5月17日 (水)

イノシシが増えた-日光

 日光でイノシシの痕跡に出会うようになりました。
 写真は、行きつけの雑木林で登山道がイノシシにより掘り返されたと思われる跡です。

Inosisi170510

 わかりにくい写真で、もうしわけございません。人が道の上を掘り返すことはありえないし、シカもやらないと思います。この1週間前は、1ヶ所数10cmの木の根が掘り返されていただけでした。ところが、今回は数m四方にわたり、掘り返されていました。味をしめたという感じです。
 私が日光に通い始めた1990年代は、イノシシの噂すらありませんでした。ハンターと話してもイノシシはいないといわれました。ところが2000年代に入って、今市の山の中でイノシシらしい痕跡を見つけたのが最初でした。環境としては、里山の風景が広がる雑木林で、腐葉土が広範囲に渡って掘り返されていました。
 そして2006年6月、戦場ヶ原のとなりの小田代原で大きなイノシシが昼間、撮影されて新聞記事になりました。戦前に発行された『日光の植物と動物』(1936・日光東照宮編)には、イノシシはかつて中禅寺湖畔の丸山付近に多く生息していたものの、明治中期にブタコレラや狩猟のために絶滅し「いろは坂の上にはいない」と書かれています。それだけに、びっくりでした。
 それから10年経って、日光ではイノシシの分布が広がり数も増えた可能性があります。夜行性で姿を見せないだけに、このような痕跡から判断するしかないのが、もどかしいところです。今後、日光の自然がどのような影響を受けるのか、心配です。

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