観察記録

2025年2月 3日 (月)

日だまりの印旛沼で

 皆さま再度2025年のご挨拶です。

お正月に引いた風邪が治ったと思いきや、体調を崩して今年の初鳥見はなんと1ヶ月近く遅れてしまいました。

 出かけたのは昨年から気になっていた印旛沼です。もちろんお目当てはヤブヨシキリ、では無く、今や20万羽に増えたというトモエガモです。風の無い春のように暖かい日でトモエガモの大群と田んぼで遊んでいるタゲリを見ながらゆっくり日向ぼっこの一日でした。

 遠くの水面で黒い帯のようになっている時は全く静かですが、だんだん岸の方へ近寄ってくると結構良く鳴いているのが分かります。単独でいるトモエガモが鳴いているのを聴いたことが無かったので、滅多に鳴かないと思っていたのですが群になると存在確認のために鳴き合うのでしょうか?さすがこれだけの数になるとウルサく聞こえます。

 

 

 沼の岸辺は灌木の茂みなので小鳥が良く鳴いています。ウグイスを皮切りにエナガ、アオジ、シジュウカラ、コゲラ・・・。コゲラは一生懸命何かをつついています。

印旛沼で長年鳥の観察を続け、トモエガモの数も数えている♂島さんと♀藤さんのお話しでは、トモエガモ達はいつも同じ所にいるわけでは無く、その日の風向きや人の出入りによってによって場所は変わるそうで、昼間は沼で休んでいて日が暮れると一斉に飛び立って餌を取りに出かけるそうです。これだけの数の鳥達の食欲を満たす場所が周辺にあるからこそ印旛沼にたくさん集まって来るのでしょうね。

 

 

 

  

2025年1月11日 (土)

新年おめでとうございます

皆さま遅ればせながら明けましておめでとうございます。

 

投稿がなかったので、松田さんの奥さんブログ辞めちゃったのかな、と思われたかも。

誰も何も気づいて無いかも・・・。

昨年末から風邪をこじらせ2週間も「寝正月」でした。今日やっと熱が平熱まで下がりました。

本年もよろしくお願いいたします。

2024年12月28日 (土)

戦場ヶ原に冬が来ました

戦場ヶ原にも雪が降り冬の使者がやって来ました。

 

 

まだ残っているズミの実にレンジャクが集まっています。ヒレンジャクが多いようですがキレンジャクも混ざっています。ツグミも来て実を取り合っています。レンジャクの声を録っていていつも思うのですが声がどこから聞こえるのか良くわからなないのです。特にキレンジャクの声は雪のかけらのように空の上の方から落ちてくるような感じで辺り一面が鈴のような不思議な声で満たされてしまいます。

レンジャクは春先に見られることが多いですが、ズミの実が残っていると冬でも群がやって来ます。ただ多くの場合長く滞在することは無く出会えたらラッキーです。ズミが豊作の年はツグミも長く残っています。

これから真冬になると雪に埋もれた戦場ヶ原に残るのは木の皮の下の虫を食べるアカゲラやキバシリだけになり、アカゲラのドラミングが聴かれる早春まで森は静けさに包まれます。

 

皆さん楽しいお正月をお迎えください。また来年お会いしましょう。

2024年12月10日 (火)

伊豆沼のガン

 久しぶりの伊豆沼です。以前は非常に警戒心が強かったガンが直ぐ近くまで人を寄せるようになったのに驚きました。陽が西に傾くと周辺の田んぼに散らばっていたガン達が三々五々戻って来ます。

「竿になり鍵になり」ガンの群が空を埋める光景は圧巻です。長い一直線になったり、V字型の編隊になったりして鳴きながら頭上を飛んでいくマガンです。

 沼にいるハクチョウの声もバックに聞こえています。最後に鳴きながら飛んでいく声はオオハクチョウです。

 

 

 塒入りを見たのだから朝の飛び立ちも見ようと、まだ真っ暗な日の出前に沼へやってきました。暗がりの中すでに雁たちがざわめいているのが遠くからも聞こえます。ざわめきが次第に大きくなると一度にに飛び立ちました。塒入りの時はバラバラですが、朝は一斉に飛び立ちます。

 

 録音ボリュームはかなり抑えてありますが、それでも大きな音になりますのでスピーカーから耳を離して聴いていてください。

 

 

 伊豆沼のガンの数は2024年12月現在約12万羽だそうです。塒は分散しているので12万羽が一度に飛び立つわけではありませんが・・・。一ヶ所にこんなにたくさん集まってしまってよいものかやや心配です。

2024年11月26日 (火)

冬のルリビタキ

 日光にもやっと冬の気配が訪れました。10日ほど前戦場ヶ原へ行ってみるとあちらでもこちらでもツグミが飛び回っていました。群れと言っても密群では無く、1羽1羽バラバラに、でも皆同じ方向へ飛んでいきます。灌木の茂みに降りて木の実を食べたり、中には羽づくろいしているものもいます。全部数えると100はくだらないでしょう。

私は多分これを待っていたのです。ツグミは冬の使者。

 

 森に目を向けるとルリビタキが囀っています。今頃の季節によくルリビタキが囀るのは主人とも確認していました。一つの音節は短くて夏の囀りとは少し違います。繁殖期ではないのであまり元気よく鳴かないのか、それとも日本で繁殖しているルリビタキとは違う、大陸から冬を越しに来ている個体なのか、そもそも今ごろ囀る理由は何なのか結局結論は出ませんでした。

 

私は日光以外では秋のルリビタキの囀りを聴いたことが無いのですが、ほかの場所でも囀っているが自分が知らないだけか、あるいは一大繁殖地の白根山があるので、日光周辺に秋の一時期ルリビタキが多く見られるのかも知れません。

今日はまだ六義園にはルリもツグミも来ていません。でも12月になれば戦場ヶ原にも雪が降り、鳥達も下界へ降りてくることでしょう。

2024年11月10日 (日)

秋の深まり

 

 

奥山に

紅葉踏み分け鳴く鹿の

声聴くときぞ

秋は哀しき・・・??

 

日光の夜に鳴く鹿の声です。街中の住宅地からもよく聞こえます。さすが雄鹿の雄叫びです。近くで聞くと恐ろしげな咆哮です。遠くで鳴いているのを聴く方が「秋らしく哀しげ」に聞こえます。この歌の作者の猿丸太夫という方も京の街から遠くの山で鳴く鹿の声を聞いて歌を読んだのでしょうね。

先日車で走っていたら目の前に枝が3本ある立派な角の牡鹿が飛び出してきました。バンビや雌鹿が飛び出すことは時々あるのですが、雄鹿は初めてでした。やはり鹿はかなり増えているのです。

2024年10月28日 (月)

浜千鳥

浜千鳥という歌をご存知ですか?

 

青い月夜の浜辺には

親を探して鳴く鳥が

銀の翼の浜千鳥・・・

 

いつの頃からかこの「浜千鳥」はどのチドリのことを言っているのだろうかと考えるようになりました。

考えても野暮なことかも知れません。作者の想像の鳥なのでしょうから。

でも、この歌の作詞者の鹿島鳴秋(かしまめいしゅう/1891~1954)は日本海の浜辺を散歩していてこの歌を思いついたと言うことです。作者は海辺を飛ぶチドリを見てこの詩を書いたのかも知れませんね。新潟県柏崎市と千葉県南房総市に「浜千鳥」の碑があるそうです。

 

「千鳥」はよく日本画の題材として描かれていますし、着物の柄にもなっています。そのほとんどが白波の立つ荒れた海辺を群れ飛んでいく構図になっています。千鳥=千の鳥=群で飛ぶたくさんの鳥で、荒海を乗り越えて飛ぶ=困難を乗り越える、と言うことらしいです。季節は冬で、俳句では冬の季語になっています。「冬の夜に哀調を帯びた声で鳴く」などと説明が付けられています。「浜千鳥」の歌でも「親を探して]とありますから歌のメロディと共に寂しい声なのではないでしょうか。

 

冬も日本にいて哀調を帯びた声で鳴くチドリと言えばダイゼンを想像しますが、どうもダイゼンは「千鳥」のイメージから言うと少し身体が大きすぎるような気がします。

鹿島鳴秋が見たのも日本画の画題になっているのも浜辺に打ち寄せる波間を縫って走り回るミユビシギではなかったのかな・・・。

 

それではミユビシギの声は「浜千鳥」に描かれてれているように寂しい哀調のある声なのでしょうか?

 

 

波打ち際を行きつ戻りつ餌を探しているミユビシギ達の声です。

さて皆さんはどう思われますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年10月18日 (金)

おはよーカラス

カラスが面白い声で鳴いています。ハシブトガラスです。

北本自然観察公園の朝です。学習センターの前なのでやって来た人たちが皆足を止めて見ています。

カラスの声も面白いのですが、皆さんの反応も面白いので人声を消さずに録音したものをそのまま流しています。

2024年10月 8日 (火)

秋の夕暮れ

やっと涼しくなりましたね。

10月になり日も短くなりました。

秋の夕暮れです。虫が鳴きはじめました。

夕焼け空をバックにモズが鳴いています。

 

小さな秋見つけた・・・・。

2024年9月28日 (土)

一番遅くまで囀っている鳥は?

鳥学会に顔を出してみました。たいへん盛況で若い人がたくさん来ていたのには驚きました。野外では鳥が激減しているのに研究者は増えているんだと思うとちょっと複雑な気持ちでした。

研究者の方達と「一番最後まで囀っている鳥は何だろう」という話になり、メボソ!で意見が一致しました。大御所のH先生が「9月になっても鳴いているよ」。

 

そこで久々に奥日光の白根山へ行ってみました。メボソムシクイは都会のバードウォッチャーの皆さんにはあまりなじみがない鳥ですが、山登りをする人にとっては極く普通の鳥です。関東では標高1700~2300mくらいの亜高山帯で繁殖しています。歩き出してしばらくすると、あ、いました!メボソが鳴いているではないですか。9月ももう24日だと言うのに。

 

 1時間ほど歩く間に2ヶ所でメボソが鳴いていました。もちろん夏場より数はぐっと少ないですが、まだ鳴いてるんだ・・・・。他に囀っている鳥はいません。ルリビタキが2羽、カケスが鳴き、ウソの声もして、カラの混群もいくつか見られました。群の中心をなすのはコガラで、その他ヒガラとコゲラの姿が見えました。もう1種類いるような感じで10KHz近い非常な高音で、夏にたくさんいたキクイタダキかと思いましたが姿は見えませんでした。カラ類もかなり高い音を出すので何とも言えません。次回までの宿題です。

メボソ達はカラの群と行動を共にしているわけでは無く、梢のあたりで枝伝いに3羽が飛び回っていて、そのうちの1羽が良く鳴いていました。これも囀りなんでしょうか?

 ところで今回の鳥学会ではメボソの鳴き方に関する興味深い発表を聴きました。メボソムシクイの声は図鑑では4音節で「ゼニトリ」と4音で記されています。「ゼニトリゼニトリゼニトリ」と鳴くのがメボソの特徴とどの図鑑にも書いてあり、私もそう思っていましたが、どうやら地域差があるようです。日光地域は4音節のエリアに入るのですが、3音節や5音節で鳴く地方もあり、分布域がしっかり分かれていると知りました。長野県を中心にメボソの声を調べているK田さんに貴重な音源をお借りしましたので聞いてみてください。

これは八ヶ岳山麓の麦草峠のもの。3音節で鳴いています。オオムシクイに似ていますがメボソムシクイです。

こちらは乗鞍高原で、なんと5音節です。メボソも奥が深いです。注意して聞いてみてくださいね。

 

より以前の記事一覧