観察記録

2018年9月12日 (水)

秋の渡りが始まった

 涼しくなって、風も南から北に変わった今日、都内の公園に行ってみました。
 ヒヨドリ、コゲラ、シジュウカラ、メジロが集まっているミズキの木を眺めていると、少し大きな鳥が。

Paradiseflycatcher180912

 サンコウチョウでした。しばらく、じっととまって伸びをしたりしていました。日に透けた尾羽の明るい煉瓦色がきれいでした。
 公園では、サンコウチョウの食べ物となるチョウやガが、さかんに飛んでいます。わざわざミズキの実を食べに来る必要はないと思うのですが、小鳥がにぎやかに集まっていたので、それにつられて来たようです。
 その後、キビタキも出現してくれました。

Narcissus_flycatcher180912

 さらに、写真は撮れなかったもののコサメビタキも出てきて、秋の渡りを楽しむことができました。

2018年9月 9日 (日)

ドバトの幼鳥の鳴き声

 考えてみれば、今から25年前の1993年にドバトが以前住んでいたマンションのベランダで巣を作ったときに録音をしておくべきでした。
 このとき、卵から雛がふ化するのに19日間、巣立つまで34日間、合計53日間もあったのですから録っておくべきでした。当時のメモには「親鳥が来ると雛は『ピーピー』と鳴く」と書いてあります。ドバトの鳴き声は、低い声です。多く鳥は、親鳥の声が低くかったり濁っていても、雛は高い声で鳴く傾向があります。ドバトも同じだと、言うことができるチャンスだったですが、録音し損ねました。
 本日、家の前でドバトの親子がいました。やはり近くのマンションで巣を作っていたのでしょう。まだ頭に羽毛がなく巣立ったばかりに見える幼鳥が、さかんに親鳥を追いかけて鳴いていました。25年前に取り損ねた音を録れると思ったのですが、買い物に出たところなので録音機は持っていません。スマホでの録音です。
 GALAXY-S5 ACTIVE、アプリ「PCM録音」で録音。48kHz/16bit、モノラルです。3,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 本郷通り沿いで、車も人も通るなかでの録音です。幼鳥が鳴きノイズの少ないところを残して、さらに低音を大幅にカットして編集しました。幼鳥の声は「ピーッ」と一度上がって最後が下がる、念を押しているような鳴き声に聞こえます。
  親鳥の鳴き声は、200~800Hzです。私たちの声と同じ高さにあります。しかし、幼鳥の鳴き声は、3,000~6,000Hzに音の中心があって、倍音は10,000Hzを超えています。小鳥の鳴き声の領域です。それも高めです。
 森林性の小鳥は、親鳥とのコミュニケーションに障害物があっても通過して行く高い声で鳴く傾向があると思います。森林性以外の鳥、たとえばカルガモの雛も高い声で鳴くので、障害物の有無は関係ないかもしれません。ドバトもその例のひとつとなります。高い声のほうが、親鳥の喚起を呼びやすいのでしょうか。

2018年8月27日 (月)

クマゼミ-六義園

 今年は、暑さのせいかセミの鳴き声が少し少ないような気がします。正しくは、声ではなく音ですが。
 ただ、セミの個体数の変化は、幼虫が土の中に数年いるはずなので、どちらかというと数年前の状況のほうが影響があるのかもしれません。
 それでも、このところ毎日家の前のクスノキでクマゼミが鳴いています。ところが、録音しようとするといつの間に鳴きやんでしまい録音できません。本日、やっと録音できました。
 PCM-D100で録音。1,000Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



 実は、37分間録音してこの2声のほか、あと2声鳴いたくれただけです。録音できないはずです。とても鳴いている時間が短いのです。
 関西に行けば、うるさいほど鳴いているのに、なんともささやかな鳴き方でしょう。やはり、密度が低く他の雄ゼミの声が聞こえないと、張り合いがないためなのでしょうか。

2018年8月19日 (日)

落雷の跡-六義園

 清々しいほどの天気に誘われて久しぶりに六義園を探索しました。常連さんたちからは、キビタキやムシクイ類がもう姿を見せてくれたと情報をいただきました。また、Bさんから落雷の跡があると教えてもらいました。

P1050710

 カミナリが落ちたのは、一抱えくらいあるスダジイです。先日アップしたカミナリの音はかなり近かったので、このスダジイに落ちたものかもしれません。
 日光の小田代ヶ原などを歩いていると落雷の跡をときどき見ることがあります。たいがい木が焦げてまっくろになっています。今回の六義園の落雷では、木の皮がはじけ飛んだ感じで、言われないとわかりません。いずれにしても、燃えなかったのは、不幸中の幸いです。
 また、スダジイは順路から離れていましたので、この下で雨宿りをする人はいないと思いますが、万が一この木に寄りかかっていたらと思うとぞっとします。
 それにしても30年以上、六義園で観察していますが、六義園に樹木にカミナリが落ちたのは初めて見ました。

2018年8月13日 (月)

今日のカミナリ、爆音注意-駒込

 今日の東京地方の午後は、雷雨に見舞われました。カミナリも盛大に鳴り、稲光と音が同時でしたから、近くに落ちたかもしれません。停電や過電圧の怖さがありましたので、コンピュータでの仕事も中止、TVも見られないので録音しました。
 以前も書いたと思いますが、カミナリの録音はコツと条件があります。まずは、身の安全をはかること。まさか野原で録音機を手に持って高く上げて録音する人はいないと思いますが、万が一のことを考えて頑丈な建物の中で録音しなくてはなりません。
 条件は、風と雨です。風が強いとマイクに当たる音が入りますし、雨の音もできたらない方が良いです。ですから、カミナリがなり始めて雨の降る前までが録音タイムとなります。いつもの野鳥録音のつもりで、録音ボリュームを大きくするとカミナリの音では音が歪んでしまいます。かなり小さくするか、アッテネータをかけます。今回は、いつも7のところ3で録音しました。それでも遠いカミナリはちょうど良かったですが、近くものはちょっとひずみがちでした。
 今日は、池の窓辺に置きました。最初はセミの合唱とカミナリだったのですが、セミが鳴きやみ、雨が降り出したところで、大きなカミナリが落ちました。その音です。PCM-D100でDSD録音をしてみました。ハイレゾです。でも、ブログにアップするためにはwavに変換、さらにmp3に変換しているので意味はありません。
  爆音になりますので、再生ボリュームは低くしてお聞きください。



2018年7月22日 (日)

オオルリの地鳴き-日光

 日光は、昼間は気温30度を超えて暑い日が続いていました。渓流沿いの森ならば涼しいだろうと、含満ヶ淵のまわりを歩きました。さすがに水辺は、ひんやりして気持ちの良い散歩ができました。鳥は、水辺だけにミソサザイが前を横切り、オオルリが目の前に出てきた程度、この標高では野鳥たちのシーズンは終わった感じでした。
 オオルリは雄で、かすかに地鳴きをしてくれました。キビタキの地鳴きは、繁殖地でも秋の渡りの時にでもたくさん録音できますが、オオルリの地鳴きはなかなか録れません。聞いたことはあっても録音まで至らなかったりで、音源は過去に雄と雌、各1例あるのみです。
 今回は、雄で身体を細くして緊張した感じなので警戒の声でしょう。近くに巣があるかもしれませんので、録音は5分間のみ。渓流と道路に挟まれた森、その上セミも鳴いているなかでの録音ですから、かなりコンディションは悪いです。
 PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズのカット、セミの音域もカット、ノイズリダクションを強くかけています。



  ちなみにオオルリとの距離は、10mほど。それにしても、小さな声です。録音していてもかすかに「ツンッ」と聞こえるだけでした。

2018年7月16日 (月)

カナブンの食事風景-六義園

 この季節になると、クヌギの樹液を求めてカナブンがたくさん集まります。六義園広しといえども、順路上にはこのような昆虫が集まる食堂は、わずか2本しかありません。そのため、多いと100匹を超えるカナブンがあつまります。
 かさねて、OLYMPUSの最新機種LS-P4の試用をたのまれました。LS-P4は、小型軽量、そして高性能が売りのPCM録音機です。小型軽量ということは、持ち運びが楽という以外、どこにでも置いて録音できるというメリットがあります。ノイズ発生源の自分の身体から離して置くことができるのは、野鳥録音では大事な機能だと思います。
  たとえば、軽さゆえこんなことができました。樹液に集まるカナブンの羽音を録ろうと、ちょっとしたでっぱりに置いてみました。

Beetle190707

 このときの音です。編集加工していません。アップするためにmp3に変換、フェードイン、フェードアウトをかけただけです。



 LS-P4のリポートは、改めて連載する予定です。お楽しみに。

2018年7月 3日 (火)

謎の声、フクロウの幼鳥?-日光・追記あり

 先週、T田さんから「どうしても解らない鳥(だと思いますが)の声を聞きました。」ので、名前がわかれば教えて欲しいとのメッセージをいただきました。ベテランのT田さんがわからないのに私にわかるのか、またT田さんがわかならいほどのものならば珍しいものかもしれないと、不安と期待が入り交り、引き受けました。
 送られて来た音源を聞くと、フクロウの幼鳥によく似ていました。音の高さ、声紋のパターンが似ています。ただ、私が録音したものやアップされている音源と完全に一致するものはありませんでした。そのため「フクロウの可能性大だが、もしかしたら他のフクロウ類かもしれない」とご返事いたしました。
 T田さんがおわかりにならないのも無理はなく、蒲谷鶴彦先生ですらフクロウの幼鳥の鳴き声がわかるまで5年かかっています。軽井沢で不明の声を録音します。そして、5年後、たまたまお店から同じ声が聞こえ、見たらフクロウの幼鳥が飼われていて解明できたというエピソードです。「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」というのが、先生の口癖でした。私は、このエピソードを知っていながら、長い間、フクロウの幼鳥を不明の声としていたのですから、人のことは言えません。
 フクロウ系の幼鳥の鳴き声がわからないのは、親鳥とはまったく違ったイメージの声であること。そして、成長段階で鳴き声が変わっていることが予想でき、なかなか一致するものがないということでしょう。
 今回、霧降高原でのタイマー録音に、入っていた声はさらにわからない鳴き声です。まずは、お聞きください。YAMAHA W24で録音、長いのでモノラルに変換、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 まだ暗い午前3時18分に鳴き始め、2分40秒にわたって鳴いていました。小さな声が大きくなり、また小さくなっていましたので、移動しながら鳴いているようです。
 アップした部分の40秒あたりの声は、フクロウの雌の声に似ていますので、これをヒントだとすれば、フクロウの幼鳥の声かなと思いました。また、ここでは何度もフクロウの雄の鳴き声も録音していますので、フクロウがいることはいます。しかし、「メエ」や「クエ」、「ピッ」という鳴き声は、今まで聞いたことのない声でわかりません。
 蒲谷先生は「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」と言われましたが、私は不明の声がこのところ多くておぼえきれません。こうして、ブログにアップすることで少しでも記憶の助けになればと思います。

追記
 新潟のF川さんより、この鳴き声はシカの声ではないかとのメールをいただきました。たしかに、ヒツジのような雰囲気の声は哺乳類を彷彿させます。また、アップしていない部分にはシカの警戒声の「ピッ」に近い音もあり、シカの可能性が大きくなりました。
 シカは、この「ピッ」とラッティングコール以外、聞いたことはありませんでした。考えてみれば他にも声をだしてもおかしくありません。過去の不明の声に、同じような声がないかも含めて、調べてみたいと思います。それにしても、哺乳類の鳴き声図鑑がないのが、困りものです。
 まずは、F川さん、ありがとうございました。
 

2018年7月 1日 (日)

ヨタカのもう一つのバリエーション

 もっとも古い鳥仲間の一人にF野さんがいます。私が高校生の頃、彼は中学生、明治神宮探鳥会で出会ったのが最初だと思います。それ以降、新浜探鳥会などでいっしょになり、2人で大岳山に登った思い出があります。その後、堅気の会社員となりましたが、このところ会社がヒマになったのかバードウォッチングに拍車がかかっています。さらに、ここ数年は野鳥録音に凝っています。何しろ、50年を超える鳥歴のもと録音をするのですから、私が録音したことがないヤイロチョウはもちろんのこと、なんとかムシクイが録れたと悔しがらせること、たびたびです。
 その彼が、まだヨタカが録れないとのことでしたので、栃木県北部のダム湖を案内しました。例によって、A部♂♀さんから情報はもとより同行していただき、ピンポイントで場所を案内していただきました。
 コンビニで夕食を確保して、ダム湖へ。到着すると、まだウグイスがさえずり、遠くでアカハラが鳴いています。一声、ツツドリが頭の上で鳴いてくれました。明るいうちに夕食を食べ、A部♂♀さんと合流。
 だんだん暗くなってきました。最初、構えていたダムサイトでは日没時間と共に遠くでヨタカが鳴きだしました。ダムの音と距離が遠いので、録音にはかなり厳しい条件です。A部♂さんによると今年は、ここから1kmくらい奥に行った方が近くで鳴いてくるかもしれないとのこと、さっそく移動です。
 第二のポイントに着くと、かなり暗くなってきました。良い感じです。オシドリが遠くで鳴いています。それに向かって鳴きながら飛んでいく雌の声が聞こえました。いつものとおり夜のドラマの始まりです。
 近くの斜面から「ポア、ポア」というヨタカの鳴き声が聞こえてきました。耳を澄ますと「カ、カ、カ」あるいは「ポ、ポ、ポ」と小さな声が聞こえます。「ポア、ポア」と同じところから聞こえて来ますので、ヨタカであることは間違いないと思いますが、初めて聞く声です。
 PCM-D100で録音。ボリュームをかなり増幅、500Hz以下の低音のカット、ノイズリダクションをかけています。



 とても小さな声なので、最初は鳥の声だとも思いませんでした。「ポア、ポア」が聞こえなければ、聞き逃すところです。A部♂さんによると、ヨタカの鳴き声で間違いないとのこと、ときどき鳴くとのことでした。
 この後、「キョ、キョ、キョ」をさかんに鳴き、静かなダム湖の周辺の山に反響して、とても良い感じの音が録れました。初めてのヨタカの録音にF野さんも大満足。私も、聞いたことのないバリエーションの鳴き声が録れて満足でした。
 A部♂♀さん、ありがとうございました。F野さん、お疲れさまでした。
 

2018年6月27日 (水)

コマドリの寝言-日光

 原富貴人著『信濃の野鳥』(1955・甲陽書房)は、何を隠そうネタ本です。そのなかに「小鳥の寝言」と「続小鳥の寝言」という項があって、コマドリが夜にさえずる話が紹介されています。きっかけは、原さんが山小屋に泊まったとき、午前1時15分コマドリのさえずりを2声聞きます。これは寝言なのではないかと、その後検証を試みます。まずは、友人が飼っているコマドリを一晩、鳴くかどうか観察しますが、鳴きません。その後もコマドリのいるところで深夜まで起きて鳴き声を聞こうと試みますが、聞くことはできず。このように、希なのだからさえずり(本文ではトキと言っている)ではなく寝言であろうというという話です。
 さえずりの定義から言ったらさえずりで良いと思うのですが、私もいつかこの伝説のコマドリの寝言を聞いてみたい、録音してみたいと思っていました。今まで、コマドリのいるところで夜の録音をしたことがありますが、夜中にコマドリの鳴き声が入っていることはありませんでした。原さんの言うように、夜中にコマドリが鳴くことは希なことのようです。
 霧降高原では、コマドリがたくさんいましたがいなくなり、コルリ、ルリビタキと入れ替わりました。その後、コルリとルリビタキもいなくなりましたが、今年はコマドリが少し復活し、夜明け前の野鳥コーラスのワン・パートを担うようになってきました。
 ちょうど、日本野鳥の会からOLYMPUSの最新機種LS-P4の試し録りを依頼されました。このLS-P4はタイマー機能がないため、長時間録音で補うという録音方法をためしたところ、なんと夜中にコマドリのさえずりが入っていました。
 LS-P4で録音、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 鳴いた時刻は、午後11時45分頃です。最後のコマドリは午後7時、これが昼の鳥の最後となり、あとはときどきホトトギスが鳴くだけでした。しーんと静まりかえった深夜にコマドリが鳴いたのです。それも、たった一声。原さんは2声聞いていますが、同じような現象とみてよろしいでしょう。
 静まりかえった谷間に響き渡るほど、しっかりしたさえずりなので寝言というのには憚れます。夜中に目が覚めて、思わず一声鳴いたということでしょう。それにしても、まさか伝説の鳴き声を録音できるとは思いませんでした。

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