観察記録

2017年4月21日 (金)

ミゾゴイの鳴き声、録音成功

 ミゾゴイの録音は、かなり難題です。まず、数が少ないこと、低い声なので環境ノイズに紛れてしまうこと、鳴くのが初夏の日没以後のためビールが恋しくなって帰ってしまうことなどがあります。
 また、鳴く期間が短く、一説には4月中下旬とも言われています。私自身、六義園で渡り途中のミゾゴイを3回記録していますが、多くは5月に入ってからです。また、今まで唯一3声録音できた日光のミゾゴイは6月でした。しかし、鳴く最盛期は今であることは間違いなさそうです。
 今まで、S木♂さんにご案内いただいたり、情報をたよりに2回、彼のフィールドに赴いていますが、いずれもフラれました。今回は、3度目の正直です。なお、地名はあかせませんので、ご容赦願います。
 夕暮れの山間は、寒いくらい。日没時間と同時に、フクロウが向かいの山で鳴き始めました。生で聞くのは久しぶりです。頭の上をムササビが鳴きながら飛んでいきました。こんな近くで録音できたのもはじめです。だいぶ暗くなってそろそろと思ったところで、なんと予報にない雨が降り始めました。ミゾゴイは、雨に関係なく鳴くとは思いますが、録音はできません。そうそうに退散です。あとは、置いた3台の録音機がたよりです。なお、いつ鳴くかわからないので、タイマーを仕掛けず一晩稼働させておきました。
 翌日回収、ただいま音源をチェックしています。なんといっても、各15時間合計45時間分の録音ですから、そう簡単ではありません。しかし、もっとも鳴く可能性の高い場所に置いた録音機に5、6声入っていました。時刻は、午前1時前後です。
 YAMAHA W24で録音、300Hz以下のノイズの軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 まずは、録音成功です。音源を聞いていると、ミゾゴイのみならず、オオコノハズク、トラツグミ、アオバズクといった夜の鳥たちがつぎつぎと鳴いています。昼間のバードウォッチングの印象とは、大きく異なる鳥相です。
 夜ならでは音の世界、一度体験したらはまること間違いなしです。
 S木♂さん、おかげさまで念願のミゾゴイが録れました。お礼申し上げます。調査も順調に進むことをお祈りいたしております。

2017年4月20日 (木)

オオルリのサブソング-六義園

 夏鳥が通過していく六義園ですが、このところオオルリとの出会いに恵まれています。
 ただ、しっかりとしたさえずりで鳴くことはなく、まったく鳴かないか、かすかに聞こえる声でつぶやく程度です。
 今日は目の前にとまってくれて、つぶやくように鳴いてくれました。日光などの繁殖地では、このようなサブソングを聞いたことはありません。私自身、はじめて聞く声ですし、初めての録音となります。渡り途中ならではの鳴き声でしょう。
 PCM-D100で録音。ボリュームの増幅、3,000Hz以下のノイズの軽減、強くノイズリダクションをかけています。



 とにかく、小さな声なので都会の騒音のなかにまぎれてしまいます。これでも、オオルリと録音機の距離は8mくらいです。もし、本格的なさえずりならば音が割れてしまうほどの距離です。それだけ小さな声です。このような声の編集は、難しいです。音楽ソフトを使って、増幅させてボリュームを大きくして音にコントラストを付ければ聞きやすくなります。しかし、それでは本来の不明瞭な鳴き方の感じが損なわれてしまいます。そのため、どこで留めておくか、現場で聞いた印象を大切にして編集しなくてはなりません。
 面白かったのは、高いところへ移動して行くと声も大きくなって行くことです。しかし、距離がのびてしまいますので、けっきょく音の大きさは同じでした。

2017年4月19日 (水)

ヤマドリの母衣打ち-日光

 タイマー録音にヤマドリの母衣打ちが入ることは、あまりありません。ヤマドリが少ない鳥であること、母衣打ちの音が小さなこと、さらに母衣打ちは低い音なので環境ノイズに埋もれてしまうことなどがあげられます。
 ちなみに、母衣打ちの”母衣”は背中に背負う布製の大きな風船のような形をした矢を防ぐ武具のこと、叩けばいかにも「ボコボコ」と低い音を立てそうです。
 いつものお気に入りの雑木林に録音機を置きに行ったとき、ヤマドリの雄を飛び立たせてしまいましたので、飛び立った所と着地したあたりに録音機を置いて来ました。案の定、タイマーが稼働した午前4時30分の15分後、4時45分から母衣打ちが入っていました。まだ、かなり暗い時刻です。また、小鳥たちが鳴き始めたのは5時で、暗くて静かな時刻からやっていることになります。母衣打ちは、およそ1時間にわたり散発的に聞こえ、2分30秒の間しかない時もありました。音は大きくなったり小さくなったりしていますので、多少の移動をしていることがわかります。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 母衣打ちは図鑑などでは「ドドド・・・」と表現されますが、実際は4,5回叩き、一呼吸間を開けてさらに4,5回、ちょっと間があって8~10回と長めに叩いています。これが、わずか2秒の間に行われます。そのため、「ドドド・・・」と一つの音に聞こえてしまうのでしょう。間のない10数回叩いた音を過去に録音したことがありますが、希です。ですからヤマドリの母衣打ちを文字で表現するとしたら「ドドド、ドドド、ドドドドド」と表現するほうが適切だと思っています。
 

2017年4月10日 (月)

シロハラとアカハラのさえずりは区別できるか

 シロハラ、アカハラ、マミチャジナイは、遺伝子の違いがわずかだそうです。それだけに、さえずりはとてもよく似ていて区別に迷います。夏にアカハラのさえずりが聞こえたため繁殖していると思われていたものが、実はシロハラだったという話もあります。そのため、この2種類をなんとか区別したい思うのですが、なかなか区別のポイントが掴めませんでした。なお、マミチャジナイはバリエーションは少なく『野鳥対大鑑』に収録されている音源で識別できると思っています。
 区別を難しくしているのは、いずれもバリエーションが多いことです。とくに、アカハラは「『キョロンキョロンチリリ』と2音節半で鳴く」などと図鑑に書かれていますが、このような鳴き方をするアカハラはわずかです。私のアカハラのさえずりの録音、すべてが違うと思うほど、個性があります。ですから、皆さんアカハラは節ではなく音色で識別していることになります。シロハラのさえずりを録音する機会は少ないのですが、それでも違いがあります。
 先日、六義園でシロハラのさえずりを録音することができました。さえずっている木の下での録音です。鳥との距離は10mほど、人声と街の騒音なかでも近ければ、ここまでクリアにすることができます。PCM-D100で録音。ボリュームはそのまま、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 アカハラとの違い、わかりますか?
 節は、シロハラのほうが音が上がったり下がったりしている、最後の「チリリ」が短い。アカハラは平坦で「チリリ」をしっかりと鳴くことが多い。音の高さはほぼ同じですが、シロハラは澄んで聞こえる、アカハラのほうは濁りを感じる場合があると、思うのですがいかがでしょうか。
 春は、シロハラのさえずりを聞くことができる貴重な季節です。ぜひ、聞き比べていただき、違いのポイントを確認していただければと思います。 

2017年4月 8日 (土)

トラツグミのさえずり-六義園

 午前6時に目が覚めたので雨のようすを見ようと窓を開けたら、遠くからトラツグミのさえずりが聞こえてきました。
 この時刻、もう明るくなっている東京地方ですが、雨は本降りで風も強く、最悪の録音条件です。それでも、録音機を稼働させておきました。あとで、録音された音源をチェックすると15分は鳴いていました。私が気がつく以前から鳴いていたはずですから、雨のなかで長い間さえずっていたことになります。おかげですっかり目が覚めてしまいました。
 ということで、朝食の準備をしていると、またトラツグミのさえずりです。なんとも、慌ただしい朝です。
 PCM-D100で録音、1,500Hz以下のノイズの軽減、トラツグミの鳴いている音域の1,600~1,800Hzの部分をボリュームアップ、ノイズリダクションをかけています。



 遠い上に、町の騒音、そして雨上がりのためにしずくが落ちる音がノイズのなっている中での録音です。お聞きづらいことは、あらかじめご了承ください。
 4声と5声、5声と6声目の間に、高いトラツグミの声が入っています。およそ2,000Hz高い3,600~3,800Hzの音です。ついこの間、H川さんから1羽のトラツグミが、2パターンの声で鳴く動画をいただいたところです。雌雄で鳴き合う、雄同士が鳴き合うという通説は、あやしいものとなりました。今朝は、明るいなかで鳴いているので、なんとか姿を見て再確認できないかと思ったのですが、遠い上の茂った木の中で鳴いています。姿の確認はできませんでした。
 なお、六義園ではトラツグミのさえずりを何回か聞いてます。前回は、2008年4月13日の午前4時46分、暗い中で鳴いていました。それにしても、今日と1週間も違わない日付です。4月2週は六義園をトラツグミが通過して行く時期なのでしょう。  

2017年4月 5日 (水)

早春のヤマガラの声か?-日光

 日光の別荘地を抜けて林道をしばらく行ったところに、泉が湧いているところがあります。水音が良い感じだったので、録音してみました。録音機を置いて、離れて見ているとつぎからつぎに鳥がやってきて、ときどき鳴き声が聞こえました。ヤマガラの「ニーニー」、ミソサザイの「ジリリ」、エナガの「ツーツー」、ウソの「フィ、フィ」が聞こえます。これらの声が、水音といっしょに録れているかと思うと、待っている間もわくわくします。
  10数分の録音ですが、録れていた音の中に聞いたことのない鳴き声が入っていました。PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、1,500Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。



 「ニーニー」というヤマガラの声のあとの「チチ、チュルル」あるいは「チュチュ、ピルル」と聞こえる可愛い声です。他にエナガの存在確認の声も聞こえます。声の聞こえる方向と音の強さから、ヤマガラが鳴いているように思えます。
 コガラやハシブトガラには、早春特有の鳴き声があります。さえずりやさまざまな地鳴きとは、まったく違った音質、節回しで鳴きます。ただ、早春の短い期間だけで、それも鳴く頻度が少なく、聞く機会も録音するチャンスも少ない鳴き声です。それだけに、あまり知られていません。録音仲間同士では「あるある」という鳴き声です。
 同じように、ヤマガラにも早春ならでは鳴き方があるのかもしれません。コガラなどと同じように、さえずりとも地鳴きとも違う音質、節回しです。そして、小さな声です。加えて、私が初めて聞いたのですから、鳴く頻度は少ないことでしょう。
 コガラの早春特有の声については、リップシンクロを確認したので間違いありませんが、今回はそこまで確認していません。ですから、他の鳥の可能性もあるかもしれません。他の鳥の声だとしたら、何なのでしょう。
 いずれにしても、早春はいつもとは違った声を出す鳥がいることを改めて知りました。

2017年4月 4日 (火)

カワアイサのディスプレイ-日光

 たぶんあまり知られていない鳴き声に、カワアイサのディスプレイがあります。
 初めて聞いたときは、鳥の声とは思えませんでした。もし、森のなかの湖から聞こえて来たら、神秘的で不思議な声と思い、鳥を知らなければ妖精の声のように聞こえるのではと思いました。ただ、カワアイサは広い水面にいることが多いこと、警戒心が強いことから、なかなか思うように録音はできません。
 日光にある小型のダムならば、鳥との距離は100mほど。ただし、周辺では水が流れている音があり、けして条件が良い環境とは思えません。以前、録音したカワアイサの鳴き声は『野鳥大鑑』に収録されていますが、このときはDAT録音機でした。そのため、私が操作をしているために、警戒している鳥との距離は100m以上で、無理矢理加工した音源でした。今ならば、人のいないタイマー録音をすれば、近くで鳴いてくれ良い音が録れるのではないかと思っての再挑戦です。
 タイマーは、日の出前1時間前からの録音で、すでに鳴いていました。YAMAHA C24で録音。ボリュームのアップ、500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。



 以前の観察では、「ビューン、ビューン」あるいは「ムーン、ムーン」と聞こえるのが雄の声、「ゲゲゲ・・・」が雌の声。1羽の雌のまわりに数羽の雄が集まって、雄が首を反らす動作などを繰り返していました。雌は、雄を追い払うような動作のときに鳴いていました。
 まだ、暗い夜明け前の池で繰り広げられる、カワアイサのディスプレイ。やはり、神秘的なムードが漂った音となりました。 

2017年4月 3日 (月)

ジョウビタキの羽音とサブソング-日光

 早春の音を録りに、日光へ行って来ました。
 ところが、なんと愛用のYAMAHA W24を忘れてしまい、カミさんのC24でタイマー録音です。タイマーは、夜明けが午前5時30分前後なので、4時30分~7時30分の設定です。発電用の小型ダムの岸辺に置いておきました。カワアイサのいるところですので、ディスプレイの声が録れればと思っての録音です。
 録音開始とともに、カワアイサの雌の声が入っていましたので、カモ類は夜も活動していました。アオジの地鳴きらしいが聞こえたのは、5時10分。およそ日の出の20分前に小鳥たちの活動が始まりました。そして、ウグイスがさえずりはじめ、ねぐらを立ったハシボソガラスが通過するなど、にぎやかになります。
 録音開始から1時間22分後の5時52分、ジョウビタキがさかんに鳴きはじめました。録音機の前をいったり来たりして、およそ20分間にわたり、ジョウビタキの鳴き声が断続的に入っています。まずは、地鳴きと羽音です。ちょうど、録音機の前にはフェンスがあるので、その上にとまったようです。
 YAMAHA C24で録音。ボリュームを少し下げています。それ以外、加工はしていません。



 そして、少し離れたところで、複雑な声で鳴いてくれました。いわゆるさえずりの練習、サブソング、あるいはぐぜりという鳴き方です。
 ボリュームを上げて、3,000Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。



 実際は、3分ほど鳴き続けていました。地鳴き20分間のうちの3分間が、サブソングでした。これが、どの時点で本格的なさえずりになるのでしょうか。

2017年3月25日 (土)

ベニマシコの羽音-芝川第一調節池

 花粉症がスギからヒノキになるに従い、症状もシビアになってきました。そのため、体にむち打たないとフィールドで出られません。今日は、この天気でどこにも出ないのはバチがあたるのではないかと、体にむち打って芝川第一調節池に行きました。
 着いたばかりの頃は、風がやや冷たくダウンジャケットで来るべきだったと思うほどでした。そんななか、最初に出迎えてくれたのは、ベニマシコ数羽の群れです。雄は、夏羽になっていて、とてもきれいです。いつもは雌のほうが多いのですが、今日は雌2羽に雄が3、4羽の群れを作り、鳴き合いながら畑の中を移動していきました。
 そっと近づくと、こちらに向かって飛んできてくれて羽音が聞こえました。PCM-D100で録音。ボリュームのアップして、300Hz以下のノイズを軽減、ノイズリダクションをかけています。



 ベニマシコの鳴き合う声の合間、5秒目くらいに聞こえる音が羽音です。羽音は、小さな音の上に低い音なので、ノイズに埋もれています。これ以上、加工して音を際立たせることもできますが不自然になりそうなので、ここまで留めておきます。私が、現場で聞いた音にかなり近い状態です。
 蒲谷鶴彦先生は「ベニマシコの羽音は『ポロポロ』と聞こえることがある」とおっしゃってましたが、あまりそう聞こえません。ただ、多くの鳥の羽音が「ブルル」と1つの音に聞こえのに対し、ひとつひとつの音が明瞭に聞こえます。もっと、近くで静かなところで聞けば「ポロポロ」となるかもしれません。ただ、なぜベニマシコの羽音がそう聞こえるのか、また新らたな謎ですね。

2017年3月20日 (月)

コゲラのドラミング-六義園

 本日、六義園のシダレザクラが数輪、咲きました。いよいよ花見シーズン、混雑するのでバードウォッチングは我慢の季節に突入です。
 本日、野鳥ではシジュウカラのさえずりが盛んになり、ジョウビタキがぐぜりの声も少し大きくなりました。ムシクイらしい鳥もいてそろそろと言った感じです。そして、コゲラのドラミングが聞こえてきました。
 PCM-D100で録音、1,000Hz以下のノイズの軽減、ドラミング音域のボリュームの増幅、ノイズリダクションをかけています。



  はじめはドラミングとドラミングの間が6秒、それがだんだん短くなりこの音源のあたりでは2~3秒と短くなっています。3分くらいドラミングを続けると、だんだん乗って来てリズムが早くなったという感じでした。

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