観察記録

2018年7月16日 (月)

カナブンの食事風景-六義園

 この季節になると、クヌギの樹液を求めてカナブンがたくさん集まります。六義園広しといえども、順路上にはこのような昆虫が集まる食堂は、わずか2本しかありません。そのため、多いと100匹を超えるカナブンがあつまります。
 かさねて、OLYMPUSの最新機種LS-P4の試用をたのまれました。LS-P4は、小型軽量、そして高性能が売りのPCM録音機です。小型軽量ということは、持ち運びが楽という以外、どこにでも置いて録音できるというメリットがあります。ノイズ発生源の自分の身体から離して置くことができるのは、野鳥録音では大事な機能だと思います。
  たとえば、軽さゆえこんなことができました。樹液に集まるカナブンの羽音を録ろうと、ちょっとしたでっぱりに置いてみました。

Beetle190707

 このときの音です。編集加工していません。アップするためにmp3に変換、フェードイン、フェードアウトをかけただけです。



 LS-P4のリポートは、改めて連載する予定です。お楽しみに。

2018年7月 3日 (火)

謎の声、フクロウの幼鳥?-日光・追記あり

 先週、T田さんから「どうしても解らない鳥(だと思いますが)の声を聞きました。」ので、名前がわかれば教えて欲しいとのメッセージをいただきました。ベテランのT田さんがわからないのに私にわかるのか、またT田さんがわかならいほどのものならば珍しいものかもしれないと、不安と期待が入り交り、引き受けました。
 送られて来た音源を聞くと、フクロウの幼鳥によく似ていました。音の高さ、声紋のパターンが似ています。ただ、私が録音したものやアップされている音源と完全に一致するものはありませんでした。そのため「フクロウの可能性大だが、もしかしたら他のフクロウ類かもしれない」とご返事いたしました。
 T田さんがおわかりにならないのも無理はなく、蒲谷鶴彦先生ですらフクロウの幼鳥の鳴き声がわかるまで5年かかっています。軽井沢で不明の声を録音します。そして、5年後、たまたまお店から同じ声が聞こえ、見たらフクロウの幼鳥が飼われていて解明できたというエピソードです。「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」というのが、先生の口癖でした。私は、このエピソードを知っていながら、長い間、フクロウの幼鳥を不明の声としていたのですから、人のことは言えません。
 フクロウ系の幼鳥の鳴き声がわからないのは、親鳥とはまったく違ったイメージの声であること。そして、成長段階で鳴き声が変わっていることが予想でき、なかなか一致するものがないということでしょう。
 今回、霧降高原でのタイマー録音に、入っていた声はさらにわからない鳴き声です。まずは、お聞きください。YAMAHA W24で録音、長いのでモノラルに変換、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 まだ暗い午前3時18分に鳴き始め、2分40秒にわたって鳴いていました。小さな声が大きくなり、また小さくなっていましたので、移動しながら鳴いているようです。
 アップした部分の40秒あたりの声は、フクロウの雌の声に似ていますので、これをヒントだとすれば、フクロウの幼鳥の声かなと思いました。また、ここでは何度もフクロウの雄の鳴き声も録音していますので、フクロウがいることはいます。しかし、「メエ」や「クエ」、「ピッ」という鳴き声は、今まで聞いたことのない声でわかりません。
 蒲谷先生は「不明の声は、いつまでもおぼえているものだ」と言われましたが、私は不明の声がこのところ多くておぼえきれません。こうして、ブログにアップすることで少しでも記憶の助けになればと思います。

追記
 新潟のF川さんより、この鳴き声はシカの声ではないかとのメールをいただきました。たしかに、ヒツジのような雰囲気の声は哺乳類を彷彿させます。また、アップしていない部分にはシカの警戒声の「ピッ」に近い音もあり、シカの可能性が大きくなりました。
 シカは、この「ピッ」とラッティングコール以外、聞いたことはありませんでした。考えてみれば他にも声をだしてもおかしくありません。過去の不明の声に、同じような声がないかも含めて、調べてみたいと思います。それにしても、哺乳類の鳴き声図鑑がないのが、困りものです。
 まずは、F川さん、ありがとうございました。
 

2018年7月 1日 (日)

ヨタカのもう一つのバリエーション

 もっとも古い鳥仲間の一人にF野さんがいます。私が高校生の頃、彼は中学生、明治神宮探鳥会で出会ったのが最初だと思います。それ以降、新浜探鳥会などでいっしょになり、2人で大岳山に登った思い出があります。その後、堅気の会社員となりましたが、このところ会社がヒマになったのかバードウォッチングに拍車がかかっています。さらに、ここ数年は野鳥録音に凝っています。何しろ、50年を超える鳥歴のもと録音をするのですから、私が録音したことがないヤイロチョウはもちろんのこと、なんとかムシクイが録れたと悔しがらせること、たびたびです。
 その彼が、まだヨタカが録れないとのことでしたので、栃木県北部のダム湖を案内しました。例によって、A部♂♀さんから情報はもとより同行していただき、ピンポイントで場所を案内していただきました。
 コンビニで夕食を確保して、ダム湖へ。到着すると、まだウグイスがさえずり、遠くでアカハラが鳴いています。一声、ツツドリが頭の上で鳴いてくれました。明るいうちに夕食を食べ、A部♂♀さんと合流。
 だんだん暗くなってきました。最初、構えていたダムサイトでは日没時間と共に遠くでヨタカが鳴きだしました。ダムの音と距離が遠いので、録音にはかなり厳しい条件です。A部♂さんによると今年は、ここから1kmくらい奥に行った方が近くで鳴いてくるかもしれないとのこと、さっそく移動です。
 第二のポイントに着くと、かなり暗くなってきました。良い感じです。オシドリが遠くで鳴いています。それに向かって鳴きながら飛んでいく雌の声が聞こえました。いつものとおり夜のドラマの始まりです。
 近くの斜面から「ポア、ポア」というヨタカの鳴き声が聞こえてきました。耳を澄ますと「カ、カ、カ」あるいは「ポ、ポ、ポ」と小さな声が聞こえます。「ポア、ポア」と同じところから聞こえて来ますので、ヨタカであることは間違いないと思いますが、初めて聞く声です。
 PCM-D100で録音。ボリュームをかなり増幅、500Hz以下の低音のカット、ノイズリダクションをかけています。



 とても小さな声なので、最初は鳥の声だとも思いませんでした。「ポア、ポア」が聞こえなければ、聞き逃すところです。A部♂さんによると、ヨタカの鳴き声で間違いないとのこと、ときどき鳴くとのことでした。
 この後、「キョ、キョ、キョ」をさかんに鳴き、静かなダム湖の周辺の山に反響して、とても良い感じの音が録れました。初めてのヨタカの録音にF野さんも大満足。私も、聞いたことのないバリエーションの鳴き声が録れて満足でした。
 A部♂♀さん、ありがとうございました。F野さん、お疲れさまでした。
 

2018年6月27日 (水)

コマドリの寝言-日光

 原富貴人著『信濃の野鳥』(1955・甲陽書房)は、何を隠そうネタ本です。そのなかに「小鳥の寝言」と「続小鳥の寝言」という項があって、コマドリが夜にさえずる話が紹介されています。きっかけは、原さんが山小屋に泊まったとき、午前1時15分コマドリのさえずりを2声聞きます。これは寝言なのではないかと、その後検証を試みます。まずは、友人が飼っているコマドリを一晩、鳴くかどうか観察しますが、鳴きません。その後もコマドリのいるところで深夜まで起きて鳴き声を聞こうと試みますが、聞くことはできず。このように、希なのだからさえずり(本文ではトキと言っている)ではなく寝言であろうというという話です。
 さえずりの定義から言ったらさえずりで良いと思うのですが、私もいつかこの伝説のコマドリの寝言を聞いてみたい、録音してみたいと思っていました。今まで、コマドリのいるところで夜の録音をしたことがありますが、夜中にコマドリの鳴き声が入っていることはありませんでした。原さんの言うように、夜中にコマドリが鳴くことは希なことのようです。
 霧降高原では、コマドリがたくさんいましたがいなくなり、コルリ、ルリビタキと入れ替わりました。その後、コルリとルリビタキもいなくなりましたが、今年はコマドリが少し復活し、夜明け前の野鳥コーラスのワン・パートを担うようになってきました。
 ちょうど、日本野鳥の会からOLYMPUSの最新機種LS-P4の試し録りを依頼されました。このLS-P4はタイマー機能がないため、長時間録音で補うという録音方法をためしたところ、なんと夜中にコマドリのさえずりが入っていました。
 LS-P4で録音、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。



 鳴いた時刻は、午後11時45分頃です。最後のコマドリは午後7時、これが昼の鳥の最後となり、あとはときどきホトトギスが鳴くだけでした。しーんと静まりかえった深夜にコマドリが鳴いたのです。それも、たった一声。原さんは2声聞いていますが、同じような現象とみてよろしいでしょう。
 静まりかえった谷間に響き渡るほど、しっかりしたさえずりなので寝言というのには憚れます。夜中に目が覚めて、思わず一声鳴いたということでしょう。それにしても、まさか伝説の鳴き声を録音できるとは思いませんでした。

2018年6月10日 (日)

スズメ語で「ヘビだ!」-六義園

 はじめは、スズメの声だとはわかりませんでした。それだけ、にぎやかな鳴き声でした。声のするほうを見ると、地面に5,6羽のスズメが集まって鳴き合っています。よく見ると、その群れの中心にヘビがいることがわかりました。ヘビは、50cmくらいの小型のシマヘビでした。スズメたちは、シマヘビを警戒して鳴いていたのです。
 PCM-D100で録音。ボリュームの増幅、1,600Hz以下の低音ノイズの軽減をしています。



 最初のほうは5,6羽がいっせいに鳴いている声で、かなりにぎやかです。私に驚いて、ほとんどが飛び去ってしまいました。しかし、その後も1羽が執拗にヘビの近くまで行っては鳴いていました。いわば、スズメの「ヘビだ!ヘビだ!」という鳴き声です。ヘビもこれには困ったのか茂みに逃げ込み、騒動は収まりました。
 面白かったのは、メジロもすぐ上の枝にとまりようすを見に来ていました。鳥たちは、こうしたモビングのさわぎに集まってくる傾向がありますね。

2018年6月 8日 (金)

カラスのコーラス-芝川第一調節池

 本日は嵐のまえに一稼ぎと、埼玉県川口市などにある芝川第一調節池に行きました。
 以前、ヒクイナやサンカノゴイが鳴いたことがあり、録音機を仕掛けようという魂胆です。しかし、今日は風が強く風速10m以上はありそう。今日の録音はもとより、タイマー録音の設置はあきらめて、自然観察を楽しみました。

Shibakawa180608

 澄んだ青空に白い雲が浮いていて夏のようです。この季節としては、雪を抱いた富士山が見えるのですから、空気も澄んでいることになります。そのなか、オオヨシキリのさえずりがさかんに聞こえて来ます。ときおり、ホオジロも鳴いています。相手の手を入れるのはキジ。すでに、カワウの繁殖は終わったようで、のんびりとしています。飛び交っているのはツバメ。2羽のコアジサシも飛んでいました。一声、サンカノゴイらしい声が聞こえましたが、確認できず。可能性はありそうです。
 芝川の池の環境は安定していません。水位が高いせいかヨシ原やガマといった植生が狭くなっています。陸のほうもナンバンモロコシが生い茂っていた土手は、オギが変わって茂り背伸びをしないと水面が見えないほどでした。ところどころ植生がないところを見つけては、水鳥の観察をしなくてはなりません。
 水辺だけにトンボも多く、わかるのはシオカラトンボ、コシアキトンボ、そしてミヤマアキアカネでした。

Dragonfly180608

 行きも帰りも入口付近にカラスの群れがいて、にぎやかに鳴き合っています。ハシブトガラスとハシボソガラスの鳴き合いというのはあまりないように思い、録音してみました。小鳥だったらコーラスと言って番組に使えるのですがね。
 PCM-D100で録音。600Hz以下の低音の軽減、軽くノイズリダクションをかけています。



2018年6月 7日 (木)

ウズラ鳴く!?-日光

「鶉鳴く」は、和歌では故郷の枕詞です。それだけ昔は多い鳥で、江戸時代の江戸では鶉狩が行われていた記録があります。名前も形も知られている鳥に関わらず、減少著しい鳥の一つです。かなりベテランのバードウォッチャーでもウズラを見た、聞いた例は少ないでしょう。私自身、足元から飛び立ったという出会いが2回あるだけです。
  日光で、お気に入りの森に行くために、車を降りたとたん、ウズラの鳴き声が聞こえました。慌てて録音機を取り出して録音。しばらくして、この近くでニワトリを飼っている家があることを思い出しました。同じ方向から、ニワトリの声も聞こえます。声のするほうに行くと、籠に入れられたウズラが1羽いました。残念ながら鳴いていたのは、飼われていたウズラでした。
 ウズラは、ときどきしか鳴かないので森に入っている数時間の間、録音機を置いておきました。森の中の家なので、ウズラが自然のなかで鳴いている雰囲気の音に録れました。YAMAHA W24で録音、ボリュームのアップ、1,000Hz以下のノイズの軽減を行っています。



 かなり、間を詰めています。こんな頻度では鳴きません。
 歌では、枕詞のウズラのいる故郷は草深いと続きます。ウズラの生息環境は、草原であると同時にウズラ自体、隠れていることが多いのでなかなか姿を見せてくれません。ただ、繁殖期にはこの鳴き声で良く鳴くはずです。姿の出会いより、声による発見のほうが多い鳥のはずです。この声をおぼえておけば、ウズラの発見につながることと思います。

2018年6月 4日 (月)

ヨタカとカジカガエル-日光

 先の土曜日は、日光のA部♂♀さんにお願いして、夜のおすすめポイントに案内してもらいました。できたばかりのダム湖ということで、まだ立木が残っている特有の風景が広がっていました。

Yunisigawadamu

  周囲の山からは、アカハラやアオゲラの鳴き声、カケスの変わった声でしょうか、高い鳴き声も聞こえます。日が沈むと遠い立木にカワウが20羽ほど集まってきて、ねぐらをとるようです。あたりが暗くなると、遠い山からコノハズクの声も聞こえ期待が膨らみます。
 はじめは、遠くで鳴いていたヨタカが近くに来て鳴いてくれました。そして、暗くなってからさかんに鳴き始めたカジカガエルとの競演となりました。DR-44WLで録音、ボリュームを少し増幅、500Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけていません。



 ミキシングなしで、このように2つの音が良い感じに録れることはまずありません。たまにこうした録音ができると、やったという気持ちになります。
 A部♂♀さん、今回もありがとうございました。
 

2018年6月 3日 (日)

アオバトの当たり年かも-日光

 日光では、アオバトは少ない鳥です。録音をはじめた頃、エゾハルゼミの大合唱のなか、ちょうど今頃ですね。かすかにアオバトの鳴き声が聞こえたので、少しでも近づこうと声のするほうに歩いて行ったことがあります。ところが、なかか近づけません。低いアオバトの声は、遠くまで届くことをまだその頃は知りませんでした。ふと気が付くと、山一つ超えていました。行きはアオバトの声に釣られて勢いで行ったのですが、帰り道の長かったこと。
 そのアオバトが、今年は多いように思います。この週末は今年最後の梅雨入り前の好天気という天気予報です。それに、野鳥録音の絶好のシーズンも終盤にかかってきました。ということで日光に行っていました。
 いつものお気に入りの森で車を降りたとたん、アオバトの鳴き声が聞こえてきました。それも、よく聞くと2羽が鳴き合っています。今までは単独で鳴いていることが多かったので一声で終わったり、鳴き声と鳴き声の間がとても長かったのですが、鳴き合いとなると間が詰まります。
 この場所から、数キロ山に入ったところに置いた録音機にも入っていました。この録音機を回収にいたときには、アオバトの下尾筒の羽を拾いました。また、日光の鳥仲間からも自宅の周辺で鳴いているとの情報がありました。そういえば、六義園でも先週、アオバトの鳴き声が聞こえたばかりです。今年は、アオバトの当たり年かもしれません。
 どう聞いてものんびりとした鳴き声のアオバトですが、アオバトとしては一生懸命、鳴いていることになるでしょうね。
 PCM-D100で録音、アオバトの音域の増幅、ノイズリダクションをかけています。


2018年5月28日 (月)

カイツブリの雛の鳴き声-北本自然観察公園

 昨日、北本自然観察公園でオオヨシキリのさえずりを録音していると、「ピピピ」と高く連続した鳴き声がヨシの中から聞こえて来ました。どこかで聞いたことのあるような、ないような。すわ、珍しいムシクイ類の声かと思いましたが、オオヨシキリの大きな声のなかに紛れて、なかなか聞き取れません。
 声のする方に行って見ると、ガマの根元が揺れています。見えたのは、カイツブリの雛、かなり大きくなっています。あっという間に、ヨシの茂みに入ってしまいました。ヨシが揺れて、カイツブリが移動していくのがわかります。声もそれと同時に移動していきました。声の主は、カイツブリの雛でした。
  DR-44WLで録音。ボリュームの増幅、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 よく聞くと2羽が鳴いています。なんとカイツブリの雛の声が録れたのは20年ぶり2回目。1998年、まだDATの時代に不忍池で録音した以来です。
 もちろん、それ以降も雛を見るチャンスは、あったのですが、いかんせん声が小さいのと距離があって録音には至りませんでした。今回も、録音機と鳥との距離は5mも離れていません。それでも、増幅しないとかっこがつかない鳴き声でした。
 

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