観察記録

2020年8月 7日 (金)

ヒグラシとクロツグミ-日光

 梅雨明けしたはずの日光、毎日雨です。夕方から明け方に日光とその周辺のどこかで雨が降りました。大雨予報の天気のなか、録音機を山に置くのは躊躇しますので、3日待ちました。
 最終日前日、昼飯後にいつものお気に入りの雑木林に行くと、クロツグミが良くさえずっていました。下見のため双眼鏡のみ。午後1時にこんなによく鳴くならば、夜明け前はさぞよく鳴くだろうと、夕方に再訪して録音機を仕掛けました。予報では、雨雲は日光をさけて通るはずです。
 しかし、このとき雨がぽつりぽつりと降りはじめ、日光の典型的な夕方の天気となってきました。この程度の雨は、当たり前のせいか予報されないのでしょう。いずれにしても、予報がはずれ大雨にはならないことを祈って、できるかぎり雨のあたらないところを見つけては、録音機を置きました。幸い雨はこの時のみとなりました。
 翌朝、回収すると思惑通り、クロツグミが良く鳴いてくれました。それにくわえて、早朝のセミ、ヒグラシとのコラボです。
 TASCAM DR-05で録音、ボリュームのアップ、1,500Hz以下のノイズの軽減。ノイズリダクションをかけています。 

 時刻は、午前4時24分から鳴き始めています。26分間にわたりヒグラシが鳴き、その間にクロツグミとキジバトが鳴いています。その後は、メジロやヒヨドリが置き始めて、鳴き合う朝の雑木林らしい音となりました。

2020年8月 2日 (日)

ミゾゴイか?-葛西臨海公園

 先々月の話なので、ほとぼりが冷めていると思います。
 6月26日の葛西臨海公園でのことです。オオヨシキリの鳴き声を録音し終わると、低い声が聞こえたとカミさんが教えてくれました。12時近く、天候は曇りです。
 その場で、録音機のスピーカーでチェックしましたが聞こえません。家に帰ってアンプを通しスピーカーに音を出して聞くと、低い鳴き声が聞こえました。
  PCM-D100で録音、全体にボリュームのアップ、該当の音域のアップ、350Hz以下の低音の削減、ノイズリダクションをかけています。

 オオヨシキリの合間に聞こえる「プオ。プオ。プオ」という感じに聞こえる声です。最初はヨシゴイを疑りましたが、もっと高い音で700~900Hzで「ワン、ワン」と聞こえると思います。サンカノゴイは、逆にもっと低く150~250Hzです。
 いちばん印象として近いのはミゾゴイの鳴き声だと思いました。なお、ミゾゴイは昼間も鳴きます。
 日本でもっともミゾゴイを聞いているS木♂さんに聞いていただいたところ「繁殖地でこのような声が録音されたことはありません。」とのことでした。ただ、成長段階などで、このような鳴くことが無いとは言い切れず、さらには他の湿地の鳥たちの鳴き声については不明なことが多いのでいろいろ可能性があるのではという意見をいただきました。
 あと、海辺の葛西でミゾゴイというのはにわかに信じがたい記録ですが、ちょうどネットでは「2020年5月15日朝、新宿駅東口の前でミゾゴイが出現」話題になっていました。新宿駅の入口にたたずむミゾゴイの写真が、アップされていました。新宿より葛西のほうが可能性が、ミゾゴイがいる可能性は高いと思います。
 また、葛西の元レンジャーのN村さんに連絡をして注意をしてもらうようお願いいたしました。しかし、その後、同じような鳴き声を聞くことは無かったと報告をいただきました。また、葛西における過去のミゾゴイの記録はないとのこと。慎重にならざるを得ません。
 今のところ、ミゾゴイの確定はいたしませんが、いろいろな可能性があると思い、備忘録を兼ねてアップしておきます。

 

 

2020年7月18日 (土)

夜明けのヒグラシとキビタキ-日光

 去年に続いて、今年も日光は雨続きです。1日のうちで、どこかで雨が降ることが多く、思うように録音ができません。それに加えて新型コロナのため、なかなかチャンスがありません。機材のチェックなど、いろいろやりたいことがあるのに困ります。
 今回は雨はない予報でしたので、近場の雑木林にTASCAM DR-05とYAMAHA W24をタイマー設定して置いておきました。
  ところが、朝起きると霧で前のスギ並木が見えません。霧雨未満、濃霧以上という感じです。もちろん雨は、雨音やしずくが落ちる音が入ってしまい、録音は不可となります。霧ならばと思いましたが、濃霧ともなると木の葉にたまったしずくが落ちる音が絶えずしていました。
 それでも、キビタキが夜明けとともにさえずっています。ときどきヒヨドリも来て、鳥たちは元気です。午前4時22分、まだ暗いなか、ヒグラシが鳴いてくれました。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームを少しアップ、しずくが落ちる大きな音はカットしています。

 ヒグラシのおかげで、雰囲気のある音になりました。

2020年7月10日 (金)

やっと録音できたヒヨドリの幼鳥-六義園

 身近な鳥の録音でいちばん難題なのはツバメのさえずり、ついでヒヨドリの幼鳥の鳴き声だと思います。
 いつでも鳴いているしどこにでもいると、思われるかもしれません。しかし、意外にも今までヒヨドリの幼鳥の鳴き声は2回しか録音できていません。いずれも日光で、流れのそばの録音でコンディションはベストとは言いがたい音源です。
 なぜ、難しいのか。ひとつにヒヨドリの巣立ちが遅いのです。シジュウカラやスズメなどの留鳥タイプの鳥は、5月中旬に幼鳥をみます。ヒヨドリは、早くて6月3日(1989年)、遅いと7月21日(1990年)、だいたい6月下旬からとなります。いわば、関東地方の梅雨のさなかに巣立ちます。そのため、雨や風のなかでは、いくら鳴いてくれても録音できないのです。さらに、梅雨の晴れ間や梅雨が明けるとセミの大合唱となり思うような音に録れません。
 本日、晴れ間をぬって六義園へ行きました。来園者は常連さんていど、昔の梅雨時の六義園のように空いています。そのかわり、鳥もいません。鳥仲間との挨拶は「いないね」です。
 でも、ヒヨドリの親子がいました。これ幸いと録音機をむけました。PCM-D100で録音。ボリュームのアップ、2,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。

 幼鳥が親鳥を追いかけて、食べ物をねだるときの鳴き声です。3羽いますので、親鳥が1羽で2羽の幼鳥が付いています。ヒヨドリとの距離は10数m、今までなく近いです。周辺を幹線道路に囲まれ、都会のノイズに覆われた六義園でも、近ければここまでクリアに録れます。
 じつは、録音していて私の老耳には、よく聞こえないです。声紋を見ますと、主な音は4,000~8,000Hzと幅があり、とても高いのです。「チュイ」と聞こえる「チュ」が8,000Hzで「イ」が4,000Hzです。ですから、私には低い「イ」の辺りが聞こえていることになります。さらに、倍音は8,000Hzの16,000Hzまでひろがっていて、とても深みのある音を醸し出しています。
 葉などの障害物が多く音の通りにくい森のなかで、親鳥との交信にはこの幅のある音と高い音が効果的に働いていることになります。
 5分ほど録音したところで、雨が降ってきてしまいました。それでも、やっと思うような音に録れてまずは幸いでした。ヒヨドリの親子に感謝です

2020年7月 7日 (火)

前奏のないコルリのさえずり-日光

 日光の霧降高原で20年以上、同じポイントで同じ頃、同じ時間に録音しています。
 最初は、コマドリが多かったのですがコルリとなり、コルリがいなくなったと思ったら、現在はコルリが復活しています。毎年、少しずつ変化をしていることがわかります。
 今年も、他府県の移動が一時緩和された間隙をぬって、データを録りに行きました。
 以前にも記事にしたことがありますが、コルリとコマドリのさえずりの違いは、コルリに「チッチッチッ」という前奏があることです。これを聞き逃すとしばらく聞いて、鳴き方の変化の多い少ないで判断することになります。ちなみに、変化の多い鳴き方をする方が、コルリでよろしいかと思います。
 今回、前奏のないコルリのさえずりがあることがわかりました。
 YAMAHA W24で録音、ボリュームのアップ、1,000Hz以下のノイズの軽減、ノイズリダクションをかけています。全体で約3分間ある音源の間を詰めて47秒に短縮しています。

 6番目の声まで、前奏がありません。また、7~8番目には前奏がありますが、3音くらいしかなく聞き取るに苦労するほどです。ただ、5分ほどしてのさえずりは、前奏が7音となり、正常のコルリのさえずりとなります。
 この鳴き声は、この日の最初のさえずりです。時間は、午前3時42分。夜の鳥のホトトギスしか鳴いていない時間帯に、最初にさえずり始めたのがこのコルリです。ようするに、さえずりはじめは前奏がないことがありそうです。少なくともこの日のこの場所のコルリは、さえずりはじめには前奏を付けず、だんだん調子が乗って来ると前奏を付けて鳴く感じです。
 コルリにとって前奏を付けるということは、さえずりに力が入っている証拠といえるのかもしれません。

2020年7月 1日 (水)

ヨタカの前奏に似た声-六義園

 昨夜のことです。午後10時頃、テレビを見ていると六義園から何かの声が聞こえてきました。
 昨夜は、本日同様に強風とときどき雨。さらに、なぜか駒込周辺は救急車両のサイレンがたえず鳴っています。そのなかで、ときどき鳴き声が聞こえます。ダメ元で、録音機を窓辺に置いておきました。
 TASCAM DR-05で録音、800Hz以下のノイズカット。複数回のノイズリダクションをかけて、全体のノイズを軽減しています。

 ノイズリダクションを少しずつ何度もかけることで音そのものが変質しないようにしています。
 この声が、10~20分おきにときどき聞こえます。鳴くと1声の時もありますが、3~5声鳴き続けます。鳴き声は、比較的近くで聞こえましたが、だんだん離れていきました。
 いちばん似ていると思ったのは、ヨタカの前奏です。ヨタカは「ポアポア・・・」と連続して鳴いた後に「キョキョキョキョ・・・」を繰り返します。「ポアポア・・・」は、とくに鳴き始めに鳴きます。「キョキョ・・・」は大きな声なので離れていても聞こえますが前奏の「ポアポア・・・」は、小さな声なので聞き逃すことの多い鳴き声です。
 声紋で比較すると、800~1,000Hzから1,300~2,000Hzの間にあることが似ています。また、パターンは右下がりの縦模様。「ポ」が高く「ア」が低くなっています。謎の声は、それほど顕著ではありませんが、縦模様であることは似ています。
 今までの経験ですと、「キョキョキョ」だけのことはありますが、「ポアポア」だけの鳴き方を聞いたことはありません。
 若鳥がどのように鳴くのか。繁殖が終わった成鳥が、どのように鳴くのかなどなど、夜の暗闇のなかで鳴くヨタカのこと、確かな情報がありません。
 今夜も強風が吹き荒れています。さらに、大雨の予報のため期待ができませんが、耳を澄ましています。

2020年6月29日 (月)

フクロウのお母さんは何に怒っているのか-日光

 規制が少し緩和されたので恐る恐る日光に行ってみると、なにわだとか長岡など、遠方のナンバーの車がたくさん走っていてびっくりしました。
 ぎりぎり野鳥のさえずりのシーズンに間に合いましたが、東京より1段天気の悪い日光だけに雨にたたられました。天気予報では降らないはずが大雨となり、録音機を濡らしました。翌日は、雨が降る予報でしたので、これ以上録音機を傷めてはと思いタイマー録音は断念。しかし、一滴も降らずでした。やっと3日目にして、思うような録音ができました。
 場所は霧降高原、標高1,500mを超えた森林です。時刻は、午前3時15分のことです。この後、30分後の3時45分からミソサザイがさえずりはじめ、野鳥のコーラスがはじまります。ですから、まだ暗いなかでの鳴き声です。
 YAMAHA W24で録音。ボリュームの大幅なアップ、ノイズリダクションを強くかけています。

 かなり遠くで鳴いているので、ボリュームを増幅しています。ノイズも大きくなるためリダクションをかなり強くかけています。そのため、少し音が変質しています。
 最初から聞こえる「ギャー」系の鳴き声は、フクロウの雌の声でよろしいでしょう。後ろのほうで、このフクロウの雌とかぶって鳴いている「ムアー」あるいは「ミュア」と聞こえる声の主が不明です。
 以前にも録音していますが、ケモノぽいです。
 フクロウの雌が、このケモノを警戒して鳴き、ケモノが「うるせいな!」と言っているところでしょうか。
 いずれにも、夜明け前の暗闇のなかで生き物たちのドラマがあったことになります。

2020年6月26日 (金)

オオヨシキリを聞く-葛西臨海公園

 毎年、大好きなオオヨシキリの鳴き声を聞かないと夏を迎える気がしません。
 去年は県をまたいでの埼玉県北本自然観察公園に行きましたが、今年は新型コロナの蔓延のため、都内の葛西臨海公園に行きました。7月1日からTDLが開園するため、空いている今のうち、雨間を縫っての来訪です。
 3ヶ月ぶりの公共機関への乗車、長い入院の後のようで緊張しますね。
 予報では雨が止んでいるはずの昼前に着きましたが、小ぬかのような雨が降っていました。そんななかオオヨシキリの声が聞こえてきます。カンカン照りの草いきれ中で聞く、オオヨシキリも良いですが、雨の中もまた一興です。
 さすがに、人が少なくバードウォッチャーは2人、散歩しているカップルがチラホラていど。常連さんたちは雨が止んでも姿を現しませんでした。そのため、いつもはカワセミ狙いのポイントも誰もおらず、じっくりと観察ができました。
 雨が止んだウォッチングセンターも、閑散していましたので、すぐそばで鳴いているオオヨシキリにマイクを向けて、しばしば録音。この間、目の前をカルガモの番が飛んでいったり、上空をヒメアマツバメが飛んだり、あきない録音です。
 TASCAM DR-05で録音。2,000Hz以下のノイズの軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。

 鳴き始めて、だんだんテンションが上がっていくところです。これに答えるかのように、遠くでもオオヨシキリが鳴き始めました。
 雨が止んで、風も吹かずカンカン照りにならず、寒くと暑くないなかでの絶好の録音ができました。

 

 

2020年6月13日 (土)

コルリの長い前奏

 カミさんが尾瀬で録音してきた音源を確認していたら、きれいにコルリが録れていました。
 コルリとコマドリの鳴き声の識別ポイントは、コルリに前奏があること。「チ、チ、チ・・・」という短い連続した鳴き声の後に、流れるような節が続きます。この前奏を聞き逃したり遠くて聞こえないと、コマドリとの区別に迷います。
 ちなみに、この前奏は4,000~5,000Hzと高めです。高齢者のなかには聞こえない音域となり、コルリが減ってコマドリが多くなったと言うことがないようにご注意願います。
 ところで、この前奏は短いのが普通です。短いと0.1秒で5回、ふつう0.5秒10回くらいです。それだけに、注意をしないと聞き逃す可能性のある鳴き声でもあります。
 今回、チェックしたコルリのさえずりは、とても長いのです。いちばん長い前奏は、なんと32秒にわたり72回鳴き続けていました。YAMAHA W24で録音、2,000Hz以下のノイズの軽減、軽くノイズリダクションをかけています。

Siberian-blue-robinspectrum2020

 声紋は左右39秒、天地2,000~9,000Hz、モノラルに変換しています。この間にメボソムシクイが4回もさえずっています。コルリの前奏の下に、のれんのように垂れ下がって見えるのがメボソムシクイの鳴き声です。
 前奏は、雌の鳴き声や警戒声によく似ています。そのため、警戒していて途中からさえずり始めたかとも思ったのですが、他のさえずりに付随する前奏も長い傾向にありました。この長い前奏の前でも、11秒、10秒、10秒、5秒、13秒ととても長めです。普通は、0.5秒前後のことが多いのですから、とても長く感じます。
 典型的な0.5秒ていどのさえずりを聞いていると、0.5秒間に前奏のボリュームがだんだん上がってきて登りつめたところで一気に鳴くという感じに聞こえます。しかし、長い前奏は一定の強さでなかなかピークにならないという印象もあります。
 長い前奏は個性なのか、それともさえずりはじめでまだ思うようにさえずれないのか、興味のあるところです。

2020年6月 8日 (月)

ドバトのさえずり、別パターン

 もっとも身近な鳥のひとつのドバトですが、意外と鳴き声については録音していません。
 以前、やっとドバトが巣の近くで鳴くようすを録音することができて、さえずりとしました。下記URLでアップしました。

 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2014/07/post-7245.html

 「グルッグ、グルッグ・・・」を繰り返す鳴き方をしています。
 このときは、巣があり卵を産んでいました。
 今回、日光にいったさいの録音を整理していたら、下記のようなドバトの鳴き声を録音していました。
 TASCAM DR-05で録音、300Hz以下のノイズを軽減、ボリュームのアップ、ノイズリダクションをかけています。

 「ウーウ、ウーウ、・・・」と聞こえます。なかなか難題の音でした。鳴き声自体が、300~400Hzと低く街のノイズに埋没してしまっています。おそらく、ドバトと録音機の距離は20mと近いと思います。この距離で、大きな鳥が鳴いてくれたら、もっと大きな音に録れても良いと思います。ドバトの鳴き声は、とても小さいのです。
 ドバトの本来の生息地は、半砂漠のような開けた環境だと思います。樹木がないので声をさえぎるものがなく、低い音のほうが遠くまで届いて有利なことはわかります。自己主張を感じないということは、なわばりが狭いため、集団で繁殖するためなわばり意識が希薄のためなどの要素があると思います。
 ところで「グルッグ、グルッグ・・・」と「ウーウ、ウーウ、・・・」の違いは何なのでしょう。

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