観察記録

2025年12月 5日 (金)

オオタカ幼鳥の親離れって?  

 

 

11月下旬の六義園です。

 

鳴いているのはオオタカの幼鳥と思われます。こんもりと茂った木の中にいて姿が見えません。そもそもこの日は紅葉目当ての観光客で園内は大混雑の中20分以上も鳴き続けています。私が通りかかる前から鳴いていたとすれば30分くらいは鳴いていたのかも知れません。

 

 オオタカの幼鳥がこのように長時間鳴き続けるのは一般に巣立ち後直ぐで、親にエサをねだっているとみられています。良く聞いてみると声が重なっている部分があり、どうやら複数いるのではないかとも思われます。

 

 不思議なことに六義園ではここ数年冬場にこのように鳴き続けるオオタカの幼鳥が観察されています。

不思議なことに、と書いたのは通常オオタカは抱卵30日+、育雛から巣立ちまで30日、その後親離れしていなくなるまで30日で3~3.5ヶ月で親離れするとされているからです。今頃まだ親に頼っているとすると抱卵を開始したのが9半ば半ばとも考えられるのでは?

 9月ならギリギリ繁殖時期と言えるかもかも知れませんが、なんと今年(2025年)の1月7日には園内のほぼ同じ場所で同じ声が聞かれました(松田蘭子。ブログ未掲載。録音アリ)。また2022年の12月31日にも全く同じ声が聞かれています(録音アリ。松田道生ブログ(2022年12月31日「大晦日に謎の声」/2023年1月2日「オオタカ冬の巣立ち雛の謎」)

 

そこで考えられることが4つ;

1, 親離れした後六義園へやって来た今年生まれの幼鳥が鳴いているもので、特に親にエサをねだっているのではない。オオタカは六義園では普通種とまでは言えないが時々見られている。

2, 鳴いているのは今年生まれの幼鳥ではなく2年目の若鳥、または成鳥である。いずれの場合も姿を見ていないので幼鳥だと断定できない。今までの経験から幼鳥で間無い無いだろうと判断した。

  (1,2,だと2羽いる場合の説明にならない。)

3,親離れするのに時間がかかっている。ハシブトガラスでもいつまでも一緒にいる親子が時々いる。六義園ではオオタカの繁殖の記録は無いが近隣の公園で繁殖している個体がある。

4,何らかの理由開始が開始が遅れた個体がまだ子どもを連れ廻っている。

  (3,4,だと12/31と1/7に鳴いていたのはいくら何でも遅すぎるのでは?と言うことになる)

 

 いずれにしても次回この声を聞いたら何としても姿を確認しなければなりませんね。宿題が出来ました。

 

 

 

 

2025年11月25日 (火)

カイツブリの不思議な鳴き声

 11月の芝川調整池です。

 

 この池にはカイツブリが5~6羽いて、チャイムの音に合わせて鳴いています。主人が書いた2012年のブログにも「芝川のカイツはチャイムに会わせて鳴く」とあります。13年前の記録ですからカイツブリは世代交代していると思うのですが代々引き継がれているのでしょうか?他の場所でもカイツブリはチャイムに会わせて鳴くのでしょうか?クイナやヒクイナが時報とともに鳴くのは聴いたことがあります。鳥たちは何故?そして何に反応して鳴くのでしょうか?

 

 チャイムとカイツブリの関係を観察しているとカイツブリが今まで聞いたことが無い声を出しているのに気が付きました。私が気付かなかっただけで多くの人がご存知だったら恥ずかしいと思ったのですが、各種の鳥声図鑑やCDなどを調べても、この声も、またそれについての説明も見つかりませんでしたので、「不思議な声」としてアップしました。

 

 

 カイツブリというのは実に色々な声を出すのです。今の時期典型的なケレレレという声はあまり聞かれませんが、この声も秋から冬にかけて聞かれる声の一つなのかも知れません。春から夏にかけてはこの声を聞いたことがありません。

いつも鳴いているわけではないのですが、一度鳴き始めると同じようなインターバルでしばらく鳴き続けます。大きな声ではありませんが良く響く声です。

 

 鳥声録音では「リッップシンクロ」と言って録音している鳥の口が動いていなければ断定してはいけないことになっているのですが、残念ながらカイツブリが口を開けてこの声を発声しているのを見たことはありません。ただ広い水面に他の鳥の姿が見えない中で鳴いているのでカイツブリでよろしいかと思います。

どうやら1羽では無く、何羽かが群れている時に聞かれるようなのですが、仲間に対する存在の確認なのか、繁殖行動の一つなのか、さらなる観察を待たなければならないですね。芝川に特有と言うことは無いはずですからきっと他の場所でも鳴いているんだと思います。

この声の意味するところをご存知の方がいらしたら是非教えてください。

 

2025年11月10日 (月)

短信:六義園の紅葉が始まりました /松田道生のブログをお探しの方へ

松田道生のブログをお探しの方へ:

お手数ですがアーカイブ、またはバックナンバーで2023年まで遡ってご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。

 

Photo_20251109101301   六義園の紅葉が始まりました。

緑の中に赤や黄色の木々が目立ちいい感じになりました。まだそれほど混雑していません。

恒例のライトアップは11月28日から12月9日です。一度閉門して夜は別料金になります。

 

池にはカルガモが戻り、ホシハジロ、キンクロハジロもやって来ました。シジュウカラ、エナガ、メジロ、コゲラが大きな混群を作り、常連のバードファンの皆さんからはアオジ、ウグイス、ジョウビタキが帰って来たという情報をいただきました。

 

以下に今年の秋の渡りをまとめました。( )内の名前は視認した人。

主に松田が初認した、または初認の情報をいただいた日を記してあります。実際には初認はもっと早く、特にキビタキなどは何度も見られています。傾向として参照してください。

 

 8/23 センダイムシクイ(松田)

 9/3  エゾムシクイ(松田)

 9/18 コサメビタキ(村上/加藤/松田)

 9/27 サンコウチョウ キビタキ♂♀(銭屋/加藤/橋本/松田)

 9/28 エゾビタキ (岡本/銭屋/加藤/橋本/松田)

 10/2 オオルリ♀(村上/加藤/橋本/松田)

 10/17 ホトトギス(村上)

 10/21 カワセミ (村上)

 10/25 キビタキ終認か(松田)

常連の皆さん情報ありがとうございました。

 

 

 

 

 

2025年11月 5日 (水)

ムシクイの話-オオムシクイとメボソムシクイの声の違い

 10月の日光です。

 朝7時、標高800mほどの雑木林からこんな声が聞こえてきました。

 

 

 これはオオムシクイに違いないと思って録音しました。オオムシクイの秋の渡りのルートはまだ良く判っていないのです。ところが念のため山階鳥類研究所でオオムシクイを研究されているS藤先生にお伺いを立てると、あっさり「これはメボソムシクイです」その心は「4音で鳴いているから」

 

 オオムシクイにはなじみが無い方もいらっしゃると思います。オオムシクイ、コムシクイ、メボソムシクイは今ではムシクイ上種として別に分類されていますが長い間同一種と考えられていました。外見から判断するのはほぼ不可能。このうちコムシクイは日本では希少種で鳴き声もかなり異なるので今回は省きます。

 メボソムシクイは関東以北の亜高山帯で広く繁殖していて登山などで声を耳にされる方も多いかと思います。オオムシクイの日本での繁殖地は北海道の一部ですが、渡りの時期には各地を通過するため、東京の六義園でも5月下旬頃に囀りが聞かれることがあります。最近ではオオムシクイの認知度も高まって各地から通過の情報が寄せられるようになりました。ただ秋にはほとんど鳴かないので識別が出来ず十分なデータが集まっていないようです。

 

 

以下は私が尾瀬で録音したメボソムシクイです。

 

 

次に山形で録音したオオムシクイです。

 

 

 オオムシクイは早口で判りにくいので行徳の野鳥病院で録音させてもらった飼われているオオムシクイの声も添付します。

 

 

 両種の鳴き声をを比べてみると、メボソムシクイは「ゼニトリゼニトリ」と聞きなされるように「ゼ・ニ・ト・リ」と4つの音が入っています。一方オオムシクイの聞きなしは「ジジロジジロ」で「ジ・ジ・ロ」で3音です。

 

 日光で録音された声は、やや遠かったこともあり、音節の最後がはっきりしないのとメボソにしてはかなり変わった鳴き方なので迷うところではありますが、白根山を控えた背後の亜高山帯はメボソムシクイのメッカで、今までも何度か春秋に通過するメボソの声が録音されたことがあります。またメボソは遅くまで囀ることでも知られています。さらに、メボソの囀りは地域差が激しく、オオムシクイによく似た鳴き方をする地域もあるようです。ただ今まで日光~尾瀬エリアでこのような鳴き方のメボソに出会った事が無いのが不思議です。

 

追記: 長年オオムシクイの研究を続けていらっしゃる兵庫のK田さんから、「地鳴きの観点から見るとオオムシクイではないか」というご指摘をいただきました。 オオムシクイとメボソムシクイの地鳴きを比較するとメボソの方が声が低く5KH以下なのに対し、オオムシクイはやや高く3~7KHzまであり、今回の地鳴きはオオムシクイの可能性が高いのでは?というお話でした。K田さん、貴重なご意見をありがとうございます。

専門家の間でも意見が分かれるとあってはブログ作成者の出る幕はありません。

皆さんもオオムシクイらしい声が聞こえたら耳を澄ませて聞いてみてください。

2025年10月25日 (土)

三番瀬の謎の声

 干潟の話題をもうひとつ。

 

 大潮で日曜日とあって賑わっている10月の三番瀬です。

 

 ちょうど探鳥会だったのですが、「オカシナ声で鳴いている鳥がいる・・・」というつぶやきがどこからともなく聞こえて来ました。「ミヤコドリじゃないか?」「いや違う」・・・。

 私もミヤコドリくらいしか思い付きませんでしたが、そのうち鳴き止んでしまったので忘れてしまいました。

 

やがて潮が満ちて鳥たちは突堤に集まり始めました。

そのほとんどはウミネコとミヤコドリだったのですが,突然突堤からさっきの声が・・・

 

 

 こんな声です。

 

声の主は皆さんよくご存知のオオソリハシシギでした。2羽のオオソリハシシギが突堤と干潟の杭の間を行ったり来たりしながらずっと鳴きつづけていました。

幼鳥でした。

声の感じは成鳥のオオソリと同じですが、今まで成鳥がずっと鳴き続けているのに遭遇したことが無かったので驚きました。成鳥でもこのように鳴くものでしょうか?  あるいはこの幼鳥には我々には感知出来ない何かが起こったのでしょうか?

私の数少ない経験ですが、他のシギチも幼鳥の方が良く鳴くように思います。ただ今回の行動がオオソリの幼鳥に特有のものなのかのかどうかは判りません。解らないことがどんどん増えますね。

 

秋のシギチのシーズンもそろそろ終わりを告げる三番瀬です。

 

 

2025年10月15日 (水)

トウネンと遊んだ一日

Img_7043jpg        ある日の三番瀬です。

 

私はカメラを持っていないので大物狙いはやめて干潟の中程にある潮だまりをつついているトウネンの群に近づきました。

 

10羽の群でした。

 

 逃げる様子が無いので一歩一歩ソーッと近づいて椅子を出して座りました。1時間ほど動かないでいるとトウネン達の方から近づいて来て、ついには手を伸ばせば届くほどの距離になりました。さすがに全く気を許しているわけでは無いらしく、時々首を傾げて上目遣い?でチラっとこちらの様子をうかがっているのが判りました。動かないでいると安心したらしく、とうとう私のまわりはトウネンだらけになりました。

 

 

 

 トウネンンがいるので安心したのでしょう。ミユビシギが1羽私の直ぐそばにやって来ました。降り立ったとたん人間がいるのに気が付てて「シマッタ!」と思ったのでしょうが、そのあとの行動が面白かったです。ミユビシギはソロソロと後ろ向きに後退を始め、ずっと後ずさりのままだんだん遠くなっていきました。次にやって来たのは3羽のソリハシシギがでした。トウネンに惹かれて来たのでしょうが、私に気が付くと驚いてすぐに飛び去りました。

 トウネンは全く気にする気配が無く私の足元でエサをついばんでいます。そのうち私がゴソゴソ動いてリュックからスマホを取り出して写真を撮っても気にする様子がありませんでした。私は2時間くらいそこでちょこちょこ走り回る10羽の小さな鳥に囲まれて楽しく座っていました。

 

 そのうち心配になってきました。潮が満ちてきたのです。

立ち上がって飛ばしてしまうのは残念だなあ、と思っていた時、潮に追われて別のトウネンの群が潮だまりの向こう側に降りて来ました。「私の」トウネン達もその群に合流すべく少し動いたので、私は溺れる前に急いで立ち上がりました。

 

 トウネンはこれから大きな群を作って渡って行くのでしょう。

 

  録音をしていて気が付いたことですが、動かずじっとしていると鳥達は案外近くまでやって来るものです。秋はその年生まれの幼鳥がかなり含まれているのであまり人間を怖がらないのかも知れません。

カメラマンの皆さんはどんどん歩いて近づいていって鳥を飛ばしてしまいますが、あそこでじっとしていれば結構近づいて来るのになあ、といつも思って見ています。でも皆が先に近づこうと競争になるのでしようが無いのでしょうね。

 

 

2025年10月 5日 (日)

ヒメアマツバメの唄

 最近都内でもヒメアマツバメの姿がよく見られます。

 

 あれ?なんで今頃こんなところでアマツバメが飛んでいるの?と思ったらだいたいヒメアマツバメです。

  

 名前の通りアマツバメより小さく普通のツバメとほぼ同じ大きさなので「あら、まだツバメがいる・・・」と言う声も聞かれますが、翼が鎌のようにぐっと伸びている小さなアマツバメです。

 

  10年ほど前お茶の水の高いビルの屋上のひさしに営巣していると言うので録音に行きました。ヒメアマツバメの姿は点のようでしたが、声というのは不思議なもので上から落ちて来るのかなんとか録音出来たものです(現在では上階の室内から見られるようになっている、と聞きました)。

 

 今回の録音は厚木の文化会館です。入口に張り出したひさしの下に巣を作っているので3階ぐらいの高さで、巣は見えるのですが、ヒメアマツバメ達は非常な高速で飛び回り、ほとんど巣にとどまることが無いのと、ひさしの裏側で暗いのでカメラマンの方は苦労しているようです。

 

  ヒメアマツバメは巣にエサを運んで来る時に鳴くので待ち構えていて録音するのですが、皆が同じ方向から時計回りに巣のある場所に入って来るのはさすが、と思いました。1羽だけ反対方向から来たら他の鳥とぶつかっちゃいますものね。しかも、ものすごい高速ですから死亡事故になってしまうでしょう。

 

 ヒナがいるのか親鳥が抱卵中なのかは下から見上げても判りませんでした。ヒメアマツバメは9月まで子育てするのでヒナがいるのかも知れません。厚木文化会館ではヒメアマツバメの観察会を催したり、3階の会議室をオープンして、巣を間近に見られるようにしてくださっている時もあるようです。

 

 夕方になると皆んな自分の巣に入り、外で飛び回る鳥はいなくなってあたりは静かになりました。

 

 私も録音を止めて帰ろうとしていると、突然巣の中にいるヒメアマツバメ達が一斉に鳴きだしたのです。

 

 1羽も飛んでいないのに、巣の中の80羽ほどが大合唱なのでまるで大きな文化会館の建物が鳴いているようでした。

 不思議な感じでした。

 

 これはいわゆる塒入りの儀式なのでしょうか?スズメやムクドリが塒で落ち着く前にしばらく騒ぐのと同じことなのでしょうか?

 

 

この録音では前半が巣にエサを運んでくるとき、後半の連続した鳴き声が塒入りの儀式?の時の声です。

 

2025年9月25日 (木)

アオアシシギがやって来ました

 暑さがおさまった芝川遊水池の夕暮れ時です。

 アオアシシギが鳴いています。

 

 

懐かしい声です。

最近あまり聞かれなくなりました。

 

池の中央に砂州が出来ていて、そこにアオアシシギが4羽いるのが確認できました。

日照り続きで池の水が減り、とうとう底が見え始めたのです。

イソシギも来ていました。

それとたくさんのアオサギ、ダイサギ・・・。

 

4羽のアオアシシギのうち1羽が鳴き続けているようです。

大きな声では無いのですが非常に良く響くので遠くからでも聞こえます。

 

真似しやすいこともあっウォッチウォッチング仲間の符牒として使われました。お互いを呼び合う時、特別に注意を喚起したいとき・・・。

おかげで私も口笛が上手に鳴りました。

今でも使われているのかな?

 

やがて日が沈み、アオサギが鳴いて塒へ帰り、ツバメも葦原へ。そして虫たちが鳴き始める9月の夕暮れです。

アオアシシギの声が帰り道でも遠くから聞こえていました。

 

 しばらくしてから再び訪れると、池の水位が上がってイソシギもアオアシシギも姿を消していました。

2025年9月15日 (月)

秋に鳴くオオセッカ

 コグンカンドリを見に行きました。

 9月14日(日)

 

 浮島です。霞ヶ浦から浮島を含む利根川下流域一帯は「生物多様性保全上重要な里地里山」に選定されています(環境省)。利根川の土手から見渡すと蓮田、田んぼ、湿地、が続いています。「里山」と言うと、山に近い丘陵地や谷津などを思い浮かべますが、ここも保存すべき大切な「里山(里地)」なのですね

 

 鳴かないコグンカンドリも目の前で良く囀っているオオセッカに目が行ってしまい録音しました。

エンマコオロギとコラボのオオセッカです。時々入るホオジロのような囀りはコジュリンです。

 

 

 以前「一番遅くまで囀っている鳥は何だろう」という話になり、メボソと言うことになりました。昨年の鳥学会の時でしたので9月15日頃だったと思います。

勢い良く囀っているオオセッカを見て、「アシ原で一番遅くまで囀っている鳥は?」と考えてしまいました。

オオヨシキリ、セッカはすでに鳴き止んでいますが録音には遠くで囀っているコジュリンも入っています。オオセッカ、コジュリン共にどこにでもいる鳥では無いので他所との比較が難しいですが、留鳥(または漂鳥)と言うこともあってオオセッカは一番最後まで囀っているのかも知れませんね。

  囀っている個体は複数あって、近くの1羽が鳴くと、右と左から鳴き返す声が聞こえます。この囀りの意味は何なのだろう?まだこれから繁殖しようとしている?冬の間も自分の縄張りを守ろうとしている?コジュリンが鳴いているのも気になりました。当日の天気は薄曇りで気温32度でした。

 

 コグンカンドリはどうなったかって?

 

もちろん見ましたよ。対岸の鉄塔の上を小さなシルエットで飛んでいきました。飛び方や羽の形からグンカンドリである事は判りましたが・・・。1日中ネバっていれば多分もう少し近くまで飛んで来たでしょう。

駐車場は満車でした。関西から来ている人もいて驚きましたが、今や驚くことも無いのですね。

皆さんルールを守って鳥を見てくださいね。

 

2025年9月 5日 (金)

熊と鹿と不明声-戦場ヶ原

 この録音は9月に公開予定でしたが、戦場ヶ原にいらっしゃる方も多いかと思い、情報として急いで公開いたしました。皆さんもお気をつけくださいね。

 

 8月下旬のことです。

 

 鳥はいない時期ですが久しぶりに戦場ヶ原へ行ってみました。

朝6時。すでに朝日が差していますが気温は15度。人はいません。

湯川沿いの木道へ入ると直ぐに何やら判らない鳥の声が・・・。

 

カケスが騒いでいたので最初お得意のモノマネと思い聞き流していましたが,いつまでも同じテンポで鳴いているので、別の鳥では?と思い始めました。カケスのモノマネが長時間続くでしょうか?この鳥は5分以上鳴き続けていました。

猛禽、または猛禽幼鳥も考えたのですが、どうもしっくりいきません。

当たっているかも、と思ったのが、ツグミ系という指摘です。春に戦場ヶ原へオオジシギを見に行った時、オカシナ声で鳴くアカハラ?を聞きました。実際アカハラかどうか判らず「不明」としたのですが、その時の声に似ているように思います。でも、この声を聞いてアカハラと言われても「ちょっと違う」と思われるかも知れませんね。結局今のところ「不明」です。

 

不明の声を追って木道をさらに進むと、また変な鳥の声が・・。

 

 

 録音を始めてしばらくすると、どうやら鹿らしいと判りました。日光にはやたらと鹿がいて、鹿柵がある(ハズの)戦場ヶ原でも時々見かけることがありますが、鳴くのは普通一声二声です。ところがこの鹿は10分以上ずっと鳴き続けていました。

 

 この時後ろで何か物音がしているのに気が付きました。と言っても大きなガサガサ言う音では鳴く、大変静かな、お喋りでもしていたら聞こえない程度の音ですが,鹿の声を録音中だったので後ろの音が気になったのです。今まで聞いたことが無い音で、強いて言えば、笹の葉が風に揺れてカサカサ言うような・・・。

 何かいるのでは?と思い録音を切り上げて後ろを見ましたが何もいません。ただ音はずっと先の方へ続いているようなので、音の行き先を追っていると、なんと笹藪からひょっこり熊の頭が現れたではありませんか!

 距離は15mくらいでしょうか?熊は一瞬私をじっと見て、私も熊を見ていましたが、相手は逃げるでも無く、興味を示すでも無く、また笹藪の中へ入ってしまいました。

 このまま木道を進むと熊とぶつかりそうなので、私は今日の散歩は諦めて後退しました。鹿はまだ鳴いていました。熊は湯川を渡って対岸の森へ消えて行きました。

 

 驚いたのは熊が全く逃げる気配を見せなかったことです。熊を見たことは何度もあるのですが、今までは日光の熊は人を見るとサッと逃げて行ったのです。後日日光自然史博物館の方にお話をうかがうと「ここ数年ハイカーに慣れて人間に対する恐怖心が無く、かと言って人を襲うわけでも無く、人間のことは無視して全く関心を示さない個体が一定数いる」そうです。ズミの実ができると食べに来ると・・。基本的には人間を襲うことは無いと思いますが、「出会いがしら」・・は避けたいですよね。今回ももしかすると熊が私の直ぐ後ろを通って行ったかも・・・と思うと、急いで振り向かないで良かった。

 

 鹿が鳴き続けていたことが熊がいたせいなのかは判りません。今のところ日光では一部の例外を除き、熊が鹿を襲うことは無いでしょう。鹿にとって熊がどういう存在なのかは私には判りません。同じようにカケスが騒いだのが熊のせいかどうかも判りません。外国の動物記などを読むと,カケスが騒いで熊や他の肉食獣の存在が判る、と言うような記述もありますが、日光の熊とカケスの関係がそれに当てはまるかはやや疑問です。

 

 色々考えさせられた一日でした。

 皆さまこれからしばらく、草が茂っている間は早朝の戦場ヶ原は気を付けられますように!

 

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