番組・報道

2023年3月15日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-4月は六義園の渡り鳥

 今日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 私はリモートで参加、スタジオではO村さんに立ち会ってもらいました。
 4月のテーマは、六義園を通過して行く夏鳥たちの歌声です。
いずれの音源も、六義園で実際に録音した鳥たちのさえずりを使用しています。
 六義園は、東を本郷通り、西を少し離れて白山通り。南を不忍通り、北は山手線などが走っています。10数分も車で行くと大学病院が多いので救急車両がしょっちゅうサイレンを鳴らしながら通ります。また、特有の形からヘリコプターなどの航路の目印になっているらしく上空を通過する航空機も多く、とにかく環境音が大きなところです。
 これに加えて来園者の話し声や足音もあって、野鳥録音には最適な環境とはいいがたいところです。おそらく、多くの都市公園での騒音は、この六義園なみだと思います。それだけに、いかにクリアに録るか、編集できるかが腕の見せ所です。
 録音するときは、少しでも近くで録るのが基本です。六義園は順路が縦横にありますので、周り込んで近づくことができます。これは、都市公園のいいところです。
 あとは、コンピュータのアプリ次第。とくにノイズリダクションというコマンドは救世主です。以前ならば、捨てていたような音源を生き返らせてくれます。たとえば、ウグイスが「ホーホケキョ」と鳴けば、最後のところは0.何秒か音が残り残響音となります、この音量は周辺のノイズと同じボリュームのところもあるはずですから、ノイズを取るといっしょになくなっていまします。以前は、そうでした。ところが、最近のアプリではこの断橋音を残してくれます。
 日光で録音した音源は、そのまま5分間取り出せば番組で使えることがあります。しかし、六義園で録音したものは、5分編集するのに1時間はかかります。それでも後ろでハシブトガラスが鳴いて都市公園らしい音ができたときは、うれしいですね。
 というjことで、六義園を通過して行く夏鳥たちのさえずりを楽しんでいただければと思います。
 
4月の放送予定
2日 キビタキ
9日 オオルリ
16日 メボソムシクイ
23日 ホトトギス
30日 マミチャジナイ 

2023年2月15日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-3月は鳥にまつわる言い伝え

 今日は文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 3月のテーマは、鳥にまつわる言い伝えです。鳥の声を聞きながら、言い伝えの解説を聞いてただきます。言い伝えは、昔の人がよく鳥を見ていたなあと感心させられる事例が多いのですが、厳選しての4編です。
 ただ、最近の人はこうした言い伝えを知らないことが多くてびっくりさせられます。日本人の知識ともいうべき、言い伝えを番組にすることで、少しでも後世に伝えることができればと思います。
 今日はO村さんが、見学にいらっしゃいました。本当は、私がスタジオをご案内し番組収録のようすも紹介する予定でした。しかし昨日、抗がん剤の投与日で、本日の体調が完璧でないため申し訳なかったのですが、私はズームでのご紹介とさせていただきました。
 また、本日よりスタジオの機材が新しくなりました。そのため、M馬さんが最初はとまどってしましたが、あとはいつもの通りスムーズに番組収録が進行。若い人は機材慣れが早いです。
 ということで、来月もよろしくお聞きいただければ幸いです。

 

3月の放送予定
5日 カケスの雲溜め
12日 イスカの嘴のくいちがい
19日 メジロ押し
26日 ツバメが巣を作ると

 

 

2023年1月18日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-2月は舎人公園

 今日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 2月のテーマは、舎人公園です。
P1100970

 この公園は、家からもっとも近い探鳥地の一つです。公共の交通機関の乗り継いで1時間以内にたどりつけます。その広さ65 ヘクタール。六義園の7倍以上はあります。ほぼ四角形をしていて、そのなかのもっとも長い辺は1キロメートルもあります。
 はじめてあしだちの会の探鳥会で案内してもらった時は、あまりの広さに驚きました。
 多目的公園のため、遊戯施設のあるエリア、芝生広場、バーベキュー広場など、自然度の低い環境もありますが、中央の池と南の一角にある自然観察園(写真)が野鳥の多いところです。
P1100959
 ただ、人声と周囲を道路に囲まれているため、どうしても騒音はさけられません。「会社が倒産してしまって・・・」なっていう会話が聞こえて来ると身につまされます。
 まずは、長時間録音して鳥が啼いていて静かなところをつないで人に聞かせられる音に加工しなくてはなりません。
 ただ、池のカモ類やカイツブリ、バン、オオバンは人慣れしていて近くまで来て鳴いてくれます。こうしたチャンスに録音すれば、思いの他クリアに録れ、野鳥録音も楽しめる公園です。・
 そんな舎人公園の野鳥たちが、少し春を感じているようすを番組にしてみました。
  
2023年2月 放送予定
5日 キンクロハジロ 
12日 ユリカモメ
19日 オオバン
26日 カイツブリ

2022年12月15日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-来年1月は日本三鳴鳥と三霊鳥

 昨日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来年の正月にむけての収録です。
 正月らしいネタを考えたすえに、三鳴鳥と三霊鳥が思い浮かびました。1月は5週ありますが、合わせたら6種類になり1日たりません。しかし、ウグイスが三鳴鳥と三霊鳥のどちらにも入っていますので、ちょうど5種となり面白い構成になりました。
 ブッポウソウの鳴き声は、岡山県吉備高原まで行って録音しました、ただ、あまり癒やされる声ではないため、番組では使ったことはありませんでした。今回、コノハズクの鳴き声との比較でやっと日の目を見たことになります。
 三鳴鳥と三霊鳥の鳴き声を聞くことで、日本人が鳥たちの鳴き声をあがめたり楽しんだりした感覚を今に伝えられればと思います。
 白状しますと、去年2回ミスをしました。1回は録り直しをしてもらいました、今年は12月最後の収録を迎えて、ミスはゼロの自信があったのですが、最後の最後で大きなミスをしてしまいました。
なんと最後のジュウイチの音源は、編集前のファイルを渡してしまっていたです。ですから、音を流すと「ゴーッ」という音のなかでジュウイチが鳴いていることになります。最初は、機械が壊れたかと思いましたが、どうも違います。
 すぐに、手元のファイルを確認すると未編集のものを送っていることに気がつきました、おそらく送るためのフォルダーにコピーするときに、ファイルを間違えて入れてしまったとしか考えられません。もちろん、編集済みのファイルがありますので、すぐにデータ便で送り事なきをえました。
 もし、私がスタジオにいたら対応できないリカバリーですし、昔ならばバイク便を飛ばすか、タクシーで持って行かなくては鳴らない事態です。なんと時間のロスはわずか5分ほどで解決することができました。リモートならではの対応で、リカバリーできたことに、ちょっと新鮮な驚きでした。
 また、鈴木さんと門馬さんに編集前と編集後の音を聞いてもらう滅多にない機会ととなり、現在の技術のすごさを知ってもらうこともできたのは不幸中の幸いでした。
  
2023年1月 放送予定
1日 コマドリ
8日 オオルリ
15日 ウグイス
22日 コノハズク
29日 ジュウイチ

2022年11月24日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-12月は謎の鳴き声

 本日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来月のテーマは、謎の鳴き声の解明です。
 拙ブログの記事では、不明の鳴き声を取り上げていますが、なかなか番組として構成するのは難しく懸案となっていました。というのも、まったくわからなければ紹介のしようがありません。また、多くが短い声だったり録音状態もよくなく、5分間の番組に耐えられるような音でないからです。
 そうしたなかで、三宅島で録音し最初はオオコノハズクと思われていたツツドリ、蒲谷鶴彦さんが解明したフクロウの幼鳥、3日通いTさんの協力を得て姿を確認してわかったヨシゴイの幼鳥、葛西のクイナの冬に聞いた声をお聞きいただきたいと思います。また、普通のツツドリの鳴き声、フクロウとヨシゴイの親鳥の声、クイナの夏の鳴き声も紹介しながらの構成です。
 今回、三宅島のツツドリの鳴き声を聞くと、テンポや雰囲気はやはりツツドリ。音の高さと音質は異なりますが、なぜあのときツツドリの名前が出てこなかったのか不思議です。編集し加工して聞きやすくすると、だんだん普通のツツドリの鳴き声に消えてきてしまったのです。
現地で聞いたときは、小犬のようにも聞こえる鳴き声だったのです。もちろん私だけではなく、ベテランの鳥仲間も聞いて首をかしげていたのですから、わからなかったことは事実です。音の要素のなかに、本来のツツドリの”本質”のようなものがあるのでしょうか。  

2022年12月 放送予定
4日 ツツドリ
11日 フクロウの幼鳥
18日 ヨシゴイの幼鳥
25 日 クイナ、冬の声

2022年10月20日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-11月は鳥のトリビア

 昨日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来月のテーマは、去年評判の良かった鳥のトリビアです。
 トリビアネタはいくらでもありますが、なかなか鳴き声といっしょに話ができて、違和感のないテーマとなるとかなり限られ苦労しました。
 「ドバトはなぜ首を振って歩くのか」は。NHKラジオの夏休み子ども科学相談でもよく電話がきました。また、観察会などでもよく質問を受けます。身近な鳥を観察する良いテーマだと思い取り上げました。しかし、ドバトの鳴き声が「朝の小鳥」に登場するのは、放送以来初めてかもしれません,私は初めてですし、蒲谷鶴彦さんは録音できないで苦労されていました。たしか『野鳥大鑑』の制作のためにやっと録音できたと記憶しています。そのころは「朝の小鳥」の 放送予定をいただいていましたが、ドバトはなかったと思います。ちょっと記念すべき回となります。
 写真は、スタジオの門馬さんとZoomのようすです。鈴木さんへのキューの指示が優しげです。私は、マルチスクリーンで、上の画面にシナリオを表示させて確認しながら、進行具合をチェックします。

Studio

2022年11月 放送予定
6日 オシドリはオシドリ夫婦か・再考
13日 なぜマガンは隊列を組んで飛ぶのか 
20日 なぜハトは首を振るのか
27日 チドリはチドリ足か

2022年9月22日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-10月は神島

 昨日は『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来月のテーマは、三重県の神島です。申しわけございませんが、このコロナ禍と私の体調から思うように取材ができず、過去の使用していない音源を元に構成しています。
 神島の取材は、まだDATで録音していたの時代で1996年10月です。亡くなってしまった鳥友の樋口行雄さんと鳥羽市から神島を案内してもらった思いの出の取材です。
 いつも不思議に思っているのですが、タカの渡りが早まったことについて、あまり語られていません。伊良湖岬、神島ルートでサシバが10月に渡るというのが、発見されたのは1970年代のことです。当時は、渥美半島にある汐川河口のシギチドリが有名で、渡り鳥を見に行った地元の方が、たまたま伊良湖岬で休んでいるときにサシバが渡って行くのを発見して、知られるようになりました。
 私も当時、4,5回は通ったでしょうか。いつも汐川河口のシギチドリとセットのバードウォッチングを楽しんだものです。ただ、多いと500人もののバードウォッチャーが集まるようになりましたので、人の少ない神島に行ったことになります。今までの経験から10月10日を目指して行っています。
 ところが、最近の白樺峠などの情報を見ると、9月上旬から渡りが見られ、中旬が最盛期となっています。およそ1ヶ月早くなっています。
 実は、伊良湖岬も早く行けばもっと渡っているのではないかと思い、9月20日前後に行ったことがあります。残念ながら1羽のサシバも渡らず、やはり10月中旬でなければダメだと思ったものでした。
 9月に渡りが見られるのは、白樺峠だけではなく各地のことですから、渡りのタイミングは変化するものなかのか、興味のあるところです。
 ということで、神島の野鳥たちをお楽しみいただければ幸いです。

 

2022年10月 放送予定
2日 サシバ
9日 ヒヨドリ 
16日 メボソムシクイ
23日 ウグイス
30日 スズメ

2022年8月23日 (火)

『朝の小鳥』スタジオ収録-9月はコラボ

 ちょっと時間がたってしまいましたが、17日に文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録を行っていました。
 来月のテーマは、2種類の鳥や生き物で構成してみました。自然のなかで、1種類だけが鳴いていることは多くありません。自然が豊かであればあるほど、いろいろな生き物の鳴き声が同時に鳴き、録音されてしまいます。
 そうなると、聞いている人は鳴き声の区別が付かなくなってします・そのため、できるかぎり1種類に的を絞り、解説しています、
 ところが、2種類同時に鳴き声を聞くことで、雰囲気がより出ることが分かりました。相乗効果で、自然の音により深みがでる感じです。
 今まで、お蔵入りにしていた鳴き声を構成しなおしてみました。
 いかかでしょうか。

2022年9月 放送予定9月
4日 シロハラ+センダイムシクイ
11日 オオルリ+カジカカエル
18日 ノジコ+アカゲラドラング
25日 コノハズク+ムササビ

 

2022年7月 6日 (水)

『朝の小鳥』スタジオ収録-8月は蔵王

 本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 来月のテーマは、蔵王の野鳥たちです。蔵王は山形県と宮城県にまたがって広がっています。案内をお願いした日本野鳥の会山形支部の簗川堅治さんと合流した関係で山形県側から登りました。
 蔵王取材の目的は、イワヒバリです。イワヒバリの録音はかなり苦労をしました。冬のイワヒバリは日光で何度も観察していますが、さえずりを録るとなるとまた別です。関東地方だったら繁殖地は2,000m級の山に行かなくてはなりません。
 立山室堂、千畳敷カール、那須岳は3回は行ったでしょうか。蔵王も2回目のチャレンジで、やっと録音できました。北へ行くほど森林限界の標高は低くなり、イワヒバリとの遭遇の確率も高くなります。しかし、東北地方の山地は、交通の便が悪くよい収録地がありません。それにお願いできるガイドもいません。
 ところが簗川さんという強い味方と、蔵王はとにかく行けば、駐車場からイワヒバリの好きそうな岩場がです。簗川さんの話では「駐車場のそばで鳴いていることもある」とのこと。実際は、1,2kmガレ場を歩いて雪渓の上を飛び交うイワヒバリに会えました。ただ、便利なだけに昼間は観光客も多いため人声が入ります。それに風が強い。そのため、早朝のタイマー録音でなんとか思い描いた録音ができました。
 その他、このときの取材で録音した野鳥たちをお楽しみいただければ幸いです。
 写真は、お釜と呼ばれる火口に水が溜まった湖。夜は、ここからヨタカの鳴き声が聞こえました。
Zaou

2022年8月 放送予定8月 蔵王の野鳥たち
 7日 イワヒバリ
14日 ヨタカ
21日 カッコウ
28日 ビンズイ 

 

2022年6月 2日 (木)

『朝の小鳥』スタジオ収録-7月は天売島

 本日は、文化放送の『朝の小鳥』のスタジオ収録でした。
 おそらく東京からもっとも遠い探鳥地は、北海道の天売島でしょう。距離から行ったら西表島や小笠原のほうが遠いかもしれません。しかし、今まで各地を訪れていますが、交通の便や心理的なことを考えると天売がいちばん遠く感じます。
 それでも、過去に2回取材に訪れています。10年ほど前は、写真を撮りに行った人はいたので情報はそこそこありました、しかし、録音で訪れた人は希で情報はまったくといってありませんでした。これは、今も同じだと思います。
 ウトウポイントへの交通の便から、ノイズの状態、録音するために前もって知っておきたいことが山ほどありました。なんとか関西の録音仲間の方が天売に行ったことを知り、メールで情報をいただきました。クマはいないけれど、まっくらな中歩いて帰ってきて怖かったなど、コアな情報をいただき覚悟の上の天売来訪となりました。
 幸いにして、現地のガイドというか天売の主の寺沢孝毅さんに案内をお願いすることができました。解放されているウトウポイントに案内してもらい午後8時まで制限の範囲内で、録音できました。こうしたローカルルールは、現地に行って初めて知りました。これを無視して撮影している人もいて、寺沢さんにお会いすることがなければ恥をかくところでした。
 ただ、1回目は訪れたのが早かったため、ウトウの雛がまだ孵っておらず、雛の声は録れませんでした。
 2回目は、日光の仲間と来訪。今度は、私がガイド役を果たし雛の声も録れました。ただ、日没後ひとりで帰ったのですが、その心細いこと。ちょうどヤマシギが鳴く時刻で、クリアな録音ができるチャンスとなりました。何が怖いというのではありません。ただただ、1人で闇の迫る草原にたたずむだけで怖いのです。恐怖心とヤマシギの鳴き声を天秤にかけて、ヤマシギがかろうじて勝ちました。歯を食いしばって「せっかくもっとも遠い天売まで来たのだから、ここはがんばるところだ」と自分に何度も言い聞かせての録音でした。
 写真は、今まで体験したなかでもっとも美しい天売の朝焼けです。
R0013328
 そんな天売を思い出しながら、構成してみました。

2022年7月 放送予定
3日 ウトウ
10日 ノゴマ
17日 ハシブトガラ
24日 コヨシキリ
31日 ヤマシギ

 

 

より以前の記事一覧

2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ