徒然

2019年2月19日 (火)

千鳥笛・再録

 先日の千鳥笛について記事にしました。Facebookのコメントやメールでのおたずねがありました。たしかブログの記事にしたと思いリンクさせようと検索しても出てきませんでした。あとで、『野鳥を録る』(2004・東洋館出版社)のコラムに書いたことを思い出しました。
 ということで、再録しておきますので、ご参考にしていただければと思います。

 蒲谷コレクションのなかに、宮内庁新浜鴨場の千鳥笛の録音が残っています。1970年代に収録されたもので、千鳥笛の実演とともに昔の新浜のようすを語るインタビューも録音されています。
 千鳥笛は千鳥猟のときに鳥たちを呼び寄せるためのもので、今では失われてしまった猟法です。千鳥猟は、堀内讃位の『鳥と猟』(1945年、昭森社)によると「岸に近い川底を掘り掘り取った泥土を一方に盛り上げ、幅2間(注: 1間は1.8m)、長さ4間ほどの傾斜地を築く。これに略同大の網を、開帳したまま張る。」もので無双網に近い猟法であると、詳しく紹介されています。
 そして、千鳥笛は「頃合いを見はからって、鳥舎に潜んでいた福田名人が笛を吹く、それは恰も水上に頭を出している築場を差して、此所に来れと云わんばかりである。」とあり、そして網を引くとまさに一網打尽に捕らえるとあり、さらにこの作業は続けて行われ、笛に誘われて何度も捕らえることができるとあります。これを読めば、一度は聞いてみたい、吹いて見たいと鳥好きなら思ってしまいます。
 蒲谷の録音は、福田名人のものではなく峰崎寒太郎さんのものですが、すでに故人。貴重な録音です。録音を聞く限り、チドリの声の雰囲気はかなり近いものがありました。また、この録音にはチドリばかりではなくシギの仲間のキアシシギ、アオアシシギ、チュウシャクシギなども吹き分けられており、いろいろな種類のレパートリーがあることもわかります。
 数本の笛から、それぞれの鳥の特徴を捉えて吹き分けている技術はたいしたものです。さらに、シギチドリ類ばかりではなくクイナ笛もあり、これまたヒクイナの声によく似ています。
 なお、千鳥笛はシノタケの茎を短く切って音が出るように小さな穴があいているだけのごく簡単なものです。シノタケは今でも新浜鴨場のまわりに今でも生えていますし、手先の器用な人ならば作れそうです。しかし、鳥を呼べるだけの音を出すためには、本物のシギやチドリの声が頭にしっかりと入っていなくてはなりませんし、それなりの練習と年期がいりそうです。

2019年2月15日 (金)

最後の千鳥猟かも

 古い写真を整理していたら、カミさんのアルバムから1枚の写真がはらりと落ちました。

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 モノクロ写真です。わかりにくい写真で恐縮ですが、よく見ると千鳥猟のようです。
 時代は、1970年代のはじめ頃。1970,1年だと思います。
 なんとサンドパイプの上で千鳥猟をしているのです。
 身を隠すための木の葉のついた枝を並べ、このなかに編み笠をかぶった男性が1人、その後ろに帽子をかぶった人が1人います。このうち、どちらかが笛を吹いてシギやチドリを呼んでいたはずです。笛の音に釣られて来たシギやチドリに、長い竹竿に張ってある網をぶせて捕らえる猟です。
 それを横から撮影しています。どうも、現在の行徳野鳥観察舎があるあたりから保護区内に向けて写した感じです。現在の保護区内のレイアウトを作るために、干潟だった場所にサンドパイプで土砂を入れました。その土砂が、まだ乾かないでドロドロだった頃です。このような状態のときには、干潟のなかの生物の死骸や栄養があるために大量のハエの仲間が発生しました。それを食べるために、ハマシギやトウネンなど小型のシギが群れでやってきていました。それを、取ろうということで千鳥猟でしょう。
 造成された土地は、1年くらいで乾いてしまうので鳥はこなくなります。周辺の干潟もなくなり、新浜での千鳥猟をやっていた風景も話も聞かなくなりました。
 もしかしたら、この写真が最後の千鳥猟かもしれません。

2018年12月12日 (水)

時報のある生活-リズム時計の「四季の野鳥」

 「ピッピッピ、ポーン。3時をお知らせいたします」
 昔は、定時になるとテレビ画面に時計が映って秒針が重なり、時報が鳴りました。また、家には柱時計があって、3時ならば3回「ボーンボーンボーン」と鳴り、「おやつの時間だ」と子ども心にわくわくしたものです。

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 (水上清一さん制作のハシブトガラスのバードカービングと撮りました)

 今は、時間を知りたければスマホを見ます。こうして原稿を書いているときも、コンピュータの画面の片隅に表示もされています。ですから、今何時か知ろうと思えば、苦労することなく時間がわかります。
 しかし、定時の時報はなくなりました。
 アナログの柱時計は、夜中も鳴るので目が覚めると言うことで、壊れたことをきっかけになくなりました。いつの間にか、テレビの時報がなくなりました。BS放送開始当時、時報が微妙に遅れることが気になっていました。さらに、デジタル放送では圧縮された情報を解凍しているのでタイムラグが生じ、正しい時刻を伝えられなくなったためだそうです。それ以前に、民放では定刻を無視して、ドラマやニュースが始まることもあります。
 いずれにしても、「ピッピッピ、ポーン」も「ボーンボーンボーン」も今や懐かしい音となりました。
 リズム時計工業株式会社と日本野鳥の会がコラボして野鳥の鳴き声が聞こえる掛け時計「四季の野鳥」が家に来てから、定時の時報を聞くようになりました。もちろん、「ボーンボーンボーン」でなくて鳥の鳴き声が定時を知らせてくれるようになりました。午前11時だとわかれば「午前中、もう少しがんばるか」と思いますし、午後4時ならば「そろそろ夕方の散歩に行こうか」となります。ちなみに、部屋の明かりが消えれば、センサーが働いて鳥が鳴くことはなくなりますので、昔の柱時計のように起こされることはありません。
 いずれにしても、定時の時報があるおかげで、生活にメリハリができることがわかりました。
 ご参考までに以前の記事です。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2018/10/post-47c0.html

2018年11月28日 (水)

訃報・中村司先生

 山梨大学名誉教授の中村司先生がお亡くなりなったとお知らせが回って参りました。享年91才だそうです。
 中村先生は、私が日本鳥類保護連盟の時代からお世話になった恩人の一人です。学会はもとより、シンポジウムや記念パーティなどには必ずお出でになり、先生のほうから声をかけていただき、お話しをする機会がけっこうありました。話題は、私が取り組んでいるテーマで、私の本や雑誌に書いたことを読んでいることは間違いなく、最近ではこのブログも目を通されていて、そのマメさにはおどろかされました。
 最後にお会いしたのは、上田恵介さんの退官記念の講演会でしょうか。このときも遠くから、頭を下げていただきました。先生は、たいへん小柄で腰が低いため挨拶をされると、どうしても私よりも頭が低くなってしまいます。腰の痛いときは、頭を下げられず恐縮してばかりしていました。
 先生のお父様は、中村幸雄さんでやはり鳥類学者として、日本の鳥学の黎明期を支えた方です。コノハズクが「ブッポウソウ」と鳴くことを鉄砲で射て実証されたり、蜂須賀正氏(まさうじと読む。こう書かないと何で彼だけ”氏”を付けるのかと言われたことがある)と、ボルネオに有尾人を探しに探検に行き、新種の鳥を捕獲した採集人の1人でもあります。
 先生は戦後、いち早くアメリカに留学されて日本の鳥学を発信、海外の研究を日本に紹介するなど、戦後日本の鳥学の発展にご尽力されました。ご専門の渡り鳥の研究では、ホルモンが渡りに与える影響を実証され、ライフワークとされていました。
 山梨大学で教鞭をとられた期間は長く、退官後も教壇に立たれていたようです。「最近、耳が遠くなって女子大生が話すのに近づかないと聞こえない、セクハラと思われるので、そろそろ辞めなくては」と、おっしゃっていたのがついこの間のように思い出しました。
 拙ブログでは、過去に先生のご著書『渡り鳥の世界』(2012・山梨日々新聞社)を紹介しております。渡り鳥の謎が解明できて先生の鳥へのあたたかいまなざしを知ることができます。
 http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2012/04/post-32cd.html
  写真は、パーティでの一コマ。プリント写真ですから、20年くらい前かもしれません。まだ、みんな若いです。故・江戸家猫八(当時は小猫)さんもいっしょです。

Photo

中村司先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

2018年10月 1日 (月)

台風の影響-六義園

 昨夜、東京地方を通り抜けた台風24号の被害が心配で六義園へ行って見ました。
 本日、歩けるのは入り口付近から池のまわり半周ほど。それ以外は、立ち入ることができませんでした。職員の話によると、奥のほうではケヤキの木が折れて順路をふさいでいるとのことで、今までない被害が出ています。ただ、幸いなことに名物のシダレザクラや建物には被害はありませんでした。
 立ち入り禁止になっていた千里場、落ちてきた葉や枝でいっぱいです。

1810011

 家からみた枝折れです。順路の上にいつ落ちるかわかない折れた枝があると除去されるまで通行止めになる可能性があります。

1810012

 ところで、昨夜11時30分頃の風の音です。あの強風のなか、アオマツムシが鳴いていました。いったい枝にどうしがみついて鳴いていたのでしょう。しかし、さすがに突然の強風になると鳴きやみました。




 

2018年9月13日 (木)

カミナリの被害-六義園

  涼しくなったので六義園を一回り。常連さんも、顔をそろえてご挨拶です。
 以前、記事にした落雷の跡を見たら、立ち枯れていました。   
  落雷があったのは8月13日で、19日に落雷の跡を報告しています。
  http://syrinxmm.cocolog-nifty.com/syrinx/2018/08/post-ef9f.html
 このときの写真を見ると、スダジイの木の皮ははじけ飛んだようにめくれていますが、まだ木は青々しています。
 ところが、今日見ると葉が枯れて茶色になっています。さらに、周辺のクスノキやスダジイ5本も枯れていて、よく見ると木の皮がめくれています。

Tree180912
 
 落雷の被害は、1本だけでなくて周辺の5本の木に及んでいたことがわかります。よく稲妻が枝分かれして落ちていく映像があります。まるで大規模な線香花火のように2,30m四方に稲妻が走ったことになります。木の下での雨宿りはもちろん、離れていてもやばかったことになります。
 この5本の木が無くなると、この周辺はぽっかりと空いてしまいます。池の畔がかなり寂しい感じになってしまうのが心配です。
    

2018年8月 6日 (月)

流れの音-日光

 昨日に引き続き、涼を求めて日光を歩きました。
 霧降高原のキスゲ平です。もう、ワレモコウなど晩夏の花が咲き始めています。
 気温は、100m上がれば0.6度下がるはずです。キスゲ平は、駅前に比べれば約1,000m上がっていますので、市内の気温が30度ならば、24度のはずです。車の温度計では、25度まで下がりました。さすがに、日陰はここちよい涼しさです。
 遊歩道を歩いて行くと、小さな流れが涼しげに聞こえました。合間にウグイスが鳴いてくれて、良い感じでした。録っている時には、気が付かなかったセミが入っていました。標高の高さからコエゾゼミでよろしいかと思います。私には、聞こえない音の高さも特徴です。
 PCM-D100で録音、低音ノイズの軽減、コエゾゼミの音域のボリュームを軽減しています。

2018年8月 5日 (日)

風鈴の音-日光

 今年の日光は、いつもの東京並みの暑さです。
 少しでも涼しい音をと、風鈴の音を録ってみました。
 以前、風鈴の音を録音しようと思って、チャレンジしたことがありました。まず、風鈴は風が吹かなくては鳴りません。風が吹くとマイクに風があたり「ボッ、ボッ」という音になってしまいます。では、団扇で扇げばと思ったのですが、音が不自然になりますし団扇の音が入ってしまいます。
 また、風鈴のあるところは人工的な音に満ちています。では、部屋のなかでとも考えたのですが、やはり空に音が抜ける感じがないと、これまた不自然。簡単そうで難しい風鈴の音です。
 涼しさを求めて日光の町外れを歩いていたら、B&Bを掲げた家の軒先に風鈴が下がっていて良い感じに聞こえました。PCM-D100で録音、低音ノイズの軽減、セミの音域のボリュームを下げています。



 風鈴は、ガラス、金属などいろいろありますが、陶器製の風鈴です。そのため、少し音が重い感じがします。
 近くを流れる渓流の音が涼しく伝わらず、セミ時雨のなかの風鈴の音、かえって暑さを感じる音になってしまいました。 

2018年7月 6日 (金)

アリの巣がありました-長時間録音の失敗

 東京地方は1週間、強風が吹きまくり、まったくフィールドワークができませんでした。そのため、今シーズン録音した音源の整理をしています。
 今シーズンは、新しい機種の試し録り2機種があり、なかなか良い音が録れました。新機種の試し録りは、霧降高原で行っています。霧降道路の際に置いて録音します。最初は、木の枝にしばり付けたりしましたが、地面に近い方が風の影響を受けることが少ないので、地面に置くことにしています。
 霧降道路は2車線でカーブが多いので、途中で車を止めることができる場所は限られています。少なくとも100mは直線のところ、あるいは車を縁石に乗り上げさせ少しでもスペースをあけて止められるところでないと危険です。標高が1,400m以上で、このような条件で録音機を置くことができるのはわずか2ヶ所しかありません。それでも、下り車線のため、かなりのスピードで車が下ってくるので、急いで録音機を置かなくてはなりません。先日は、数10mしか視界のない濃霧の中でしたので、なおさら急いでおきました。

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  録音機はあらかじめ稼働させておいて、さっと置きます。この間のタスカムのDR-44WLの試用では、置くときアリがたくさんいるのがわかりました。でも、アリの立てる音なんてたいしたことはないだろうと思って置いてしまいました。また、夜や早朝の温度の低いときには、活動しないだろうと思っていたのです。ところが、録音機のそばで活動するアリの立てる音は思いの他、大きく入ってしまいました。



 「ガサゴソ」という音です。この音源の部分は午前2時頃です。アリは、なんと夜中も働いていたのです。低音なのでカットは可能ですが、この音を削除するとカッコウの鳴き声も消えてしまいました。これからは、録音機の稼働の確認だけでなくアリの巣がないかの確認も必要と、長時間録音の注意事項に書き加えておきます。

2018年6月20日 (水)

カウンターが999999になりそう

 ふと気が付くと、拙ブログのカウンターが999,999に近づきつつあります。

Counter180619

 表示されているのは6桁までなので、これを過ぎると0になるのでしょうか。今から楽しみです。昔はよくキリ番でプレゼントをというサイトがありましたが、最近はなくなりましたね。
 このブログは、還暦になったのを機会にはじめました。ですから、約8年前の2010年の3月からです。ということは、一年間およそ12,500件、毎日300~400件という数字となります。それにしても、よくまあ続いたものですし、多くの方々が来訪していただきありがとうございます。この数字は、励みになります。
 おかげで検索に苦労をして、やっと見つけたと思ったら自分のブログだったときは、”なあんだ”と”ちょっとうれしい”、複雑な気持ちになります。
 

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